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28話 カナハ、農業する

朝食をいただいた後、市場へ食料を調達しに、俺とカナハとアルマ3人で出かけた。


アルマはトマトチームだったので10日間農作業休みだ。

とはいえ、アルマは俺たちに結構時間を割いてくれている。


「アルマさんは結構自由に活動できてますよね」

「そうですか?この村はみんなこんな感じですよ。働きたい時に働いて、疲れたり、飽きたらやめます。それでも家畜は育ちますし、野菜も育ちます」


前世の農家が聞いたら農薬散布ドローンで追いかけてきそうな発言だな。

『働きたい時』という能動的な表現に、前世とは明らかに違う世界観を感じた。


「なるほど、みんな若く見えるのはそれが理由なのかもしれませんね」

「私、都会育ちですけど、たしかにこの村の人のほうが若々しいかもしれません」


都会は結局、どこも似たようなもんなんだろう。

疲れた顔で働いて、休日に回復して、また疲れる。


この村の人は、『毎日が休日』みたいな顔をしている。


市場についた。

――途端。


「おお!先生!」

「ぎゃぁあハルミチ様!!」


「おっおっ!カナハ様ぁ!カナハ様ハァハァ!!」

「カナハ様! これ!うちの最高級トマト!あまかばーい」


人だかりができた。結局、物を買うどころではなくなったが

大量の食料と野菜をもらってしまった。


最近この村の消費がやばすぎると思うんだが、

「アルマさん、この村の食糧大丈夫ですか?今から冬ですよ?」

「みんな嬉しいんですよ。収穫祭の物資も余りましたし、この村の生産量割とすごいんですよ?」


「大変ありがたいがこれまた持って帰るの大変だ」

「大丈夫です。私の馬車でハルミチさんの家まで持っていきますよ」

「ほんとですか!たすかります!」


あれ?カナハがいない。さっきのキモい反応してた変な男に攫われてないか?

「カナハさんですか?さっきマグヌスがいる牧場にいくって」

「え・・そうなんですか?」


牧場に行ってみた。マグヌスが牛舎の藁をせっせと敷き詰めていた。


「あ、かぁちゃん!ハルミチ!」

「マグヌスお疲れさん!、カナハが来てるって聞いて来たんだけど」

「うん、来とうばい、あっこ」


――いた。カナハがいた。牛に乗っている。草原を牛で闊歩している。

そしてその後ろを、牛の群がついている。


「なんじゃあれは?マグヌスすまん!師匠が仕事の邪魔して」

「ううん、いつもより牛も楽しそうやし、めっちゃ食べるし、いいっちゃない?」

牛に乗ったカナハがこっちに来た。


「楽しいですか?」

「うん!めっちゃ楽しい!股がいたい!」

「マグヌスの邪魔しないで下さいよ」


「ボクここで働く」

「え?」


「いろいろ覚えたい。ご飯おいしいし」

「かれらは朝早いんですよ?起きれるんですか?」


「っがんばる!」

「マジですか?」


カナハの決意がなんだか熱い。

勝ったはずのトマトチームのカナハは10日間、この村で村長の家に泊まり、農業訓練することになった。


俺は玉ねぎチームだったが、今のところスルーしてもらっている。

俺はアルマと大量の荷物を積んで馬車に乗って家に帰る。


「じゃ、皆さんに迷惑かけないでくださいね」

「子供じゃないんだから」

「ハハハ!バリウケる!俺にまかせりーばい!」


不安しかない。が、マグヌスがイケメン過ぎる。


「マグヌス、この村にいる間は心配ないと思うが、これをやる」

「おお!かっこいい!」

俺のカーボンナイフを2本ともあげた。


「師匠が危ない時は俺の代わりに守ってくれ、もちろん勝ち目がなさそうな相手なら師匠を担いで逃げてくれ。俺の大切な人なんだ。たのむ」

「わかった!ハルミチもかぁちゃん頼むばい」

「ああ」


「では行きましょう!」

「じゃぁまた!師匠!ちゃんと働くんですよ!」


カナハはサムズアップした。

俺はアルマとこの村を後にした。



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