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「ゲーム」の思惑にはのりません。ヒロインは静かに生きたい  作者: 桃田


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第32話 これから、どうします?

 さて、退学届を出しに学園へとやってきた。朝、遅刻したくはないので早めに家を出たせいか、約束した十時前に学園に到着した。30分は早く着いちゃった。馬車は、私が学園から帰るまで待ってくれる事になっている。王都まで帰るのは歩きでは大変すぎるので、お心遣いに感謝します。


最初に事務室に行き、必要書類を事務員さんに渡すとその後応接室に通された。しばらく待つように言われて、案内された部屋でぼうっとしていた。


寮も引き上げないとならないなあ。そうは言っても、たいした荷物があるわけでもないし、なんとかなるか。今日なら馬車もあるし、持って帰れるかな。でも、量はたいしたことはないけど、梱包するのに手間取りそうかな。入れ物が必要だよなあ。あまり馬車も待たせたくないしなあ。引っ越し屋さんとかあればいいのに。

どこか、手頃な学校も教えて貰えるといいなとか、このお茶とお菓子美味しいなとか、そんなことを取り留めも無くつらつらと考えながら。


学園長先生が、部屋に入ってきた。

「待たせてすまなかったね」

「いえ、私の方が早めに来ましたので。本日はお時間をいただきありがとうございます」

 座っていた椅子から立ち、きちんと挨拶をした。学園長先生にお会いしたのは、これが初めてだ。入学式などで壇上に立った姿はみているけれどね。こちらが一方的に見ているだけだから、会っているとは言い難い。

「座りたまえ。多少込み入った話をする事になるから」


「では、先に結論から話をしよう。君の退学は変わらない。だが、学校の卒業資格は、我が校で発行しよう。君は中途半端に他の学校に行くことはしなくても良い」


 学校の卒業資格は、魔法を安定して扱えることの認定に他ならない。加えて最低限の読み書き・計算ができることは付録のようなモノだ。それを鑑みれば、私の成績で他の学校に行く必要はないほど十分だと先生方が太鼓判をおしてくださったそうだ。


特に魔法に関しては、魔法に関する授業を担当した先生方は、私については問題がないとしてくださったのだとか。今更他の学校に行っても、何も学ぶことが無いくらいの能力はすでに持っているという証明を出してくれると、口を揃えて主張してくださったという。

真面目に授業を受けていて、良かった。


ここは他の学校と比較すれば、教育水準が非常に高い。で、私は常にその中で、総合成績を学年の2から4番目ぐらいをキープしていた。1位は不動なるルフィ様が鎮座されてるから、一度も取れたことは無い。そんな生徒が退学ということで、会議が開かれたそうな。


トップクラスに在籍する生徒が退学になるのは、今まで無かったことだとも言われた。それで緊急会議が開かれたそうだ。

成績優秀、特に魔法についてはかなり評価が高い生徒の退学。特例で半期だけでも受講できないか話し合われたそうだけど、それは規約上できないということになった。


それでもなんとか特別措置をということで、学園側が3年生迄の単位習得を認めてもらえる事になったのだ。破格の扱いだという。トップクラス在籍という影響力って大きかったのねえ。お陰で、転校する手間が省けた。先生方、本当に、本当にありがとうございます。大変助かります。


「ただし、注意してもらわなければならないのは学校卒業扱いになるだけあって、学園の卒業生になるわけではないのだ」

 と申し訳なさそうに言われた。それでも、転校云々がなくなるだけでも楽です。ありがとうございます。


「もし、他の学園に編入したいと言うことであれば、推薦状も出しますよ。君が退学になり惜しむ声が多かった。どうするかは、今年度いっぱいまで時間がありますから落ち着いてからでも、少し考えてみてください。貴方ならば、他の学園に行って学院に進む道もあると先生方は言っておられた。前向きに検討してみてはどうかね」

 学園長先生は穏やかにそう言ってくれた。


 後で気がつくのだが、渡された書類封筒の中には学校の卒業資格証明書だけでなく、学園の一覧とそれぞれの特徴などが書かれた書類も入っていた。前以て準備してくれたのだと思う。




「で、お前はこれからどうするんだ。何か当てがあるのか ? 」

 マリウスさんにそう聞かれた。


 現在マリウスさんの研究室に挨拶に来ている。マリウスさんに挨拶なしでは、この場所を去り難かった。

だから、現状の説明にやって来たのだ。学園を出れば、二度と会えないかも知れないので、最後ぐらいきちんと会って挨拶をしておきたかった。


マリウスさんも私が訪れると思ってくれていたのか、研究室にいた。何故、そんな風に思ったかというと、お茶とお菓子の用意があったからだ。

なんだろう、絶対お前は来るはずだと思われていたことに対する、このくすぐったい感覚。


「取り敢えず、当面の生活費はあります。男爵様から頂きました。それと、今まで仕事して貯めていた貯金もそれなりにあります。都合していた解毒薬の代金を、男爵様が返してくれましたので。平民が通える別の学園に行くなら、金銭的な援助もしてくれるとも言われました。おかげさまで、このままで学校は行かなくても良くなりましたけど。そうだ、マリウス先生、ありがとうございました。グレンジャー先生達も、今日研究室にいらっしゃるなら、後で御礼に行こうと思っています。お陰で助かりました」


「いや、それはお前が今までやって来たことを皆が認めただけだ。それで、学校に行かなくてもよくなったとはいえ、これからどうするつもりなんだ。どこか学園に行くのか ? 男爵家から援助がでるんだろう」


「あー、学園はいいかなって。別の学園に行ったからっていっても、この先は変わらない気がします。これからは、一人で生活していかなきゃならないんで。学園に行くよりも、もう今から冒険者で食べてこうかなって思っています。

マリウス先生のお陰で、鉄級になっていますから。ただ、王都には居づらいんで、どっか別の場所に行こうと思います。

あれから、随分薬草関係については腕を磨いたんですよ。今考えているのは、ピスタチア領に行こうかなっと。薬草採取の関係で顔見知りになった人がいるので、まずはそこに行って仕事を探そうかと」


 そう、冒険者としてこれから生きていこうと思っている。

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

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