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小狐さんといく~異世界モフモフ道中  作者: ところてん祐一
第二章:もふもふギルド入会編
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黒モヤボアアン

すみません。黒モヤボアアンとの対決までいけてないです。

少し長くなりそうだったこともあり、二話に分割しています。

それではどうぞ

 リリアさんの忠告に従って、俺たちは、身を隠しながら黒いモヤをまとったボアアンの様子を見る。


 「グルォォォ!!」


 黒いモヤをまとったボアアンもとい、黒モヤボアアンは、大きく鳴いた後に、近くにある木々に手当たり次第に体当たりをかましているのだ。木々たちは、次々となぎ倒されている。


 「まるでバーサーカーだな」


 俺は、心の中でそう思う。

 黒モヤボアアンの暴走っぷりは、止まることを忘れてしまったかのように激しい。ボアアンの生態について、知っているわけではないが、その様子は、ボアアンとしての理性を失くしてしまったように感じるのだ。


 「なにはともあれ、黒モヤボアアンがなぎ倒した木がこちらに来ないことを祈ろう」


 俺が、そう思っていた時であった。何やら焦ったような顔をしたコンが、俺を右の方へとやたら押してくるのだ。そのコンのただ事ではない雰囲気に、大人しく従った方が良いと感じた俺はできるだけ音が出ないように、右方向へと一回転する。


 「んっ」


 下から何やらか細い声が聞こえてきた気がした俺は、下へと顔を向けると、そこには少し頬を赤く染めたリリアさんの顔があったのだ。体勢的には、リリアさんの上に俺が覆いかぶさったような形になっている。


 「!?」


 思わず声をあげそうになった俺の口は、即座にリリアさんの手によってふさがれる。それと同時に俺の鼓動が早まっていくのが分かる。なんだか俺の顔も熱くなってきた気がする。

 そのまま無言のまま、お互いが顔を赤くしながら見つめあっていると、俺のすぐ真横にコンがきた。そして、それと同時に俺が先ほどまでいた場所に木が倒れてきたのだ。

 俺とリリアさんは、その光景を見て呆然としていた。先ほどまで感じていたドキドキが消し飛ぶほどの衝撃であったのだ。


 少し落ち着いて冷静になった俺は、目でコンにお礼を伝えると、再び音をたてないようにリリアさんと少し離れたのであった。

 




 引き続き、俺たちが黒モヤボアアンの様子を見ていると、突如変化がおとずれたのだ。


 「ブモォォォ!」


 暴れ狂う黒モヤボアアンの後方から通常種のボアアンが現れたのだ。


 「ブモォ! ブモモォ! ブモォォォォォ!」


 黒モヤボアアンに何かを語りかけるかのように通常種のボアアンは、鳴き声をあげている。しかし、黒モヤボアアンには、その言葉は何も届いていないようで、変わらず暴れまわっているのだ。

 どうやら同族の声でさえも黒モヤボアアンには、届かないようである。今の彼に残されているものは、破壊の衝動だけなのであろう。


 「ブモォー」


 悲しそうに鳴き声をあげたボアアンは、暴れまわっている黒モヤボアアンの方をにらみつけるように見ると、地面を蹴って、黒モヤボアアンの方へと突進していったのだ。しかし、黒モヤボアアンは、ボアアンに対して全くの反応を示さず、まわりの木に対して、体当たりを続けている。


 ボアアンと黒モヤボアアンの距離がわずかになったその時であった。黒モヤボアアンは、自分に向かって突進してくるボアアンの方へと振り返ると、そちらの方へと体当たりをかましたのだ。

 

 お互いがぶつかり合った時、激しい音を立てて飛ばされたのは、通常種のボアアンの方であった。離れて見ていても分かるほどにボアアンは、ひどいダメージを負って瀕死状態である。

 それに対し、黒モヤボアアンは、全くのノーダメージである。通常種のボアアンとは、根本的にスペックが違っているようだ。


 黒モヤボアアンは、弾き飛ばされたボアアンの方を一瞬見た後、何事もなかったかのようにその場を立ち去ったのである。

 そして、黒モヤボアアンが完全に立ち去ったのを見届けると、リリアさんは、すごい勢いで、通常種のボアアンの方へと飛び出していったのだ。


 「ちょっ! リリアさん待って!」


 俺とコンは、急いでリリアさんを追いかけていく。

 ようやく俺たちが追い付くと、リリアさんはボアアンの横へと座り込んでいて、傷の具合を確かめているようだ。

 俺も彼女につられて、ボアアンの方を良く見てみる。ボアアンの全身からは血が流れていて、呼吸もとても荒いなど、近くで見ると、よりダメージの深さが見て取れたのだ。このまま何もしなければ、そのまま死んでしまうのではないかと思えるほどだ。


 「ユーゴさん。他にも被害が出る前に依頼のボアアンを追いかけて倒して来てください」


 「わかった。けど、リリアさんはどうするの?」


 「私は、この子を治療します。このまま放っておくことなんてできないですから。それに、これはモフリストとしての使命でもあるっすからね。不慮の事故などで怪我を負った魔物の治療や保護をするのもモフリストの一つの使命っす。本来であれば、ユーゴさんにも見てほしいところではあるっすけど、今はあちらの方を優先してください」


 そう語るリリアさんの表情は、ニコニコとした顔ではなく、真剣そのものである。この姿こそが、モフリストとしてのリリアさんの一面なのであろう。


 「わかったよ。ここにいても何もできそうにないしね。リリアさん、その子のこと頼むね」


 「この子のことは、任せるっすよ! 絶対に治して見せるっすからね。それと、ユーゴさん。黒いボアアンに攻撃を仕掛ける時は、先ほどの戦闘を思い出してください。そこに倒すためのヒントが隠されてるっす。無理は禁物っすよ」


 リリアさんからアドバイスをもらうと俺たちは、急いで黒モヤボアアンを追いかけに行ったのであった。



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