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「ゲーム」の思惑にはのりません。ヒロインは静かに生きたい  作者: 桃田


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第12話 お友達、できるかな?

 クラスは上級貴族ばかり。上級貴族の彼らは横の繋がりもあって、予め顔見知りでもあるようだ。最初から、皆さん名前で呼び合ってたのよ、女の子同士も男の子同士も。やはり、世界が違うのか。

周りはそこに紛れ込んだ異物の私を、扱いかねているのかもしれない。

私も自分から積極的には行きにくい。このままボッチ街道一人旅かもしれない。


 授業が始まった。午前中は、全部魔法学。休み時間はきちんと取られている。

「私が君等を担当するグレンジャーです」

 長髪を後ろで一つに纏めた若い先生だった。でも、なかなか厳しそうな雰囲気だ。



「君達がこれから受ける魔法学について説明をします。今後の大まかな授業内容についてです」

 魔法学は大きく実技と座学がある。1年生の座学は、基礎的な内容とともに実技の状況に応じて、理論的な説明していくそうだ。


魔法の実技では、魔力の発動の仕方とコントロールを学んでから、実際に魔法を使うことになる。発動や魔力制御の補佐の為には、杖が有用なんだそうだ。

学園に入学が決まって、直ぐに購入したのが杖だ。男爵様が気合いを入れて選んでくれたものでもある。

最初の1ヶ月ほどは魔力制御の仕方と鍛錬方法を学び、ある程度魔力制御ができるようになった段階で、誰でも使える生活魔法から魔法の実践をおこなう。


生活魔法が扱えるようになってから、各属性の基礎を学ぶ事になる。人にもよるが、魔法特性が無くともある程度他の魔法も使えるからだそうだ。

各自が持つ魔法特性に特化したものを学ぶのは、2年になってから。因みに魔法学については、1年の担当の先生がそのまま持ち上がりで6年間面倒を見て貰うことになるらしい。3、4年生以降になると魔法学の授業は減り、他の分野を幅広く学ぶことになるらしい。



 1ヶ月が過ぎた。

「これからは、魔力制御の鍛錬について、授業では最初に20分だけ行ないます。でも、それだけでは足りません。鍛錬のやり方は身についたはずです。毎日、時間を作って各自で鍛錬は行なうこと。それによって洗練された魔法の行使が可能になります。

鍛錬を続けていて、何か疑問に思ったら、いつでも質問に来なさい。次の段階の鍛錬方法などを提示します。この鍛錬方法は基礎的なものなので、習得すればもう少し複雑な方法を行なってもらいます」


 そう言われて、毎日続けている。朝と寝る前、それから時間が空けばその時に。ボッチだからね。休み時間は鍛錬さ。寂しくなんかない。中庭の隅にあるガゼボが狙い目なのさ。誰も来ないからね。


 魔力制御の鍛錬を中心にしていた魔法学の授業で、いよいよ魔法の実践となったその日の授業。いつものように、修練室へ全員が集まっている。


最初に習うのは、誰でも魔力さえ有れば使える生活魔法からだって。

そんなに大きな暴走が起こる可能性は低いとはいうものの、あることはあるらしい。例えば、灯火が火炎放射器になるようなことが、かつてあったらしい。


生活魔法に所属する魔法の特性を持つ生徒はあまりいないという話だ。だけど先生方は、クラス全員の魔法特性をすべて把握しているが、それを口にすることはしないそうだ。


「では、生活魔法の中でも簡単と言われている清掃について、最初にやってみましょう」

 このクラスでは唯一、私が清掃魔法を持っている。だから清掃魔法が選ばれたのかも知れない。


「ソラナセアさん。前に来て貰えますか。あなたを見本にしてやってみましょう。

私が導きますので、その魔力の流れに合わせてください。皆さんも魔法がどのように発動・機能するのかよく見ておいてください」


 それで、先生が私を通して発動させ、皆に見本を見せる事になった。清掃魔法ならば、暴走が起きても学校全体が綺麗になるぐらいだからかな。それに生活魔法の中でも簡単な部類だと説明されている。


先生が肩に手を置き、魔力の流れを導いてくれる。周りの生徒にも見えるように魔力が見える形にわざわざしているみたいだ。その魔力の流れに逆らわず、魔力を練って杖で清掃魔法をイメージして教わった呪文を唱えた。


【清掃】

で、暴走したわけじゃないけど、かなり広範囲にかかった。普通の清掃魔法の効果範囲は、精々広くても100メートル四方らしい。ところが、訓練所を越えて、数百メートル四方が、綺麗になってしまった。


その場に居たクラスメートにも、清浄がかかったようだ。なぜそれが判るかというと、女子たちの薄化粧が剥げてしまったからだ。


貴族子女は、素顔で殿方に接するのはタブー視されていて、学園内でも女子達は薄化粧をしているのだ。直ぐに許可を取って、女子達は化粧を整えに訓練所の準備室に駆け込んでいった。


 ああ、ごめんなさい。グレンジャー先生、ちょっと引き攣っていた。

「やはり、元々持っていると能力が違うのですね」

 そんな呟きが聞こえた。いえ、下水道清掃のお陰だと思いますとは言わなかった。


それでも、一回でコツを覚えられたのは嬉しい。魔方陣符がなければ、全然扱えなかった清浄が使えるようになったのだから。沢山使っていた甲斐があったなと思う。


範囲を上手くコントロールできれば、部屋の掃除が楽なんじゃないのかな。掃除の人が入っているから、自分でやることはないけれど。


女子達が戻ってきてから皆で清掃の魔法を覚えたが、一番広い範囲でできたのは私だった。

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