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小狐さんといく~異世界モフモフ道中  作者: ところてん祐一
第一章:ハジマリのまち
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もふもふさんとの邂逅

少し遅れましたが、24時だからセーフですよね?(遠い目)

それではどうぞ

 その後、リーゼと少しだけ話をすると、彼女は自分の宿へと戻っていった。どうやら今日失敗した分、他の依頼をこなすために道具を作るみたいで、本当に申し訳ない限りである。なんとか早々にお金を稼いで、彼女に返さないと。そう心に強く誓ったのだった。




 その後、俺はコンと一緒に宿で出されたご飯を食べ、コンをモフりつつもしっかりとブラッシングをかけて過ごしていた。俺がこの世界にやってくるまで何をしていたかなどまるっきり思い出せないのだが、どうやら俺の身体はお風呂を求めているようだ。なので、俺は、再びロビーまで出てきて、お風呂はないのかと聞いてみる。すると、併設されている酒場でグラスを磨いていた男の人が答えたのだ。


 「アルヨ!」


 その一言だけいうと男は去っていったのだ。


 その後、俺が最初にこの宿にきたときに対応してくれた人が出てきて説明してくれた。彼の話によると、少し離れた場所に温泉を持っているそうで、そこはモフリストとその相棒だけが入れる温泉らしい。本来であれば、それ相応の証明とお金がいるらしいのだが、どうやらギルドの(というよりリリアさんの)粋な計らいで三回までの無料券もつけてくれたらしい。しかし、証明はどうなのかというと、先ほどのリーゼとのやりとりをたまたま見ていたらしく、一時的にかけだしモフリストとして認めてくれるそうだ。本当にギルドにも宿にも感謝しかない。


 そうして、俺たちは温泉へと案内してもらった。モフリスト専用だけあって、勿論相棒と一緒に入ることが可能だ。そして、中がめちゃくちゃ広い。おそらくだが、もふもふさんのような規格外のモフリストにも対応しているんじゃないかと思う。なんにせよ、無料券が無くなってしまうとしばらくはここに来ることができないだろうから、今のうちに十分に堪能することにする。


 お風呂にも入りたいが、まずは俺の身体とコンの身体を洗う為に洗い場へと向かう。到着すると、そこには人が1~2人ぐらい入れるほどの囲いにお湯がたっぷりと貯められていて、そのお湯を使って身体にかけるようだ。そして、その近くには、イスのようなものとオケと何かのボトルが置かれていた。これは何だろうと思い、よく見てみる。そこには、青くてプルプルした生物がかわいらしく描かれていて、その絵のしたには、『スラちゃん印の万能せっけん』と書かれていた。


 「これって、リーゼのとこのスラちゃんなのか!」


 思わず俺の口から言葉がもれていた。

 その言葉を聞いていたであろう人が後ろから言葉をかけてくる。


 「ふぉっ、ふぉっ。そうじゃ。これはリーゼ嬢とスラちゃんが作ったものじゃよ」


 俺は、思わず後ろを振り向いた。そこには、初老の男性と色違いのプルプルした生物が数匹いた。しかし、この男性はどこかで見たことがある。どこで見たんだろうと思いつつ、少しの間彼を見ていて、俺は気付いてしまった。


 「も、もしかしてもふもふさん?」


 大きな声が出てしまったが、そんなことなど意に反さず、よく気づいたなと俺とコンの頭をなでている。コンは、とても気持ちよさそうにしていて、時折小さな声がもれている。


 「さて、君は先ほど私が広場にいた時に見に来てくれた子じゃな」


 その言葉を聞いて俺はとても驚いていた。


 「えっ?覚えているんですか?」


 もふもふさんは、ニコニコとしながら答えた。


 「勿論じゃ。君の相棒であるその小狐は、少し特別でな。その()が君にとても懐いていたから覚えておったんじゃ」


 俺は、嬉しい気持ちでいっぱいであった。まさかもふもふさんほどの人に覚えられるなんてと。そして、同時にあんなにいっぱいの人がいる中で、みていたなんてやっぱりすごいなぁと思ったのだった。

 それにしてもと、俺はコンの方を見る。コンは首をかしげながら俺の方を見ている。相棒は、やっぱり少し変わっていたんだなと思うと同時に、でもそんなの関係なしにこいつはやっぱり俺の大事な相棒だと改めて思ったのであった。

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