並ぶアリ
小さいアリは並ぶ。
今日はおいしいドーナツが、安い日。
人気の露店で、みんなお買い物。
お店の前、縦一列にお行儀よく。
列は短いけれど、体が小さいアリだから。
たった数センチ・数メートルでも、たくさん並ばなければならない。
それに時間もかかる。一匹移動しても、ちょっとしか前に進まないから。
「まだかな、まだかな」
「あとどれくらいかな、どれくらいかな」
じりじり、ちょっとずつ。
一匹お買い物、また一匹お買い物。一匹ぶんずつ進んでいく。
前に並んでいるアリたちは、ゆっくり時間をかけて少なくなっていく。
そうしてやっと買いものができるようになるころには、朝から夕方に変わってる。
それでもアリはお買い物。
きっと明日も人気のドーナツ屋に、並んでる。