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BCO ~キャットハンド~  作者: 飛び猫
1/5

1 プロローグ

BCO外伝


「ベータテスト?またオンラインゲームの話?」

 黒の前髪を揃えた少女はそう言いながら、机の上のノートに液晶板に映されたそれを書き取る。


「違う違う!FD型VRMMOの話だよコトハっち!!」

 後ろで束ねた茶髪を揺らしながら目の前に座る背中をペンでなぞる、するとヒャイっと悲鳴が休み時間の教室に響く。


「ちょ!ナユちゃん!」

 頬を膨らますコトハは、後ろを振り向いて頭をチョップした。


 ナユはそのチョップにイテっと声を上げると、「マユ~コトハが殴った~」とさらに後ろの席のメガネをかけた黒髪ロングに言う。

 呼ばれたメガネの少女は、軽く溜め息を吐いて言いなれた口調で言う。


「いけませんな~暴力とは~」

 メガネでまじめな印象――というのは風だけで、その実、彼女はまじめに悪戯というのが好きなのだろう。

 不敵な笑みがチョップをポンポンと繰り返すコトハに向けられる。


「悪い事は言わないから謝った方がいいかもでござるよ~コトハ氏、でないと――その~大きなお胸のサイズが帰りのネカフェで響きまするぞ~」

 マユは視線だけでコトハの胸とナユの両方を順にチラチラ。


 コトハはナユの性格を理解しているからか、そのマユの言葉だけで手の平でさっきまで叩いていた頭を撫でた。

 彼女ならやりかねないのだ、静かな場所で隅々にまで響き渡る声量で、コトハのその中学生にしては大きい胸のサイズを。


「ところでナユに誘われたのでござるか?コトハ氏」


「あっうん、VRのやつだよね……でも大丈夫かな――」

 その言葉にメガネを机へと向け手元のVRMARで表示されている白い小ネコを転がすマユ。


「そっか、コトハ氏の母殿は仮想課とかの何とかって言うところの室長さんでござったか?」

 頷くコトハの後ろでナユが、「国家機関で働くエリートの母……カッコイイ!」と眼を見開く。


「昔VRであった事件にお母さんも家族が巻き込まれたらしくて……」


「結果大事な娘にはそういう風になってほしくないというわけですな……ニャルほど」

 ナユはVRMARの黒い小ネコをツンツンする。


「ま、大丈夫ですぞコトハ氏、ナユマユの二人がついて参るのでござるよ」

 そうマユに言われたコトハは、「そうだよね」と首に着けた端末で視界に近日発売の広告を表示して、そのタイトルを読み上げる。


「ブレイド・チェーン・オンライン」


 "BCOか――"



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