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「おい、敵はどうやって探すんだ?」
(影)に話しかける。
「言ったでしょ?、どんな形にも変われるって。それで目を特殊にすればいい。」
「あぁ、そうだったな。」
(影)が“目”になるよう念じる。数秒すると(影)が目に吸い込まれるように入っていた。すると視界が暗闇へ移動した。
「暗闇になった?、そのなかに白く光る人の形をしたのがいたら、それが(影)を利用しているやつだよ。」
頭の中から声が聞こえてくる。
彼女が死んでから3日たった。ようやく(影)の扱いに慣れてきた。
だが、今のところ敵は見つけられていない。
「(影)を利用しているやつなんかいねぇぞ、本当にいるのかそんなやつ」
「それは、普通こんな大通りで影)なんか使わないよ。使っていないときは、ただの影だからね。」
「てことは、こんなところには居ないし、俺は格好のまとってことか!?」
「そういうことになるね。」
「てめぇ、はめやがったな!!」
「君が勝手に僕を利用しているだけでしょ。」
急いで新はただの影に戻るように念じるが、その前に、不意に声がした。
「おいおい、戻すなよ」
「誰だ!?」
ふりかえると白く光る人の形をしたのが見える。
「こうゆうことか、ようやく納得した。」
「何を驚いているんだ?」
飄々と白い光の男は話し出す。
「そんなことはどうでもいい!お前は誰だ!?」
「名乗る義理がないね」
「まぁいい。少し質問させてくれ」
「いいぜ、何でも訊きな」
「3日前、学校近くで誰か殺したか?」
初めて見つけた(影)使い、手掛かりになるかもしれない期待の中、切羽詰まった感じで聞いた。
「いいや、女なんて殺してないぜ」
ピクッと反応する新は問う。
「俺は女なんて一言もいってないが?」
「ククッ、そうだなぁ~殺してはいないが争いはしたな。」
男は嘲笑うように言う。
「どういう事だ?」
「いいねぇ~♪その表情」
挑発するかの口調で男は話す。
「いいから早く答えろ!」
「そんなに怒鳴るなよ、答えてやるからさ」
男は笑っている。その様子が新は気にくわなかった。
「何を笑ってる!?」
声を荒げてそういった。
「いやいや、すまない。あまりにもお前がバカだから、つい」
「あぁ!?」
「本当に何も知らないんだな。(影)使いが(影)使いをおそって何がおかしい。」
笑いながら男はいった。
「え……?」
意味が分からない、そんな顔をしていた
「つまりだな、あの女も(影)使いだったんだよ」
「うそだ、あいつはそんなことには巻き込まれるはずがない!」
「何故そういいきれる?」
「うぅ……。」
「現実にあの女は影に殺されたんだろ?だったら何をしていたか明確じゃないか」
「じゃあ、誰が殺したんだ…?」
「そんなん知らねぇよ。
まぁ、質問はこれで終わりだ。殺しあおうじゃないか」
すると、相手は人目のつかないところに連れてってやるかのように腕を動かした。新はそれに従った。
---……
着いたところは工場の跡地のようなところだった。
「お前の(影)を出しな」
「どうやって?」
新はそんな方法をしらなかった
「おいおい、そんなこともしらねぇのか!?
暗闇でなら(影)は擬人化できるんだよ」
信じられないと思いつつ、暗闇に移動した。
突然(影)が姿を変えだし、3日前にあったときの姿になった。
「へぇ~、それがお前の(影)かい。
憑依させる時間は与えてやる、準備しな」
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