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大体二人前  作者: せいじゅうろう
最初の一ヶ月
7/62

7話

二人で、今は廃坑の最下層に居る。


目の前には昇降機の機械、しかしながらその乗るべき板ははるか上にあり、『暗視』をもってしても見えることはない。


「ねぇ、どういうこと?」


「どういうことというとー?」


不審げなレイナに、訝しげに返してみる。


「こっちで昇降機操作出来ないって、それじゃどうやって戻るのよ!?」


「徒歩で、大体一週間もあれば戻れるからねー。」


レイナは青ざめているけど、これも訓練だからね。

後は、最初に聞いてくれればどういった訓練をするのか教えたんだけど、一切聞かれなかったからねー。


「あんた、そんな軽装でよく平気でいられるわね。

 それとも自分だけは戻れるってことなの?」


幾分期待していみているが、流石にそれは違う、違うよー。


「ここには、蛋白源になる生き物が沢山いるしねー。

 一週間くらいなら、野菜は無くてもなんとかなるもんだよ。」


---

鉄串に幾つかのを刺して火で炙る。

火については、問題ないことは幾度かの調査でわかっているし、その事も伝えている。


最初は火の危険と聞いてもキョトンとしていたけど、危険性の詳細を教えると、やっぱり罵倒されたー。

そして、今もまさに罵倒されているんだよねー。


「何よ、聞いてないわよ!

 そんなもの食べるなんて、キモイキモイ!!

 近づけないで、私は要らない!!」


現代日本人なら仕方ないんだけどねー。

何せ、鉄串には、ヤモリっぽいものはマシなほうで蜘蛛、百足、正体不明の虫などを焼いているんだから。


結局、レイナは離れて保存食を大事そうに食べている。

ああいうのは、いざというときに残しておいたほうが本来はいいんだけど、まあ逃げ道があればそうなるよねー。

レイナの立場ならそうするし。


一通り食事を終えると、そろそろ夜・・・・・・っても時間なんてここじゃよくわからないから、懐から懐中時計を取り出して確認する。


けどまあ、ここでまた問題が一つ出るんだよねー。


「寝るけど、どうするん?」


「どうするって、何を?

 ・・・・・・まさか、私の毛布を狙っているのなら、譲らないわよ!」


いや、フォローする人間がそんなことするわけないし、そんな事期待しないって。

それにだ、無言で鉄串を無造作に投げつける。


「ヒッ!

 そ、そんなことしたって無駄なんだから!!」


いや、別にレイナを狙ったわけじゃないし、近くを掠めたわけでもないんだから。

指を刺してそちらを見せると、口を押さえてしゃがみこむ。


鉄串で固定されているのは、少し大きめの百足ー。

朝飯にする為に、火にくべて焼けたらとっておく。


「見張りの話だよー。

 流石にモンスターが居ないとも限らないから。

 後、火は虫除けにならないし、毒性のある虫もいるからねー。」


「そ、それなら私が最初に見張りするから眠ってて。

 なんか眠れそうにないし。

 なんなら毛布も貸してあげるから。」


「いえ、マントで十分なんで。」


そして、眠る前に『虫除け』『常温』『危険哨戒』といった野営用の魔術をこっそりとかける。


---

訓練の期間を聞いていないって、おかしいと思わないもんかね?


後、若い男と暗闇にって、そこで危機感を持たないのもどうかとおもうし。


食事は、保存食を持っていったからまあよしとするかね。


減点はマイナス12と、プラス要因は今のところゼロか、そんじゃこっちの僕も寝るかね。

何か、なろうみてると、昆虫食が平気に思えてくる不思議。

けど、いざとなるとやっぱ無理だとおもう。

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