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妖精の尻尾②

エウレーネ塔で出会った褐色の肌の女の子。

彼女はいったい何なのか。。。?


毎日投稿頑張ります!

「あ・・・あのっ!」

「!! だ、誰!?」


 蒼星が思わず声を掛けると、彼女は驚いた様子で踊りを止めてしまい、思いっきり蒼星を警戒して壁際まで遠ざかった。


「いや、あの止める気はなくて、その、俺、遊佐蒼星っていって、えーっとなんていうかその、ここで働いてるのかな、えっと」


 蒼星は緊張からか自分でも分かるほどにしどろもどろになり、なんとか自分が怪しいものではないと彼女に伝えようとした。


「・・・執行官がなんの用? 私は・・・まだ先のはずだけど」

「いや、そーじゃなくて! 俺、そのまだ新人で、全然よくわかってなくて道に迷ってたらここについて、君を見て、その・・・き、綺麗だなって」


 蒼星はあまりの恥ずかしさで顔から火を吹き出しそうになりながら、自分がこの場所に居る経緯を説明した。


「・・・そう、なの?」


 彼女はまだ疑っている様子で、真実か確認するような視線を蒼星に送った、蒼星は身の潔白を証明する様に手のひらをヒラヒラして見せ、大袈裟に二回頷いて見せた。


「はぁ、なんだ私てっきり・・・でも、なら良かったー」

「ご、ごめん驚かせて」


 彼女は、少しホッとした様子で胸の前で握っていた拳を下ろすと、一歩だけ蒼星の方に近づいた、蒼星はまた少し自分の鼓動が速くなるのを感じた。


「ううん、私こそ驚かせてごめんね? 私はメリア・ラナ、よろしくね、セート?」


 ラナはそう言って尻餅をつく蒼星の前にしゃがみ込むと、蒼星を立たせようと牢獄の隙間から手を差しのべてくれた、蒼星は恥ずかしさからラナの目も見れず、うつむいたままで自分の手だけをゆっくりと差し出した。


「せ・い・と! よろしく・・・ラナ」

「ふふっ、おけ、セ・イ・トね♪」


 なんだか突然緊張の糸が解けてしまい、二人は思わず声を上げて笑っていた。


 それから少しの間、蒼星は彼女と色んな事を話した、休憩中に迷ってここまで来てしまった事、今日見てしまった映像や囚人の事、そして蒼星がこの世界に来るまでどの様に過ごしていて、どういった経緯でこの世界に来てしまったのかまで、気が付くと蒼星はまるで溜め込んでいたものを吐き出すように洗いざらい彼女に話していた、彼女はその間驚いたりクスクス笑ったり、時には悲しい表情を浮かべたりしながら、真剣に蒼星の話に耳を傾けてくれた、


 彼女との会話はとても楽しくて、蒼星は自分でもびっくりするぐらいなんでも話すことが出来ていた、それは彼女が初対面の他人だからとかそういう事ではなく、なんだか自分でも感じた事がない温かい感情が沸き上がって来て、たった数時間話しただけなのに、蒼星にとって彼女といるこの空間がとても大切なものになっていた。


「あー、ごめんこんな長々と俺だけ」

「んーん、蒼星の話すっごく面白かったよ! 世界には私の知らない事がこんなにいっぱいあるんだーって、ちょっと嬉しくなった、ありがとー」


 彼女は優しく微笑みながら、蒼星に軽く会釈をした。


「えーっと、その、また来て良いかな」


 蒼星は、長々と自分の事ばかり話してしまったバツの悪さで、少し遠慮がちにラナに尋ねてみた。


「・・・うんっ! もちろん全然大丈夫! 私で良ければいつでも話し相手になりますよ? 蒼星くん♪」


 ラナはそう言うと、蒼星の額を軽く指でペシッと叩いた。


「いてっ、うん、ありがとっ、今度はラナの話も聞きたい! ダメ?」

「ダメじゃないよー、うん、それじゃあ今度は、私の武勇伝を聞かせてあげよーっ」

「武勇伝って・・・それじゃあ約束な!」

「うん、絶対だよー! すっぽかしたら許さないから♪」

「はいはい、わかってるって!」

「いてっ、えへへー♪」


 蒼星は仕返しとばかりにラナのおでこにデコピンをかまし、ドヤ顔で頷いて見せた、ラナはいたずらっ子みたいな笑みを浮かべ、やられたーと自分の額に手を当てた、その時蒼星は自分の胃の上あたりがギュっと締め付けられるような初めての感覚に襲われた。


「ねねっ蒼星くん? そーいえばさー」

「ん、ん? どした?」

「時間大丈夫?」

「・・・あっ」


 気が付くと先ほどまで煌々と照っていた太陽はどこにも見当たらず、外の景色は完全に夜になっていた。

 この後帰った瞬間、思いっきりリゲルに怒られたのはもはや言うまでもないよね。

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