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第1章:五年後の皇太子ラインハルト
神聖ヴァルドニア帝国の皇太子——
ラインハルト・フォン・ヴァルドニアが誕生してから、五年の歳月が流れた。
臣下たちは「奇跡の皇太子」「帝国の星」と持てはやすが、
当の本人にとって、この環境は“慣れたもの”でしかなかった。
前世も財閥の御曹司として、
執事、家庭教師、護衛、礼法、晩餐会、視察、舞踏会……
皇族と変わらぬ生活を当たり前に送ってきた。
だから今の豪華絢爛な宮廷生活も、
ラインハルトにとっては「前よりバージョンアップしただけ」のものだった。
むしろ、五歳の身体を動かす方がよほど楽だ。
成人の理性をもつ幼児は、侍女や護衛たちの目を驚かせながら、
皇族として完璧に振る舞い続けていた。
短くて、すみません!




