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19話 家庭菜園

吐く息は白く、薄い光が霜をまとった地面にそっと触れ、

季節が一歩、深みへ踏み出したことを告げている。

・・・要は寒い朝だ。


「今日は畑を耕しますよ。カナハさん・・カナハさーん」

「ウウウ・・・サムイヨォ・・・」

抱き着いてきたカナハをメリメリとはがして外に出た。


というわけで一人で耕します。ひとまず0.5ヘクタールくらい?


・まず、手を地面に置きます。

・次にこの辺の木を全部切り倒します。

・転がっている石と草木の根を砕きます。

・フラットになるように整地します。

・土を掘り起こします。


ハイ開墾終わり!あっという間ですね。

農業なんかしたことないのであとはわからん!


伐った木は薪にした。


これから冬なので植えられるものは芋とかキャベツとかか?


なんかパカラパカラと音が聞こえる・・


「ハルミチぃいいい!」


誰か来た、馬車で来た!アルマとマグヌスだ。


「おはようございま・・これは・・・」

「おはようございます。あ」


しまった。服がパーカーにジーンズ、ダウンジャケットだ。

それよりもアルマの目線は家にくぎ付けだった。


「ね!ばりすごかろ?」

マグヌスが自慢げに俺の家を紹介した。


「どうやってこんな家建てられたんですか?

実はずいぶん前からここにい住んでいらっしゃったとか?」


「い、いえ、これは師匠とオレの特殊魔法で作りました。

見た目は立派に見えますが、あまり強度はないんですよハハハ」

でまかせでいろいろ嘘ついたが、実際に耐久性は分からない。



「すごい・・・」


アルマは、さっき耕した農地や、謎の黒いリヤカーなど

辺りを見回しながら唖然としている。


「かぁちゃん?」

「はっ!!そうでした、父がこれを先生方にもっていけと」

たくさんの卵や干し肉、野菜などが荷馬車に積まれていた。


「!?こんなに?いいんですか?でもなぜ?」

「実はお願いがありまして・・」


「ま、まぁどうぞ中へ」

いただきものを納屋へ置いて、アルマとマグヌスを家の中へ案内した。


「お茶淹れてきますね」

「オ、、、、オハヨー」

「あ!カナハ!おはよ!」

「おはようございます」

カナハが髪ボサボサで起きてきた。


「村で代々お守りしている御神木が枯れかけておりまして、木のお医者さんに診ていただいたにですがお手上げのようでして」


こっちにも木のお医者さんているんだな。


「お二人がそのような専門家ではないのは百も承知ですが、ぜひ一度見ていただきたいと」

「なるほど、お力になれるかはわかりませんが、一度見てみましょう」

「ありがとうございます!」


お土産もらったし。頂き物に弱い日本人ちょろい。


「カナハ!釣りに行こうバイ!釣り竿もってきたけん!」

「よかバイ」

「マグヌス!カナハさんにわがまま言っちゃいけませんよ」

「あぶない動物にあったら逃げるんだよー」


アルマと俺の声を聞く前に、彼はカナハを引きずって外へ出て行った。


「それにしてもすごい家ですね。見たことないものがたくさんあります」

「そ、そうですか?いろいろ魔法の実験してまして」


話をそらしたい・・

「そうだ!ちょっと聞いていいですか?」

「はい!なんでも!」

食い気味に手を握ってきた。


「さっきまで、開墾してたんですが、ここから先何したらいいのかわかんなくて」

「なるほど、拝見させていただいてよろしいですか?」



さっき開墾した場所へ案内した。


「まぁ、きれいに土おこされましたね」

「ありがとうございます。師匠と二人で何日かかけてボチボチやりました」

本当はさっき5分くらいで一人でやったんです・・


アルマに、農業のノウハウをいろいろ聞いた。

ひとまずは冬も近いので、大根を植えることにした。


「今から大根用に畝を作っていきましょう!」

「え!お時間いいんですか?」

「はい!ハルミチさんのご用事ならいつまででもかまいません」

「あ、ありがとうございます!」


こっそり裏で農具を作って、二人で畑を作った。


アルマのせっかくの余所行きであろう服が、泥だらけになってしまった。

そんな泥んこになったアルマがとても美しい・・・


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