◆Bad END◆ 青空は遠く
初の鬱エンド。
どの選択肢を選んだ結果なのかは、あえて記載を省かせていただきます。
区切られた外の世界は、もうすでに見慣れたもの。
何日ここで過ごしたのかな。
……でも、それも考えるだけ無駄だよね。
あの訓練場での日が遠い昔のことみたい。
瞬きをして開いたら、景色が変わればいいのに。
だけど、そんな願いなんて叶うはずもないってことは、もうわかってる。
『どうして、こんなことになったの?』なんて疑問も、湧かない。
何かをする気力は欠片も存在しない。
したってどうせ、何にもならないんだから。
――視界に映る小さな外の世界の青空に、鳥が飛んでいく。
翼を広げて羽ばたくそれは、元の世界で見かけた鳥によく似ていた。
背を向けた扉が軋んで開く音が聞こえる。この部屋に唯一存在する扉はとても古く頑丈で、鈍い音が立つのは当然だから、驚くことなんてない。
振り返らなくても誰が訪ねて来たかを、私は知ってる。
ここに出入りしているのなんて、『あの人』しかいないから。
視線を窓から動かそうとしない私に焦れて、『あの人』が近づいてくる。
その後は、強引に視界を遮って、瞳に私を映そうとするはず。
そして、その瞳に映りこむ私の顔が、全てを諦めきった表情になっているのもいつものこと。
名を呼ぶ声にうながされて、私はカサカサと乾ききった心と唇を動かす。
「――」
言葉にならない声がもれて、なくなる。
どうせ誰にも届かない言葉は、形にもならずに消えた。
次回もサブエンドです。
ただし、今回とは異なり、明るめのENDなのでご安心を!
今回が短めでしたので、次回は19日0時と早めに投稿いたします。
それでは次回も。よろしくお願いします!