プロローグ
処女作です、気に入ってくれたら是非読んでいってください
——眩い光が、意識のすべてを飲み込んだ。
前世の俺は、巨大財閥の御曹司だった。
幼い頃から帝王学、歴史、化学、数学、経済、社交、ダンス——
磨けるものは全て磨き、努力すら日常の一部だった。
それは義務であり、そして才能を証明する快感でもあった。
敗北を知らず、周囲からは「天才」「完璧」と呼ばれ続けた。
そんな俺が唯一満たされなかった感情がある。
——『もっと大きな世界で勝ちたい』
その願いが、どういう理屈か、転生という形で叶うことになる。
光が晴れると、温かく柔らかな腕に包まれていた。
泣き声が、自分のものだと気づく。
俺は、生まれ変わっていたのだ。
「……生まれたわ……アルベルト、私たちの……皇太子が!」
涙ぐむ女性──アイシャ・フォン・ヴァルドニア皇妃。
目を細めて俺を見つめる威厳ある男──
神聖ヴァルドニア帝国の皇帝、アルベルト・フォン・ヴァルドニア。
「これほど嬉しいことが他にあるだろうか……。
帝国はこれからも盤石だ。黄金期はさらに続くぞ」
そう、神聖ヴァルドニア帝国は今、絶頂にある。
政治は安定し、経済は成長し、民は豊かで、敵対勢力すら存在感を失っている。
そんな国に、待望の皇子として俺は降り立った。
皇妃は俺の手を握り、囁いた。
「ラインハルト……あなたは帝国の未来。
きっと誰よりも賢く、強く、美しく育つわ」
——当たり前だ。
俺は前世から“そういう人生”だったのだから。
その瞬間、脳裏に鮮烈な映像が走った。
無限に広がる書架、果てしなく積み上がる知識の海。
アカシックレコード——
あらゆる学問、技術、歴史すら網羅した仮想図書館。
そこへアクセスする権利を、俺は生まれながらにして持っていた。
前世の知識、そしてこの世界の理すら上回る叡智。
それらは全て、俺の手の中にある。
皇帝が誇らしげに告げた。
「ラインハルト・フォン・ヴァルドニア……
お前が、帝国を新たな時代へ導くのだ」
いいだろう。
勝つための舞台としては、これ以上ない。
——ならば証明してみせる。
俺の人生は“勝利”で始まり、“栄光”で終わるのだと。
その産声は、黄金期の帝国をさらに上へ押し上げ、
やがて世界の均衡すら変える戦記の幕開けとなる。




