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小狐さんといく~異世界モフモフ道中  作者: ところてん祐一
第一章:ハジマリのまち
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手紙と約束

昨日は、体調崩して更新できませんでしたので、本日更新してます

 俺は、リーゼにもふじゃらしのお礼を渡した後、少しだけ話をして、そのまま広場で別れることとなった。そして、彼女は、去り際に俺にこんな言葉をかけてきた。


 「ユーゴさん。もふもふさんなら絶対に大丈夫ですから」


 どうやら俺がずっと心配していたことに気づいていたようだ。なるべく顔には出さないようにはしていたつもりだが、彼女にはお見通しだったようだ。正直、もふもふさんに託した後もちゃんと元気になってくれるか内心気になっていたので、そこが表情に出ていたのかもしれない。なんにせよ、現状俺ができることは、もふもふさんを信じることだけだ。


 「リーゼ。ありがとう」


 俺は、彼女にお礼を言うと、そのまま宿の方へと歩き始める。それと同時にコンも俺の肩へと乗ってきた。コンは、二、三回俺の顔をペシペシとすると、周りをキョロキョロとし始めた。これは、コンなりに励ましてくれているのかもしれない。ただ、先を促していただけかもしれないが、とにかく今はそのことは頭の片隅においておくことにしたのだ。




 広場を抜けた後は、特に何事もなく俺たちは、宿へと帰ってきた。

 俺たちが宿の中に入ると、そのまま受付の方へと向かっていく。そこに辿り着くと、受付台に一匹の白猫が乗っていたのだ。


 「にゃあー」


 少しだけ間延びした声で白猫は鳴くと、机の上から何かを口にくわえて俺に渡してくる。俺はやや困惑しながらもそれを受け取った。そうすると、白猫は、まるで自分の仕事はもう終わったとばかりに、机の上から飛び降りてどこかへといってしまったのだ。

 俺と白猫のやり取りを見ていたであろう受付嬢は、俺に声をかけてくる。


 「お客様、ただ今のネコちゃんは、もふもふ様からの使いとなっております。そちらの渡された物がお客様へのお手紙です」


 おそらく困惑していた俺を見て気を使ってくれたのであろう。彼女は、俺にそう説明してくれた。そして、彼女は俺に部屋のカギを渡すと、中身はお部屋でご確認くださいと言ったのだった。

 俺は、受付嬢におれいだけ言うと昨日泊まった部屋へと戻っていった。俺は、部屋の中に入るとさっそくもふもふさんからの手紙を確認する。


 ユーゴくんへ、君が随分と心配しておった角うさぎは、ひとまず大丈夫じゃ。今は回復の為しばらく眠っておるだけなので、安心してほしい。


 俺は、ひとまずその一行目を見てホッとしていた。なんとかなったみたいでよかった。元気になったら会いに行こうそう思ったのだ。

 そして、俺は再び続きを読み始める。


 それはさておき、ユーゴ君。少し話したいことがあるので、昨日と同じ時間に温泉まで来てくれんかのう?すまないが、よろしく頼む


 手紙の文字は、そこで終わっていたが何やら下の方になにかがくっつけられていることに俺は気付く。俺は何だろうと思い、それを見てみると、なんと温泉の無料券だったのだ。おそらくもふもふさんから頼んでいるからと付けてくれたのであろうが、これはとてもありがたい。なにせすごく貴重なものなのだ。俺は、もふもふさんに心の中で感謝したのだった。




 もふもふさんの手紙を読み終わった後は、コンのブラッシングを行っていくことにする。今日は、激しい戦闘もあったので、コンの毛並みはとても乱れてしまっている。しかし、後ほど温泉に行って汚れを落とすことになるので、気になる程度の汚れだけ軽く拭いていき、疲れが取れるようにマッサージをしながらブラッシングをしていく。コンは、時折声がもれ出していて、とても気持ちよさそうだ。


 ブラッシングも終わり、コンの毛並みもきれいに整ったところで、コンをモフったりしていきたいところだが、俺もコンもお腹が空いているので、先に食事を取ることにする。

 そして、俺たちは、部屋を出ると再びロビーまでやってきた。


 「せっかくお金も入ったことだし、あの酒場に行ってみるか」


 俺は、そう呟くと酒場の中へと入っていったのだ。入って見ると中は意外とおしゃれな感じだ。

 俺は、カウンター席に座るとメニューをコンと一緒に確認する。なんとなくイメージがつくものからなにがなんだか分からない物までたくさんある。正直名前だけじゃ何とも言えないので、オススメを頼んでみることにしたが、その前にコンの食べれる物がないかを聞いてみる。


 「アルヨ!」


 俺の目の前でグラスにお酒を注いでいたおそらくマスターであろう人がそう答えて、コン用のご飯を先に作って持って来てくれたのだ。そして、俺もオススメ品を頼んで、ここで食べ始めたのであった。

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