この大空に届けてよ
はじめて書く、切ないお話です。
べたな展開だけど、読んでくれたらうれしいです。
「空、見てる?」
私のいつもの口癖。
屋上で空をみあげて、いつもそうつぶやいてる。
今にも、空が何かを囁きそうに見えてるから。
『僕はね、風。キミのことがだいすきだよ』
空が、ふ、と優しい微笑みを浮かべる少年にみえて。
さみしく笑う
「どうして、気付かなかったのかなぁ。」
ふと、涙が頬を伝る。
両親が交通事故で亡くなり、親戚は金がどこに行くかともめて。
わたしは、ただただ絶望につかり
両親の亡骸を、じっとみつめているしかできなかった。
だから、逝こうと思った。
両親のいるところへ。
おもえば、とても愚かなことだった。
私の大切な人の命を、
もうひとつ絶ってしまったのだから。
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今も残る、あの車の音。
「風!」
キィィ______________
ドンっ
「イヤぁーーーーーーーーーーーーーーー!!! そらぁァーーーーーーーー!!!」
少年は少女の腕に抱き抱えられながら、何かをささやいた
そして、
ふ、と笑った気がした。
―僕はね、風。キミのことがだいすきだよ。
―君は それでも
―命を 絶ち たかった の ?
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「空の言うとおりだよね。」
この大空に向かって、ほほ笑む。
「ありがとう」
あの時、思ったキモチ
今では見失って
はかなく散る桜のように
ひらひらと舞う
この大空に託したい
この大空に願いたい
あのとき失ったキモチ
翼に乗せて
この大空に届けてよ。
あの時、発した言葉
たった一つの真実と知る
心映し出す池のように
ゆらゆらと揺れる
このあなたに託したい
このあなたに願いたい
あの時の真実を
あなたの手で守り続けて
あなたの手で守り続けて・・・
私が作った詩を載せてみました。
この詩の題名が「この大空にとどけてよ」というので、この物語にこういう題名がつきました。
この小説、(ともいえないかもしれないほど短いもの)をよんで命の大切さを覚えていただければ幸いです。