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24話 コレフサの装束

今日はカナハのことも案じて、頼むから泊って行ってくれと村長から懇願された。


質素なこの村でも、さすが村長の家だけあり、お客さんを泊めるための

部屋がいくつかあるらしいのだが、そのうち一部屋しか空いておらず、

そのほかの部屋は物置になっている。


「今から片づけますね」

「い,いえお構いなく・・ほんとに1部屋で大丈夫ですよ?」

「え、でもベッドが一つしかなくて」


カナハが突然ガッと俺の手を握った。

「大丈夫!いつもハルミチと一緒に寝てるから!」

おい!力強いな!公衆の面前でわざわざ力強く言うことじゃありませんよ。


「え!?あっ・・・そ、そういう、、、お仲なんですか?」

「え?どういうお腹なんですか?」

質問を質問で返してしまった。


「お二人は御夫婦?もしくは恋人でいらっしゃるのですか?」


ああ!なるほど!

男女一つのベッドでいっしょに寝てればそう思われても仕方がない。


「いえいえちがいますよ。一緒に寝てるだけで子作りとかしてませんよ。このあたりは夜寒いので暖を取るために二人で寝てるだけです」

「そっ!、そうなんですか・・・仲の良い師弟なんですね」

何を想像したのか、アルマが顔真っ赤になった。


そもそもカナハから見ると俺は『キモいおっさん』だ。最初に直接そう言われている。

そんな子が寒さをしのぐために、泣く泣くキモいおっさんの布団で暖をとっているのだ。

早く電気毛布を開発しないといけないな。


「先生!具合はどぎゃんですか!」

村長が来た。


「はい。無事師匠が目を覚ましまして、幸い気を失っていただけのようです」

「そらよかったぁ。実は明日、お祭りにしようと思っとって」


本来、先月に収穫祭を予定していたのだが、今年は御神木があの状態だったので

見送っていたらしい。

今回の件を経て、これから毎年、今日この日を【復活祭】にするという。


年一回村一番の祭り「収穫祭」の為に貯め込んでいた食料やらお供物を、

明日出し切りたいとのこと。


祭主は村長だ。そこに俺たち二人を祀りたてて、

御神木の前で感謝の祈りをささげる儀式を行いたいそうだ。



「どうか!どうか頼んます先生!」

「わ、わかりました!お顔を上げてください。師匠、お付き合い願えますか?」

「うん、いいよっ」


祀り立てられるとか、本来真っ平御免被りたいところだが、

この村には大変お世話になっているので無下にできない。

やはりこの力は旋風起こしてしまうなぁ・・神の力そのものだし。


「ありがとうございます!よし!みなのもの!であえであえ!」

「え?」


アルマが俺めがけてやってきて、いつものようにガッと手をつかまれて

アルマの部屋に連れ込まれた。


「ハルミチさん、少しここでお待ちください」

「は、はい・・・」


カナハもライラおばあちゃんに連れられて別の部屋に連れ込まれた。


わらわらと村の女衆が5,6人ほど部屋に入ってきた。

「ああ!春餅様、今回はほんとありがとうございます!」

「ひゃぁ!ホンモノばい!はじめまして。今日はよろしくおねがいします!」

彼女たちは着物のような布と、裁縫道具を持ってキャッキャ言いながら入ってきた。


「明日、祭祀に着ていただく服を合わせますので、ちょっと我慢してくださいね」

サイズ合わせか。てことはカナハも採寸か。


「!?」

これは・・日本の神事用の服じゃないか!転生組の仕業だなこれ。


「この衣裳は1900年くらい前に作られたもので、あの御神木に神が宿っている事を見抜いて、お祀りしなさいと教えていただいた学者さんがこの村で着た衣裳です」

布って2000年も持つのか?物持ちいいな。


「そんな大切な衣裳を俺なんかが着るのははばかられますが・・」


「なぁんばいいよっとですか!あの御神木を復活させてから魔物ばひとひねりで倒したハルミチさんなら、コレフサさんよりずっとえらかて!!」


『コレフサ』やっぱ名前からして転生組だわ。しかも古い人だな。


ハルミチさんはいくつですか250くらいにみえるとばってんがあたしまだうめるばってんどぎゃんですかグフフあんたごた200こえたばばあとかしぼってもなんもでらんやろうもんガハハアルマがほんなこつこのひとばねらっとうけんねひとめはばからんでぷっしゅすごかもんねそんなことなかですてハルミチさんはしゅぎょうのたびばしよらすひとやけん



ただでさえコテコテの方言で、しかも俺に話す時の倍以上の早口なので

なにいってるか全くわからない。たまに俺の名前が入ってるのが気になる。


アルマに会話の通訳を頼んだのだが、

俺の年齢の見た目と、あの人が200歳のババアのところしか教えてくれなかった。


49歳の俺が250歳の見た目

200歳のばばあと言われてた人は前世の30歳くらいの見た目。

ちなみにライラおばあさんは320歳。前世でいうと60代の見た目。

村長が334歳、60代の見た目

アルマが141歳、20代の見た目


なんとなくこの世界線の人類の年齢感覚がつかめてきた。

基本的にみんな若い。


野次馬も増えて、部屋に10人くらいの村の女がここに集まっている。

おなごのにおいでムンムンだ。ハーレムとか実際はこんな感じで大変なんだろうな。

でもなんか楽しい。田舎のむすめ達に囲まれてオラ幸せだ。


「ハルミチさんおつかれさまでした。あとは私たちが縫いなおしますので」

「ハルミチ様ごはんができとうけん、あちらで食べてくだはいよ」

「しゃーしかおなごばっかですんませんでしたほんと」


広間に案内された。こっちは村の男衆が集まって宴会が始まっている。

明日が祭りの本番なのに、ここはすでに祭りだ。


「おお!しぇんしぇしぇんしぇ!まっとったばいて!」

「先生!どぞどぞ!まぁ座って!のみなっせ!あんたが主役やけん」

「ありがとうございます」

村長は出来上がっていた。


「だぁーっ!だごすごかったばい!アレ絶対魔神の子供やったやろ!」

「アレ一人で倒したとかもう伝説になるバイ」


魔神の子供?神の一種だったのか?それ倒したら駄目じゃね?

しかもあの大きさで子供だったのか。


「倒してよかったんですか?」

「よかよか!御神木荒らすほうが悪かっちゃけんが」


まぁ確かに、せっかくしゃべれたのに突然襲ってきたし。


「ハルミチ!ここすわれ!」

カナハが先に採寸終わって既に出来上がってた。

俺のほうがキャッキャされてて時間かかってたのか。


「これ飲んでこれ食べろ!」

「あ、はい」

うわぁすごいごちそう。農家のご飯だ!頂きます!


「はいカンパーイ」

食べてる途中にカナハが乾杯してきた。

「ゴフッ、カンパーイ」


カナハは子供じゃないんだけど、飲んだらダメな人だろこれ。


「師匠だいぶ飲んでますね」

「お酒っておいしかね。気持ちよくなれるし、お前もはよ飲まんね!」

「し、師匠・・悪い酒ですよ」

「お酒は悪くなかばい!ぼーくーがーわるかとっ!」

「はいそうですねすいません」

「なぁーにぃー?ボクが悪かとかっ!」

「いえ、師匠は悪くありません」

「おまえまだ酒が足らんごたんね。ほらっ!それはよ飲み干さんね」


カナハがもう完全にこの村のネイティブだ。方言の吸収早過ぎだろ!

この後もカナハは豪快に飲み続け、

豪快な液体魔法を口から吐き出す先生として、村の男衆に大人気だ。


「じゃぁ先生!明日よろしくお願いしますばい」

「はい、おやすみなさい」


宴会が終わり、ぐでぐでのカナハを担いで、部屋に入ってベッドに寝かせた。

今日はつかれた。俺も寝るばい。


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