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第13話【ダイアモンド✡】剣道体験4日目【幼馴染】

ブクマが順調に増えてきて嬉しいです!

今日の分の更新です。お納めください。

私は今、とんでもない光景を目の当たりにしていた。


「ハア…ハア…ハア…ハア」

「………」


息を切らし、這いつくばる少年と、それを無言で見下ろす我が幼馴染。

確かに今回の結果を招いたのは相手が悪い。

それにしたって今の状況はおかしい。

え?人の事言えないだろって?

私は常識の範囲内でやってるから平気平気。

さて、どうしてこうなったか回想入りマース。


─────────────────


数時間前…

今日から湊士君も一緒に、普段の道場でやってる練習に参加する事になった。

湊士君は教えたらすぐにそれを学び、会得するので、剣道体験で教えられるのは全部教えてしまったようなのだ。

折角だし、私も実際の練習に参加してるから一緒にどうかと先生が湊士君に相談してみたところ、本人も是非参加したいとの事。

という訳で湊士君も一緒に練習に参加し始めたのだが、彼の成長は予想を遥かに上回るレベルであった。

何しろこの幼馴染、体力おばけなのである。

例えばすり足の練習で、普段使わない様な動きなので初心者は普通そこそこに疲れる筈なのに、汗の一つもかかずにこなし、素振りも始めたばかりとは思えないほど綺麗に振っていて、正直周りの子達よりも素振りの姿勢が綺麗で、その姿勢をずっとキープしていた。

綺麗な姿勢を保ち続けるにはやはり体力がいる。

要するに湊士君はとんでもない体力量をしているのだ。

ただ湊士君、少し欠点がある。

それは技の練習の時だ。


「……面」

パスン

「はいはい声出せ羽柴!声が小さいぞー!」


彼の寡黙な所が裏目に出た。

湊士君は声が小さく、踏込みも甘いので1本に繋がるような技が打てていなかった。

仕方ない。何しろ初心者なのだ。

普通の初心者は八艘飛びをかましたり、面が届かないからって30cm程垂直跳びしたり、縮地亜種をしたりしない。

寧ろ、湊士君が普通なんだ。

しかし、私はここで気付かなかった。

湊士君の異常性である体力を見抜いていながら、頭がいい事を知っていながら、私は湊士君の本当の狙いに気付かなかった。

気付いた所で何か変わっただろうか?

きっと変わらないだろう。

まあ、相手を私がする位は出来たと思う。

恐らく湊士君があの戦闘スタイルを貫くなら試合では勝てないかもしれない。


だが、負けもしないだろう。


基礎練習が終わり、実践練習に移る。

今日は実際の試合の様に決められた場所の範囲内で時間いっぱい打ち合う稽古だった。

何人か通してやっている内に湊士君の番が回ってくる。

私は心配だった。

あの寡黙で温厚な彼がこの稽古をやり遂げる事が出来るだろうかと。

そんな心配を他所に稽古開始のブザーが鳴る。

そのブザーが鳴ると同時に湊士君の相手は面を打ちに行き、


湊士君の竹刀捌きによっていなされた。


「え?」


相手の彼も困惑していた。

何せ彼は切り落とす様な大振りではなく、当てるくらいの最小限の動きで面を打ったのにも関わらず、スルッと床まで竹刀が振り下ろさせられていたのだから。

その物理法則を完全に無視した現象に私も驚きを隠せなかった。

その後も湊士君はいなし、躱し、防ぎ、見切り、最終的には相手が竹刀に掛けているの力を利用して相手の手元から竹刀を弾き飛ばしたりしていた。

ここで冒頭に戻る。


「ハア…ハア…ハア…ハア」

「………」

「……えぇ」


私はドン引きした。

え?あんなに当たんないのなんで?

一体何をどうしたらそうなるのか頭の悪い私には理解出来なかった。

結局その稽古の間、湊士君は1回も面などを決める事はなかったが圧倒的な実力を周囲の人間に見せつけた。


絶対に攻撃の当たらない選手。

防御力極振りのイケメン幼馴染、羽柴湊士が爆誕した!

…え?私、いつかアレと勝負すんの?

やだなぁ……

読んで頂きありがとうございます


「カオス足りてる!」


「元気貰った!」


「この小説面白い!」


って思ってくれた方は下の方からポイント評価してもらえると嬉しいです!


感想もお待ちしてます!

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次回もお楽しみに!

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