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(1)奇跡の出会い

 

 

 

「私は連日の政務の疲れが取れないようだ。


だが、今宵は折角の初夜。貴女には大変申し訳ないので、コレでお相手しよう」


ヒッと顔を引き攣らせ、

やめてっ、と足をバタつかせ、女は逃げようとする。


だが、男はそんな女の必死の抵抗をもろともせず、女の足首を掴み、引き寄せると、

恐怖に竦む女の身体を組み敷いて、女の乾いた身体にハリ型を突き入れた。


「いやぁっ!!!!」





////////////////////////////////////////



真っ白な空間の中、膝を抱え込むようにして

ヒンヒンッと泣き続ける姫。


「酷い・・・・・・・・・、ひどぃよぅ・・・・・・・・・」



みんな、みんな嘘だった。


格好良くて自慢の兄王子が紹介してくれた王子様。


一目惚れだった。


どうしてもカレの妃になりたくて、それで、必死にお願いした。


3年かかった。


ようやく、カレは13になった姫を婚約者として認めてくれた。


兄王子は言った。

「元の婚約を破棄してまで求めて貰ったのだ。

この縁を大事に、我儘を言ってはいけない。分かったな?」


もちろんだ、と姫は頷いた。


姫が誰より信じている側仕の青年がいつも姫に言った。

「姫様、それは、姫様が本当に欲しいモノですか?


ただ一つ、欲しいモノですか?


そうでないならば、執着してはなりません。

それは強欲となります」



姫はただ一つ欲しいモノ以外求める事を止めた。


そして、王子様を見て、決めた。

ただ一つ欲しいモノ、それは、カレだと・・・・・・



「なのに、なのにっ・・・・・・・・・」


姫は自分に起きた不幸を受け止めきれず、ただ1人の空間に閉じ籠り、泣き続ける。

「たすけて・・・・・・、誰か、たす、けて・・・・・・」





「・・・・・・どうしたの?」



優しい声に導かれて、顔を上げると、そこには

黒目、黒髪の見たことのない姿をした少女が立っていた。


少女はみすぼらしいと思える程、痩せていて

城下にいる民より頼りない身体をしているのに、

その顔には姫を気遣う優しい笑みを浮かべていた。


姫は見知らぬ少女に全てを打ち明ける。


兄王子に勧められた婚約者候補に一目惚れした事。

3年間頑張って、ようやくカレの婚約者となれた事。

そして、また、3年経って、無事婚姻にカレの国に腰入れた事。


でも、そこからが地獄だったこと。


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