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間違いだらけの仮装パーティー  作者: 烏川 ハル


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1/2

前編

   

 高校時代はゲームばかりやっていた僕も、大学生になったら、それなりに人付き合いをするようになった。

 一人でゲームをするより、みんなと飲み会でワイワイ騒ぐ方が楽しい。これを昔の僕が見たら「リア充だ!」と言うのかもしれない。

 もっとも、そんなリア充っぽい世界に僕を引き摺り込んでくれた安田とは、まずオンラインゲームの中で知り合って、それから同じ大学と知ってリアルでも友人になって……という流れだった。僕の本質は、昔と変わっていないのだろう。


 しかし。

 こうしてせっかく、みんなとリアルで遊ぶのを楽しめるようになったのに!

 外出自粛が叫ばれるご時世となったため、なかなか飲み会も開けない!

 そんな悶々とした気持ちで毎日を過ごしていた、10月下旬のある日のこと。

 安田から電話で誘われたのだった。

 仮装パーティーをしよう、と。


 最初「かそうぱーてぃー」と聞いて、何のことだかわからなかった。

 でも「こんな時だからさ」という言葉で、すぐに理解できた。なるほど、リア充イベントとしては、ハロウィンパーティーの時期じゃないか!

 つまり、コスプレして集まろう、ということだ!

「おお! どんな格好で行くか、ちょっと考えてしまうよ」

「大袈裟だなあ。普通に、なりきり遊びだろ?」

 なるほど、ハロウィンのコスプレというのは、確かになりきり遊びなのだろう。

 僕にとって初めての仮装パーティーであり、コスプレ衣装なんて一つも持っていない。でも冠婚葬祭で着る黒服に、簡素なマントや牙などのおもちゃを買ってきて組み合わせれば、吸血鬼の仮装くらいは出来そうだ。

「じゃあ、明後日の夜。いつもの川原で、待ってるぜ!」


 いつもの川原、と言われて「おや?」と感じたのは一瞬だけだった。

 もともと僕たちは、誰かの部屋で飲んだり、居酒屋に入ったりする他に、大学近くの川原で遊ぶことも結構あったからだ。

 しかも今は、こんなご時世だ。居酒屋の多くは営業自粛中だし、かといって個人の家に集まるのも相応しくない。ハロウィンパーティーならば、狭い部屋の中より、広々とした野外の方が良さそうに思えたのだ。だから納得して、いつもの川原へ向かったのだが……。

   

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