39話 海賊退治
「らぁあああああ!」キンッ!「グアアアアッ!」
パンっ!パパンッ!
遠くで時代劇の音がする。銃声もする。
ここは街の外れ。陸側の門だ。
さすがにここまでは来ないか――
……と思った、その時。
門の向こうから声が聞こえた。
「今日の最重要アイテムは女だ!若いのだけだ!金目と物資は港組が働いてる!」
「へっへ!ひさしぶりの女だぁ!オラは熟女がいいだが」
まさかの裏どりチーム!奴らがこちらに気づいた。
「あん?おっさん!物騒なもん持ってんなぁ」
あっぶな!ここを離れなくてよかった。アルマが攫われるところだった。
「ここは行き止まりだ。他を当たれ」
俺はキメ顔でそう言った。
ピキッ!
後ろの小ボスっぽい男の頭から何かが切れる音がした。
「ぶっこrr!す!!」
沸点ひくっ!手下がグーパンで向かってきた。
ドンッ!
「ヴォェアアアッ!!」
短い腕が届く前に、
釘バットで肉まんみたいな腹をフルスイング。
2mくらい吹っ飛んだ。
……気持ちいい!
物理だけでもいけるな。
あとは体重移動をもっと正確に――後で鍛えよう。
「っへぇ……ちょっとはやるじゃん……らぁあ!」
次の手下が向かってきた。今度はいかにもな曲刀で向かってきた。
いっぺんに来れば勝率あがるのに。
下半身を狙った攻撃。奴は低い姿勢で踏み込んできた。いい踏み込みだ。
「残念!」
ブンッ!!グシャッ!
俺はやつの剣筋から90度左にスッと身を交わし、、ゴルフのようにバットを振りぬいた。
しゃがんでしまったが故に釘バットは顔に直撃した。
「ぶっ!」
うわぁ。これは見せられないよ。足元に落ちた曲刀を蹴り飛ばした。
後は小ボス戦!
「お前……なんだぁ?」
またなんだって聞かれた。左手が後ろに回っている。
ヤバイ!銃だ!
「アクア!」
ザバンッ!
奴の頭の直上からバケツをひっくり返す程度の水をかけた。
……と同時に相手の懐に飛び込んだ。
「ブアッ!」
「吹き飛べ!」
ドフッ!
「グアッッッッ!!!」
3mくらい吹っ飛んだ。まだピッチャーゴロだな。
ひとまず3人、小ボスは銃を持っていた。ホルスターは利き手に付けろよ。
雑に眠らせてロープで縛った。
船は6隻いた。――つまり、まだ来る。
何人来るかわからない。
一旦、壁に隠れる。
……来た。
まず一人、しんがり。
「おい!ロッコ!ペック!ギッポ!どうした!誰にやられた!」
足音の数やばい!これは結構いるぞ!
「やったのはだれだぁ!さがせ!女もしらみつぶしに探せ!」
やばい!バラける!敵が1人しか見えてないが、今ならこの壁越しに後ろに固まっているはずだ!
一か八か!
とある聖典、七大列強の奥義。
久々に地面に手をつき、確実に発動する。
壁の向こう――できるだけ広く。
成人男性の高さで――沼を!
「ドロヌマ!」
「ぬぁあああああ!なんじゃこりゃ!」「おぶぶううう!」
パパンパンッ!
誰かがおぼれ際に銃を乱射している。あぶねぇな。味方に当たるぞ。
そして脱出される前に――
「土に戻れ!固ったい土!」
ゴリゴリゴリッ
土が固まった……はずだ。
「あああああ!なんじゃこりゃ!でられん!」
ちっこい奴は生き埋めになるだろうが、仕方ない。
よし!やることはやった。
まずそこの目の前の第2陣のシンガリ。
俺は壁から飛び出し、やつの視界に入った瞬間――
「ショウヘイヘイッ!」
奴の背中に釘バットをフルスイングして逆ㇰの字に曲げた。
ゴキッ!
「あうっ!」
失神した。
あとは!?何人が動ける状態だ!?
俺はドロ沼を発動したであろう場所を確認した。
うーわ!30人くらい生き埋めになっている。
大体の奴が首まで埋まっていてモグラ叩きみたいになっている。
一人立っている。黒いマントにちょび髭。これはまさに船長!
「おいおいおい……やってくれてんじゃん。こっちのほうが楽だと思って来たのによぉ」




