1話
「まっ…雅人!私の恋人になりなさい!」
「は?」
この日を境に俺の人生は良い方に変わった。
俺は今、幼馴染である三浦 静夏に告白されている。顔が良くて優しくて勉強も良くできる、いわゆる完璧美女だ。
しかしそれは表の顔、裏は口悪ワガママ狂人ちゃんである。しかも何故か俺の時だけ…ハハッ(圧
なんでだろうね?めっちゃ殴りたい。
少し話が逸れたが、ことの発端は春休みの中頃。
ツンツンワガママ幼馴染こと三浦 静夏のツンツンワガママな〇〇しろ!のお願い事に耐えきれず俺が反発、そして逆ギレされた俺は、「もういい」の一言を残してその場を去った。そこまでは良かった、いつも通りだから…。
そして春休み明けの初日の出来事。放課後に学校裏に来いと静夏に言われ、どうせならそこで絶縁でも持ちかけるか、と考えながら軽い気持ちで来てしまった。相手の要件は察しがつく、どうせ昨日の事など気にもとめてないだろう。
そして今に至るのである。
「ん?今なんて言った?」
だから俺は困惑した。
どうせまた理不尽な頼み事でも言うに決まっていると思っていたら、いきなりの告白である。頭がハッピーターン過ぎて怒りすら湧かない。
「だ、だから!私の恋人になりなさいって言ってるのよ!」
「いや、普通に嫌なんだけど…、正直に言えば顔も見たくないな」
「……ッ?!」
というよりかなり嫌だ、今まで俺にしたことを覚えているのかと聞きたい。頭の中にハッピーターンでも詰め込んでやろうか。
今絶縁を持ちかけると更に面倒くさくなりそうなので後で言おう…。などと考えていたら嫌な予感ー
「うおっ?!」
予感が的中し、静夏が顔をぐちゃぐちゃに鼻水と涙で汚れた状態で嫌だ嫌だとまるで幼稚園児のように俺にしがみついて離さない。こいつホントに人間なのかと言うぐらい変貌が早い…。今までの性格はどこへ行ったんだ…
「私を見捨てないれ〜、何れもするからぁあぁ〜」
「って、きもちわ…」
寸のところで更に面倒くさくなりそうな一言を我慢する。俺は若干、いやかなり引きながらも、これはもしや…じゃなくて、なだめることにした。俺としても穏便に済ませたい。
「な、なぁ…静夏?告白してくれたのは俺も嬉しい、けど俺はまだ付き合うのは早いかな〜って思ってるんだ。だからお前が嫌いってわけじゃないから…な…?」
ガバッと静夏が俺を見る。
「そ、それホン…ふ、ふん!当たり前じゃない!」
変わり身早いな〜。今までの復讐も含めこれは利用すべし!(๑><๑)♪腹黒な俺カッコイイ!
「そんなに言うなら付き合ってやる!けど条件がある」
「私に向けて条件を付けるなんて、なまい…」
静夏の言葉を俺が遮る。
「その条件を呑まなければお前とは絶縁する」
「ッ…?!」
するとあ〜ら不思議、表情豊かな子…
そういう子、嫌いじゃなくてよ?
「え?!ちょ、そ…そそそそんなのじょ…冗談よね?!ねぇ、冗談よねぇええぇ?!」
「条件は俺に上から目線で言わないこと、そして俺の言ったことに歯向かわないことだ!」
「って私がなんでお前なんかに…」
「別に無理して俺と恋人にならなくても良いんだぞ?お前が嫌ならこの話は無かったことになる」
「い、嫌とは言ってないじゃない!」
「ただしこれを1度でも破ればこの話は無しだからな」
「うぅえ?!で、でも…..分かったわよ!」
こうして俺の日常がオンパレードと化したのは言うまでもない。
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これからも頑張りますので応援して下されば幸いです!!
え?これまずツンツンじゃないって?それは言わないお約束だよ?(圧