ムカデやハチに刺された時はコレ!
数年前、職場の上司がムカデに前腕を噛まれた。
田舎では稀に良くあることなのだ。
明け方に噛まれたと言う上司、出勤してきた時には一目でわかるくらい左右で腕の太さが違っていた。
「痛くないんですか?」
「んー、痛いけどまあ大丈夫よ」
上司は我慢強い人だった。昭和の男は多少の痛みで泣き言はいわないのである。ならこちらも過度に心配する素振りは見せまいと、「ダルビッシュの腕みたいですね」と褒めてみた。
この時期、ダルビッシュ選手がインスタに投稿したビルドアップされた腕が話題になっていたのだ。
野球好きな上司は、はにかんでいた。
さて、その翌日。
そんなダルビッシュの腕はというと……ポパイみたいになっていた。
ポパイがわからなければワンピースのフランキーをイメージしてくれてもいい。とりあえず、片方の前腕だけなんかサイズがバグっているのだ。あとなんか、色もおかしい。
上司の顔は引き攣っていた。腫れて腕の内圧が上がり、血管や神経をぎゅうぎゅうに圧迫しているのだろう。見ているだけでつらたん。
「……痛くないんですか?」
「……めっちゃ痛い」
昭和の男が泣き言を言う姿を見て、私は『やばい』と思った。
私は蚊とか蟻に噛まれた時も結構腫れるタイプなのだ。このままでは私もいつかきっと、上司の二の舞……というか多分もっと酷い事態になってしまう!
そして私は痛みに弱い。
次男だから耐えられないのである。
そこで私はムカデに噛まれた時の応急処置を勉強することにした。それを実践する機会がないことを願いつつ……
それから二年後、私は見事フラグを回収することになる。
生まれて初めて、ムカデに噛まれたのだ。
結論から言おう。
腫れなかった。
学んだ応急処置をしてみたら、殆ど腫れなかったのだ。その方法をアナタにだけ特別に教えよう。
それは、『こう』だ。
(1)噛まれた場所をギュッとつまみながら
(2)45℃くらいの熱湯で10分ほど洗い
(3)ステロイド系の外用薬をつける
どうやら、こういう仕組みらしい。
(1)で体内の毒を搾り出し
(2)により熱で残った毒を失活させ
(3)で炎症反応を抑える
個人的には(2)が盲点だった。
腫れないように冷やすものだと思いこんでいたが、実は初めは熱湯で洗った方がいいのだと。
なんでも、生物の毒は大体がタンパク質を主成分に作られており、その毒は概ね熱で破壊されるそうだ。
だから、ムカデ以外にハチや毒魚に刺されたときも、この対処は非常に有効とのこと。
あと、(3)はステロイド系がいい。
ステロイドってきくとドーピング的なイメージがあるけど、私達はダルビッシュではないので問題なく使用できる。
ムカデに噛まれた時はちょっと……いやかなり、思わず「うお!ちょまっ……ってぇなクソが!」なんて汚いセリフを呟いてしまうくらいには痛かったが、お陰でこの処置が有効だと身を以て学ぶ機会になったのでよしとしよう。
そして、そんな時は永遠に来ないのが一番ではあるが、この経験談があなたやご家族の万一の時の助けになれば、これに勝る喜びはない。
無論、防虫対策し、危険な場所に近づかないのが一番大切だ。気をつけてほしい。
家族が用心して蚊帳で寝ている中、一人だけ蚊帳の外で寝て刺されたマヌケからのメッセージである。
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