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11話 アルマの憂鬱

私はアルマ・ルドバリ。

ベルデ村の村長、ホーカン・ルドバリの義娘。


ソレイスの首都、ソレスからここベルデ村に嫁いできた。

ソレスに行商に来ていた村長の息子トール・ルドバリに何度も口説かれた。


男前で、気さくで、思ったことはすぐ顔に出るまっすぐな人だった。

彼に好意を抱くのに時間はかからなかったが、

何度口説かれても私は靡かなかった。

理由は、彼のせいではない。私の家柄だった。


貴族と農民が結婚するなど、おとぎ話の中だけだ。

しかしどうやったかわからないが、彼は私の親を説得し、

いち農民が揃えることなどできないような支度金まで用意した。


今思えば彼は時折、尋常じゃない行動力を発揮して

とんでもないことをする人だった。


そして念願叶い、私は彼の妻になった。

彼の妻になれて本当にうれしかった。


彼のおかげですぐに村にも打ち解けることができた。

3年もたつと、私はもうそれは立派な田舎むすめになっていた。


子供もできた。マグヌスと名付けた。

彼は長い時間、外にいると、熱射で倒れてしまうくらい体の弱い子だった。

しかし、父譲りの明るさで村の人々からは可愛がられた。


ある日、突然トールが倒れた。

遠くのお医者さんを連れてきて、診てもらったが、原因はわからず仕舞だった。


彼の右胸に紋章があった。私も含め、村の民も何かの呪いだと思った。

そして7日後に死んだ。

死んだ瞬間、なにか黒い煙のようなものが上に上がっていった。

あれは何だったのか・・


そして彼の死から数年後に、息子が似たような病で倒れた。

彼の右胸に夫が死んだときと同じ印がある。


目の前が真っ黒になった。また愛する人をなくしてしまうのか、否!

遠く離れた街のお医者さんに来ていただくよう連絡を頼んだ。

もし、魔導士が近くにいたら連絡くれるように方々駆け回った。


しかしすぐに素に戻った。

どうやって治療するの?トールがすぐ死んだ呪い。最悪な呪い。

魔導士の多くはここ北方から遠く、南方の”カルナハール神聖諸島”にしかいない。

しかも彼らが解呪できるかどうかもわからない。


心の奥でもう半ばあきらめてしまっていた。

昨晩は寝られずにこの思考を延々と繰り返していた。

そこに旅の魔導士2人が現れた。


一人は見慣れない緑の魔道士の服を着た少女、20歳くらいか。

もう一人はその魔導士のお弟子さん。しかしもう壮年で240歳くらいに見える。


二人は親子にも見えないし、夫婦にも恋人同士にも見えない。

不自然な組み合わせだと思った


少女は浮世離れしていて、私たちよりも長く生きているような

そんな不思議な感覚の子だった。


男性の方は、夫とは正反対の雰囲気で、のほほんとしていて、

でもほんのり都会のにおいがする。この村では見かけないタイプの方だった。


彼らは村に来るなりすぐに義母につかまり、私たちの家に連れてこられた。


そして、師匠なる少女が息子を診始め、

あとに続いてお弟子さんが息子に手を触れたとたん、

黒い煙が出てきて、悪魔のような物が出てきた。


やはり、私の考えうる最悪級の呪いだった。

しかし、お弟子さんはそれをつかんで消し去った。

その悪魔を凍らせたり燃やしたりしながら、最終的に灰にした。

圧倒的な力だった。


あの二人は普通じゃない。私の直感がそうささやく。

さらに驚いたのは、呪いが解けたとたん、

息子はすぐにベッドから飛び出し、元気になったことだった。


虚弱だったあの子が、目がギンギンになって走り回っていた。

息子に何をしたのだろうか。一体彼らは何者なんだろうか。

少なくとも一般レベルの魔導士ではない。

まるで神の力を見ているようだった


師匠の少女が方向を示し、弟子の彼が強力な力を行使した。そういう風に見えた。

師匠はあえて自らの力を封印し、弟子を鍛えているのか?


知りたい・・・

息子が助かり、ほっとしたと同時に謎がふえるばかりだった。


今日は父が差し上げた野菜をたくさん携えて、彼らは私の息子とともに帰っていった。

息子が少し心配になったが、そも彼らは息子の命の恩人だ、


明日、また彼が・・彼らがこの村に来て下さる。

久しぶりに身なりを整えてみよう。


挿絵(By みてみん)


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