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序曲透明
―私は山崎緋羽。変な名前だよね、緋羽なんて。
でもさ、赤い夕空を綺麗な羽で翔んでくれるように。って意味まで考えて親がつけたんなら文句なんか言えないよね。
もう、その親とは会えないんだろうけど。
ある日、交通事故で亡くなった山崎緋羽。
何故か意識と薄く体は残り、気付いたときには
「ん…?透明人間になった…?」
独りぼっちの世界で消えた茂井柚。
一人が嫌になった令嬢は、ある夜透明人間に出会う。
親友を生き返らせようと、引きこもって実験をし続けた畑田鏡京。
なにも出来ない自分に嫌気が差したとき彼は間違えてある液体を飲んでしまう。
これは、透明になった三人と二人の人間の、絆の物語。