1話 雑な転生
世界が滅亡した。
一度に多くの肉体が消滅し、魂がさまよう世界は大混雑しているらしい。
気が付くと、目の前には夕焼け色の広大な草原が広がっていた。
空には、黒い筋斗雲のようなものがそこらじゅうに漂っている。
あれが、さまよう魂だろうか。
……たぶん、自分も同じような姿なのだろう。
辺りをふらふら漂っていると、 ひときわ異質な存在を見つけた。
だるそうに宙へ浮かび、ふわふわとたゆたっている、
実体のある緑髪の少女――のような何か。
「こんにちは」
挨拶してみる。
少女はゆっくりこちらを振り向き、
だるそうに会釈した。
「なんだか疲れているように見えますけど」
「うん……疲れたから、さぼってる」
この世界にも“さぼる”という概念があるらしい。
この状況でそんな台詞を吐けるあたり、 たぶん神様関係の人なんだろう。
「ここって、どういう場所なんですか?」
「……君たちを次の世界に送ってる場所」
「はぁ。わりとすぐ次の世界に行くもんなんですね」
「……ここに長くいると、魂腐っちゃうから」
「生ものみたいですね」
「……そうだよ。生物だよ」
読んで字の如し。
昔の偉人は、こういう事実を知っていて 文字を作ったのだろうか。
「だから、きみもあの列にちゃんと並んで」
少女は気だるげに、ある方向を指さす。
その先には、大きな門があった。 魂を選別しているような巨大な門だ。
黒い筋斗雲たちが、そこへ群がっている。
「並ぶの、嫌いなんですよね。はは」
「……フフ。わかる」
変な人だ。 いや、神様か。
「ま、いいや。じゃあ君は、僕が次の世界に送ってあげるよ」
「え? いいんですか?」
“じゃあ”ってなんだよ。でも並ばなくていいならラッキーだ。
「では、お願いします」
なにか受け入れる仕草が必要かと思い、目を閉じた。
……いや、今は筋斗雲だから目なんてない。目を閉じた“ふり”をした。
「希望とかないの?」
思わず目を開く。
「え? 行き先って希望できるんですか?」
「ある程度はね。そもそも前世も君が選んだ世界だよ」
「へぇ」
「君がいた世界、すごい人間がたくさんいたでしょ?
大勢がその時代を希望したんだ。衣食住に困らない、石と鉄の時代。
でもね―― 物質にとらわれすぎて、魂を磨くことをしなかった停滞期だ」
“魂を磨く”。
その言葉で、なぜか別のことを思い出す。
球体をひたすらピカピカに磨く動画を、延々と見ていた時期があったな……。
「同じだよ」
心を読まれた。
「え? 物理でいいんですか?」
「似たようなもの。細かいことは、また“生きて”学んでね。さぁ、行く世界を決めて」
うーん。
どんな世界を希望しても、 どうせ差し引きゼロになる気がする。
戦乱の世か、 前世みたいな無気力な時代か。きっと何かしら相殺されるオチが待っている。
ならいっそ――
“テンノカミサマノイウトオリ”でいいか。
「神様にお任せします!」
「えぇ……それ一番困るやつじゃん。どんな世界に飛んでも知らないよ?」
……ちょっと待って。
任せるとは言ったけど、急に不安になってきた。
なんだ、この胸騒ぎ。
嫌な予感しかしないんだが。
「じゃ、いくよ!」
神様はすでに、何か呪文のようなものを唱え始めていた。
「ヰヱヲンヴヵヶヷヸヹギ転生ドットコムㄮㅮㆮ・ー・ー・ー……」
バリッ―― バリリッ。
世界がひび割れる音。
次の瞬間、視界は真っ暗になった。
初めまして。
今まで読む専でしたが、どこかのなにかのスイッチが入り、
自分も文章を書きたくなってしまいました。
先人の設定をパクりまくっておりますが、もうそこは気にせず、
ひたすら自分の書きたいものを書いただけのものです。
文章を書くのは全くの素人で、非常に読みづらいかもしれませんが、
もし、私の作品のリズムに合う方がいらっしゃれば幸いです。
このような初心者の駄文でも載せていただける寛大な運営様に、
深く感謝申し上げます。




