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小狐さんといく~異世界モフモフ道中  作者: ところてん祐一
第三章:リーゼのアトリエ
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アトリエでのお買い物

 「リーゼ。これは、どんなアイテムなの?」


 「はい。えっと、これはですね……」


 俺は、時折リーゼに説明してもらいながら棚に並んでいるアイテムを見ていく。それらは、変わった形をしている物が多く、正直見ただけでは、どんな効果を持っているアイテムなのかさっぱり分からない。

 俺は、適当に一つアイテムを手に取ってみる。それは、雷のマークのような形をしていた。


 「これは、なんとなくだけど昨日貰ったアイテムに似ている気がするな……」


 単純な形といい、置物にしか見えない雰囲気といい、昨日リーゼから貰ったアイテム……アステールとよく似ているように思えるのだ。それであれば、このアイテムが持っている効果も例えば、投げることで雷が敵に降り注ぐ、のようなアステールとよく似たようなものになるんじゃないかと思う。


 「ユーゴさん。そのブリッツストーンが気になってるんですか?」


 「ブリッツストーン?」


 「はい。今、ユーゴさんが手に持っているアイテムのことですよ」


 リーゼは、俺がアイテムを手に取ってるのを見て、興味を持ったと思ったのか俺に話しかけてきたのだ。

 俺は、せっかくなのでこのアイテムの効果について聞いてみる。


 「リーゼ。このアイテムってアステールみたいに投げたら雷が相手に降り注いだりするの?」


 「いえ、ブリッツストーンは、投げることもできますが、打撃系のアイテムになりますね。この子で相手を殴ると、それが当たった時に直接雷の攻撃を相手に与えるんです。ちなみに投げて使う場合は、電気を帯びたブーメランのようになりますね」


 「えっ? これで、直接相手を殴るの?」


 「はい、そうです。ちなみにユーゴさんがお話された効果を持っているアイテムは、別にありますね」


 どうやら俺の予想は、大きく外れていたようである。正直なところ、打撃系のアイテムだとは全く思わなかったので、かなり驚いたのだ。

 俺は、手に持っていたブリッツストーンをそのまま棚の中に戻すと、再び商品に目を通していく。




 「ユーゴさん。よかったらこちらの棚も見てくださいね。こちらには、日用品とかアクセサリーのようなものもありますので!」


 俺は、リーゼの言葉に従い、日用品やアクセサリー類が置いてあるらしい棚の方に移動して商品を見てみる。


 「あれっ? わかりやすい!」


 驚くことにこちらに置いてある商品は、どれもこれも一目でどんなものか分かる商品たちばかりなのだ。俺が、以前リーゼに作ってもらったもふじゃらしなんかも置いてある。さっきまでの変わった形でどんな効果を持っているか分からないアイテム達とは大違いである。この違いは、何なのだろう。


 「ユーゴさん。どうされたんですか?」


 俺が、疑問を持っていることに気付いたのか、リーゼは尋ねてくる。


 「えっと、なんだかさっきまで見てたアイテム達よりすごくわかりやすいなと思って……。さっきまでのアイテムは、変わった形が多くてどんなものかわからなかったけど、ここに置いてあるのは、一目でどんなものか分かるものばかりだから何が違うのかなって思ったんだ」


 「それでしたら、きっと先ほどの棚に置いてある商品たちは、戦闘用のアイテムなので分かりにくく感じたんだと思いますよ。その点、ここにある雑貨品たちは、ある程度形が決まってますからね」


 「なるほど!」


 俺は、リーゼからの説明がすごく腑に落ちたのだ。リーゼのセンスが独特であるかどうかに関わらず、この世界の戦闘用のアイテムには、なじみがないので、あまりイメージがつかめないということだろう。その逆に、日用品などは、俺が知っている物とほとんど変わりがないので、多少のイメージが違ってても使い方が理解できるということだ。


 疑問が解消された俺は、すっきりとした気持ちで、再度日用品やアクセサリーが置いてある棚を見ていく。


 「うーん。どんな物にしようか……。今これといって必要なものは、思いつかないしなぁ」


 俺が、何を買おうかと考えていると、いつの間にか俺の肩の上に戻ってきていたコンがペチペチと俺の顔を叩いてくる。俺は、何だろうと思い、コンの方へと振り向く。


 「こゃ!」


 「えっ? 任せろって?」


 コンは、俺に向かって一度頷くと、俺の肩から飛び出して走っていく。そして、そのまま目的の商品があるであろう場所まで行くと、その場で座り込み、俺の方へと振り返ってきたのだ。

 俺は、そんなコンのいる場所まで行くと、そこに置いてある商品を見てみる。そこにあったのは、一つのペンダントであった。その先端には、コンの尻尾のようなもふもふを模した飾りがつけられている。ただし、それ自体が金属のようなものでできているのか、触り心地はもふもふではなかった。


 「コン。これが良いのか?」


 「こゃーん」


 コンは、一つ鳴くとじーっと俺の方を見てくる。コンの尻尾がぶんぶん振られているのを見るとかなり気に入っているのかもしれない。


 「よし、じゃあこれにしようか」


 俺は、コンが案内してくれたこのペンダントを買うことに決めると、リーゼのもとまで持っていったのであった。






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