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14話 市場調査

ベルデ村についた。


昨日来た時は、村長とその家族しか見なかったが、今日は街道から村への往来の人々がいて、ちょっとした活気に満ちている。


「楽しかったぁ」

カナハがぴょんと荷台から降りた。


「うぅうう」

まだ体の中が振動している。


「かぁちゃん!あれ?かぁちゃん?」

よろよろと荷台から降りると、アルマがこちらに走って来た。


ん?アルマ?だよな・・

昨日と比べると、なんかこう・・スッとしてパリッとしていて美しい・・


「おはようございます」

「おはようございます!マグヌスが大変お世話になりました」

「いえ、すごい力で荷物を運んでくれて助かりました」

「あんなに元気に走り回るあの子は初めて見ました。先生方のおかげです」


やはりマグヌスは虚弱だったんだな。


「昨日に比べると、結構人が多いですね」

「はい、市場が開かれてる時間帯はいつもこんな感じです。

ここには御神木もありますし、この辺りの流通の中継地点として使っています」


なるほど、この村は割と重要地点になっていると・・


「では、早速俺たちはその市場に行きます」

「私がご案内します。村の人間がいたほうが話しやすいでしょ?」

「そ、それは助かります!」


アルマが手を握ってきた。ベルデ式コミュニケーションだ。

なんだか握力が強い。絶対離さないという気迫を感じる。


「では行きましょう!」

「おれもいく!」

「いくばい!」

カナハの方言がだんだん小慣れてきた。


カナハはマグヌスに引っ張られて、

俺はアルマにぐいぐい引っ張られて、市場に連れていかれた。

親子だなぁ・・



村の中央に来た。円形の広場があり、ぐるりと露店が連なっている

主に野菜、果物、魚屋と肉屋、焼き鳥など軽食のお店が並んでいる。


「おっ!見ちみ!めずらしかこつアルマがめかしこんどーばい!」

「相変わらずめかしこめば、たいーぎゃべっぴんやな。」

「連れとっあのおひとばねろとっとやろか。あんまぱっとせんおひとばってんが。」

「ばかちん!ありゃ例のあのおっひとたい。マグヌスば治して悪魔ば退治したすごか先生!」

「かぁあーまじか!もう一人のなごは魔導士のごつ見えるばってん、人はわからんもんやねぇ。」


村人が話している。普段見ないアルマの姿に感嘆する感情と、

魔法が使えない少女の魔導士認定と

冴えない男に対する疑念の感情が伝わってくる。


基本、市場では物々交換でも、通貨でも取引されているようだ。

割といくらっちゃいくらのざっくりな取引でいけるみたいだ。


通貨は分かりやすく、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨

1オルム=鉄貨1枚、後は10倍で上の硬貨に繰り上がる。

トマト1個が10オルム


俺は取引材料に塩、砂糖、胡椒、鉄、銀、金、あとカナハの杖に使ったエメラルドなどを準備している。


塩、砂糖、胡椒は普通に出回っていて、ある程度の量がないとあまりいいお金にはならないようだ。


鉱物はここに鍛冶職人がいないので、いい取引にはならないようだが、たまたま町から来た商人などをつかまえれば、いい取引になるかもと言っていた。

今日は鉱物は封印だな。爆売り、爆買いは控えよう。


アルマに交渉してもらい、最終的にあるだけの調味料を売り、

小麦を多めに、肉を少し購入した。硬貨もある程度確保できた。


お昼になり、市場は次第に人が減っていき、商店はお店をたたみ始めた。


「アルマさん、ありがとうございます。とても助かりました」

「いい取引できましたか?なにぶん小さい村なのでそこまで大した物がないのですが」


「いえ、今の私たちには充分の取引が出来ました」

「ぜひ家にお寄りくださいませ。大したお構いできませんが」

「ありがとうございます」


俺たちはアルマとマグヌスの家にお呼ばれに行った。

彼らの家にお邪魔すると、おじいちゃんとおばあちゃんがお茶していた。


「ただいま!」

「おおっ!マグヌスおかえり!」

「おお!先生ど!ようきなさった!まぁゆっくりしていきなっせ」

「おじゃまします」

「お邪魔するバイ」


・・ここでいろいろこの世界のことを聞くことができた。

ここはソレイスという国の領内で、ここベルデ村はソレイス北部に位置し、

周辺に大きな町はなく、首都ソレスはここから南東へ約200キロのところにある。

今は晩秋でこれから寒くなるとのこと。


魔導士は南のカルナハール諸島に集まっており、そこで研究したり、修行したりしているそうだ。


俺たちはざっくりと、そこを目指しつつも世界中を旅してる的なニュアンスになんとか話をつなげた。


本当はマグヌスはカナハとお風呂に入りたかったとか

アルマが俺にずっと引っ付いてて、

村人から新しい恋人と勘違いされてたとか、

私みたいな女は好みじゃないですか?とか、

どんどん話が変な方向に進んだが、


お!もうこんな時間じゃないか!帰らねばと胡麻化した。

本当に日が暮れそうになってるので、家に帰ることにした。


マグヌスはカナハに大分なついている。

「へへ!今度カナハと釣りに行くっちゃん!」

「フフ負けんバイ小僧」

勝手に勝負にしてるカナハのほうがガキっぽい。


「泊っていかれればいいのに・・」

「とてもありがたいですが、帰って修行がありますので」

当然そんなものはしない。

「そうですか・・」


ア、アルマがまた手を放してくれない。

荷物が割とあったが、乗ってきたリヤカーをまた借りて、

マグヌスとカナハが荷物を積んでくれた。


「では・・また近日中に荷車返しにまいります・・」

「はい!お待ちしてます。いろいろとありがとうございました」

「おお!先生ありがとまた来てくらはいよ」

「遊びに行くけん!」


何とかアルマから手をメリメリと引きはがして、

リヤカーをひいて二人で家に帰った。


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