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第10話【八艘飛びを】剣道体験1日目【決めるようじょ】

本日最後の投稿になります。

月日は流れ私、小鳥遊深月は6歳になりました。

湊士君の妹を抱っこして和んだり、クリスマスに私の父が家族でクリスマスを過ごす為に中国から日本海をスーツで泳いで帰って来たり、幼稚園の遠足で迷子になって森の中を駆け回ってたら近隣の人で『あの森には妖怪が居る』って噂されたりしたけど特に変わった事は無い。

無いったら無い(鋼の意思)。

背も伸びて、体も前より動くようになり滑舌も昔に比べてハッキリ喋れるようになった。

最近は幼稚園で年長の立場になったので下の子達に気を使うようになったかなぁ。


さて、そんな事よりもだ。


突然だが私は前世で剣道をやっていた。

高い身長を持て余し、何とかこの背を生かしたスポーツが出来ないかと悩んで居た時、剣道に出会った。

別に強くはなかったが弱くもなかった。身長というのはそれだけでアドバンテージなのだが、生憎技術と身体能力が追い付かなかった。

しかし今世はどうだ。

この6歳とは思えないアホみたいな身体能力と、意識的に覚えている剣道技術。

これがあれば前世よりももっと強くなれるのではないか?


「という事でおかあさん!剣道やりたい!」

「あらあら〜何がという事でなのかはわからないけど良いわよ〜」


レッツゴー道場!!


───────────────


「私がこの道場の師範をやらせてもらってる高峰(たかみね)です。本日は体験入門ありがとうございます」

「いえいえ〜娘がとても剣道に興味を示していたもので〜」

「息子も楽しみにしてたみたいなので、本日はよろしくお願いします」


現在、私は道場に来ている。

ちなみに湊士君も一緒だ。

だけど今日は見学するらしい。まあ、湊士君の場合は1度みたら忘れないタイプだし、明日には今日やったすべての内容を丸々出来るようになってるだろう。

あぁ!懐かしいこの匂い!

皮に汗が染み込んだのを消臭剤で無理矢理誤魔化そうとして失敗したようなこの匂い!

相変わらず臭いが最早この匂いすら愛おしく感じてしまう。

素晴らしき道場!最高だ!


「じゃあ早速だけど竹刀を持ってみるか。ほれ」


そう言い高峰さんは私に竹刀を渡してくる。

あー本当に懐かしいなー!

えっと左手を下に柄を完全に隠すように握って、小指と薬指に力を入れる。

で、右手は添えるだけ。

雑巾を絞り、卵を握るように。


「握り方だが左手を…あれ?出来てるな」


右足を前に、左足を後ろに。

左足の踵を少し浮かせる。


「足も……出来てるな」


背は伸ばして、胸を張る。

目線は前に、顎を引く。

手の高さは中段だから腰の位置!


「構えも様になってる…ホントに初めてなのか…?」


その後もすり足(左足を右足の前に出さず擦って移動する歩法)したり、素振りしたりしたが特に先生に何か駄目出しされることはなかった。

やっぱり剣道体験だからか優しいなぁ。

そして今日最後の練習だが打ち込み稽古をさせてくれるらしい。

願ったり叶ったりだ、私が今どれ位出来るかこれで分かる!


「さあ!打ってこ」

「ヤァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

「え?」


面を開けてくれている。ならここは真っ直ぐ面を打とう。

力が足りないから踏み込む時に自分の体重を踏み込む足に掛けて思いっ切り踏み込む。

私の踏み込みの音が道場いっぱいに響き渡る。

そして左足で体を加速、面目掛けて竹刀を最小限の動きで振り下ろす。


「メエェェェェェンン!!!!」


スパァンと綺麗に決まった。すり足で避けて振り返り残心(相手にまだ隙を見せていないと示す為の行為の事)を取る。

先生がこちらを向く。


「ヤァァ!!」

「ちょ、おい!まだ開けてないぞ!」


突進するが、しまった先生はまだ面を開けてない!

仕方ない、こうなったら、1度左足を前に出す。

右足で左側に跳ねて体ごと先生の竹刀を躱す。

で、左足で着地してそのまま左足で体を前に押し出す。

この時右足はまだ浮いたままだからそのまま踏み込みに使う!

この間0.5秒!

左から面!八艘飛びだ!!


「八艘飛びィ?!!」

「めぇぇん!!」


スパァン!!!

小鳥遊深月6歳。

剣道始めて1日目に八艘飛びをかます。

先生にすっごい勧誘される事になった。

カオス足りてる?足りてない?

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