出会い
北海道の寒い真冬にお向かいから「マローマロー」と誰かを探す声が聞こえた。主人が外へ出てみると、お向かいのご老人が、犬が逃げてしまったと探していたのだと言う。これは大変と主人は防寒着を纏い一緒に探したが見当たらず、ご老人も諦め家に帰り警察に電話をすると言い解散した。チワワのマロは無事知らぬ誰かが警察に届け、ことなきを得たと後に聞いた。
そして、あれは春の日差しが心地よい日のことだと記憶している。犬が1匹フラフラであるいていると
主人が外から帰ってきた。警戒心が強くなかなか
近寄らせてくれない。そこで息子の出番だ。息子は思い切りがあるため、怖がる主人を尻目に犬を捕獲。
家にまず連れてきた。私は愛玩動物救命士というみなさんには周知されていない、こういう時や事故などで
傷着いた犬、猫をいかに正確に処置し獣医師に繋ぐか!という資格を取得していたため、まず、その拾った犬を洗い…ここで問題が発生する。この犬はかなりの暴れ犬。チワワなのにすぐ噛まれそうになる。
故に手袋をしてなんとか洗い、乾かし、毛布に包み
警察に電話をした。なんと、同じような特徴の犬を探している方がいるという。私は犬を抱え赤ちゃんをあやすように揺れながら、その方を待った。
なんと遠くから歩いてきたのはあのご老人だったのです!私が「ワンちゃん洗って綺麗にしておきましたので。あーよかった飼い主さん見つかって!」と言ったら、ご老人は「この子は俺の命より大切なんだ!しかも、こんな人に懐かない犬を洗って毛布にまでくるんで待っていてくれるなんて、なかなか今の世の中にはいない。」と感激してくださり。「この子が見つからなかった今日仕事を休んで見つかるまで探そうと思ってたんだ。ありがとうありがとう。」とお礼を言われました。そしてそのご老人は前に冬、主人が探したあの飼い主さんでした。ワンちゃんは見ていないので気づかなかったのです。しかし、私たちは犬大好き一家。放っておけるわけがありません。
それから、そのご老人とのお付き合いが始まるのです。