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自称勇者



「うう……おもい……」


 何だか下腹部が重い。というか、さっきから一定のリズムで腹に衝撃がきている。

 

「アクアか? ちょっとどいてくれ、今起き上がるから」

 

 やはり腹の上でジャンプしていたのはアクアだったようだ。純粋さに満ちた瞳でこちらを見つめている。

 口の周りと、ローブの中に少し水が入っていたようで、起き上がる瞬間にそれが首筋を伝って冷たかった。


「犬っころ共は!?」

 

 そうだ、俺はあいつらにめちゃめちゃにやられたんだった。でも、傷はふさがっている。

 小部屋の中を見回しても何もいなかった。いるのは俺とアクアだけ。あと、地面に突き刺さった煌びやかな剣のみだった。


「どうして俺が生きてるんだ? かなり手ひどくやられたんだが……」


 そう呟き、噛みちぎられた部分を触る。やはりどこにも傷がない。


『それはですね。そこのスライムちゃんが必死に治したのですよ』


 俺の独り言に対し、透き通るように綺麗な女性の声が答えた。

 再度辺りを見回すが、女性の姿はない。もしや幽霊なのでは? と思ったが、それはないだろう。

 となると……。


「アクア、お前メスだったのか! それに話せるようになったなんてすごいな!」


 歓喜してアクアを抱き上げるが、彼女は返事もせずにぷるぷるしている。

 

『違います! 私です! ほら、こっち!』


 女性の声が響くが、そもそも人がいないのに方向を指示されても全く分からない。

 もしかしてこの声の主はかなりアホなんじゃないだろうか? 


「あのさ、『こっち』ってどっちよ? あんたがどこにいるかわからないから指示されても意味ないから」


 ため息まじりに言い放つ。正直、不安だ。声の主の頭の中が。


『おお、それもそうですね! すみません。ええと……私は剣です!』


 今度は勝手に自己紹介までし始めた。どこまでアホの道を貫くんだろうか?

 

「あーはいはい。ツルギさんってお名前なのね。で、あんたどこにいるの?」


 少し投げやりな感じだが、まあいいだろう。

 

『違いますぅ! 私の名前はアリスですぅ! 今私は剣に宿っているんですぅ!』


 なんとも子供じみた物言いだが、そこは気にしない。いちいち反応してたら面倒だ。

 しかし、剣に宿っているとはどういうことだろうか。考えても仕方がないのでとりあえず剣に近づくことにした。


「ええと、この俺の目の前の剣があんたってことなのか?」

『はい、そうです。私は初代勇者のアリスと申します』

 

 ふーん。面白い剣だな。それにしても初代勇者ねえ……。


「って初代勇者!? あんたが!? 五百年前の話だろうが!」

『ええ!? そんなに経ってたんですか!?』


 自称初代勇者は俺の発言に驚いたようで、『私はもう五百十九歳……』と嘆いていた。


「いや、あんたが聞くなよ……。で、自称初代勇者さんよ。さっきの話はどういうことだ?」

 

 勿論、アクアが俺を助けてくれたという話についてだ。

 アクアを信じていないわけではないのだが、詳細を聞いておきたい。


『スライムちゃんがあなたを助けた話ですか?』

「ああ、そうだ。頼む。教えてくれ」


 剣に話しかけて頭を下げている男の図を考えてみると、シュールすぎて吹き出しそうになってしまった。

 まあ、その男が俺なんだが。


『お話しますから、顔を上げてください。実はですね……』


 彼女の話を要約すると、こうだ。


 今までずっと意識を失っていた彼女だが、強い魔力を感じて覚醒した。

 しかし、彼女は刺さったままだったので様子を見に行くことができないので魔力感知だけしていたそうだ。

 そこで、強い魔力の持ち主(俺)の生命反応が弱まるのを感じたのだが、そこへいきなり微量だが広範囲に魔力が放出されたのを感知。

 しばらくすると、一匹のスライムが入ってきて、そのあとに意識朦朧の俺が入ってきたというわけだ。

 アクアは瓢箪を開けて、俺の顔に水をかけていたらしい。


 きっとアクアは水を飲ませてくれていたのだろう。感動して涙が出てきた。

 もうアクアと結婚しちゃうかもしれない。性別知らんけど。


『いやー、びっくりしました。この場所には魔物は本来入れないのにスライムちゃんが入ってくるなんて』

「ううっ、アクア。ありがとう……」

 

 アクアを強く抱きしめ、友情を再確認した。やはり、いい友達だ。戦友といってもいいだろう。

 結婚? さすがにスライムに恋愛感情は持たねえよ。


『それに、そのスライムちゃん。聖属性の魔力を持ってますね』

「スライムじゃない、アクアだ!」

『はあ……。アクアちゃんですね……』


 ……へ? 聖属性?


「それはどういうことだ?」

『どういうも何も、そのままですよ』

「アクアが聖属性?」

『はい。魔物が聖属性を使うなんてことは普通ないのですが』


 アクアが聖属性持ちということは、あの光はアクアが出したものなのか?

 再び感動して涙が……。アクアさん、感謝感謝です!


「でも、どうしてだろう?」

「ここにスライムがいること自体おかしいですけど……』

「なんで?」


 スライムだって魔物だ。ここにいたって不思議ではないだろう。


『本来、スライムは草原にしかいません。それに、ここは様々なダンジョンの中でもかなり強い魔物の生息地ですから』

「ここってそんなに凄いのか?」


 純粋に疑問をぶつける。


『ええ。上級冒険者などでは到底不可能でしょう』

「そんなにか!」

『ですから、あなた方が来たときは驚きました』


 そこまでのダンジョンで生き残れたのは本当に奇跡だし、アクアがいなかったら俺は死んでたな。

 感謝を込めてアクアを撫でる。アクアは嬉しそうだ。


「そういえば、あんたは字が読めるか? 落ちた俺のそばにはこれがあったんだよ」


 そう言って手紙を見せる。これは一体だれが書いたのだろうか?


『ええと……。はい? え? ええ————!』


 手紙を読み始めてからすぐに、彼女は素っ頓狂な声を上げた。

 何が書いてあったのだろうか? 


「なんて書いてあったんだ?」

『この手紙……。書いたのは魔神ノアです』

「誰だそいつ? 会ったこともないが……」


 魔人? 知り合いに魔人なんぞいないのだが……。

 そのノアとかいう奴は偉い人なのだろうか?


『魔神とは戦闘の神であり、同時に破壊神でもある。との伝承があります』


 神様かよ! ってことは、魔神!? そんなのに俺は一体何を……。


 汗がだらだらと流れ始める。もしかしたら顔は青くなっているかもしれない。

 恐る恐る、手紙の内容について尋ねる。


「魔神のことはわかった。て、手紙の内容は……?」

『ええ、それが……』


 彼女はその手紙を読み上げてくれた。


————————————————————————————————————————


 この手紙を読んだということは、きっとアタシはもう……。


 なんちゃって! 騙された? ねえ騙された?

 

 ……と。おふざけはここまでにしておこうかな。


 アンタはかなり強くなりそうだから、助けてあげたよ。

 あと、一応のためにアタシの瓢箪とナイフを貸しておく。


 そうそう。祝福を与えておいたから成長率は高いと思う。

 勝負する日が楽しみね!

 


 P.S もう命は助けないから! 頑張って!


                魔神ノア

————————————————————————————————————————


 アリスはご丁寧に感情を入れながら読み上げてくれた。

 お蔭様で俺は見事に騙されたわけだ。


『ぷぷっ。どうでした?』

「ああ、お前ら……本当にムカつくなあ……」


 ものすごくイライラしたので、手紙を破ろうとしたところ、いきなり手紙が光を放った。

 放たれた光はホログラムのようなものを作り上げる。


 出来上がったホログラムは銀髪の美少女で、思わず見とれてしまうほどだった。

 美少女は微笑みを浮かべながら手を小さく振ってきたので、俺も振り返す。


 すると美少女は徐に深呼吸し、言った。


『この手紙が破れると思った? 残念、破けませーん! ねえ、今どんな気持ち? どんな気持ち?』


 満面の笑みで話す美少女に、俺とアリスは唖然。何も言えなかった。


『ああ、ちなみにこれは一方的に話すだけだから。アタシお手製の魔法具なんだ』


 銀髪美少女、もとい魔神ノアはわざわざこの手紙を作ったらしい。


『八雲、アンタには期待してるから! 強くなったら戦おうね!』


 見た目と言葉遣いのギャップが激しい。

 しかも、俺は勝負相手として選ばれているようだ。魔神の相手として。


『じゃ、この手紙はしっかり保管しといてよね!』


 そう言うと、ノアの姿は消えた。手紙からはすでに一筋の光も出ない。

 

 俺とアリスは声を合わせて叫んだ。


「『うぜえええーーーーーーーー!!』」





 


 ひとしきり叫んだ後、俺はアリスに尋ねる。


「おい自称勇者。あんたはなんでここにいるんだ? 確か魔王と死闘の末に相撃ちになったんじゃなかったか?」

『え? 私と魔王ちゃんは仲良しですよ? 親友ですもん』

 

 俺の耳がおかしいのか? 今、魔王と勇者が親友って聞こえたんだが……。


「なあ、どっちも死んだんじゃないのか?」

『はあ……。王国ではそんなことになっていたのですか……』


 彼女は深く溜息をつき、ゆっくりと話し始めた。


 アリスは王家の第二王女として生まれた。彼女は神のお告げによって勇者として育てられていった。

 父である王の命令で、彼女は魔王討伐の旅に出た。魔王城で魔王と少し会話をしたそうだ。


『私はアルス王国第二王女であり、勇者であるアリス=レイ=アルス! あなたを討ちに参りました!』

『そうか、それは大儀であったな。座れ。今茶を出そう』

『あ、ご丁寧にすみません。有難く頂戴します』

『うむ。よい心がけじゃ』


 うん。どういう流れでそうなったんだろうね。


「おい! 懐柔されてんじゃねえよ!」

『失礼な! これが私と魔王ちゃんの友情物語の幕開けなんですよ!』

 

 心底どうでもいいので彼女たちの友情物語は割愛。

 

 彼女はいろいろあって魔王と親友に。ちなみに魔王はクールビューティらしい。ぜひとも拝みたいね。

 魔王に説明されたのは魔族は戦争する気はないし、侵略もしないということ。

 王国に帰ったアリスはそのことを国王に報告したのだが、反逆罪で牢獄へ。

 拷問はされなかったが、魔力を搾り取られてから大穴へポイされたらしい。

 しかし、それを予想していた魔王が竜王に頼んで命を助けたとか。わかってたなら行かせるなよ。


「へえ。でも、なんでお前剣に宿ってるわけ?」

『私の肉体は冷凍して竜王さんが保管してますよ』

「それ騙されて封印されたんじゃないの?」


 普通に考えたらそうとしか思えないのだが……。

 それとも、本当にいいやつらなのか? 


『そんなはずないです。会ってみればわかりますよ』

「そういうもんなのかなあ……」

 

 かなり怪しい気もするが、そこは保留だな。


『絶対です。では、竜王さんに会いに行きましょう』

「嫌だよ」

『なんでっ!? 行きましょうよ~』

「ここの魔物強いし、死んじゃうから」

 

 実際、戦闘素人とスライム、それに剣(元勇者)でダンジョン攻略とか無理だろ……。

 

『お願いします! 何でもしますから!』

「そうは言っても、勝てるのか?」

『私を使ってください!』


 おお、妙に説得力があるな。元勇者のカリスマだろうか?


「でも、俺は戦闘素人だぞ? それにアクアもいる」

『大丈夫。奥の手もありますから』

「うーん。本当に大丈夫なんだよな?」

『宝船に乗ったつもりでいてください!』

「重さで沈みそうなんだが……」


 こいつの場合、宝を積みすぎて沈みそうだ。いや、宝船が沈むのかどうかは知らないが。

 不安でいっぱいのまま、俺は竜王宅訪問を決意した……。


 


 小部屋を出て三日ほど経った。

 魔物は強いが、そこはアリスのお蔭で何とかなっている。

 彼女の指示は的確で、それでも危なくなったら逃げに徹していた。


「ステータス確認でもするか……」

『かなり上がってるんじゃないですか~?』

「まあな……」

 

 強い魔物を狩っているのだから当たり前だ。

 それに加え、『魔神の祝福』もあるからステータスの上昇具合もなかなかだ。


————————————————————————————————

 服部八雲 18歳 男

レベル :25

生命力 :5000

筋力  :8000

魔力  :55000

敏捷  :10000

魔法適正:聖属性、闇属性、無属性

称号  :神に呪われし者、死神の加護、

     災いを呼ぶ者、魔王の卵、

     魔神の祝福、略奪者

技能  :動作予知、魔物使役、魔力感知、

     魔力操作、迅速、空歩

————————————————————————————————   


 とまあ、こんな感じ。

 もうチートなんじゃないかな? とも思ったのだが、アリス曰くまだまだらしい。

 ただ、レベルの割に上昇率が高いとは言われている。鍛錬あるのみ。


 称号には略奪者が加わった。これは他の魔物の技能を奪えるようになったときに追加。

 技能はかなり増えた。魔物使役はアクアを仲間にしたからだ。

 他は魔物の体内にある魔石という器官から魔力を吸い取ることで身についた。


 そうそう、改造によって注入されていた魔力の中にはアリスのものもあったようだ。

 どうやらアリスの魔力とエルフ族の魔力のお蔭で聖属性が使えるようになったらしい。

 

『八雲さん。滝がありますよ! 滝ですよ、滝!』

「なんでそんなに興奮してるんだよ……」

『水浴びができるからに決まってるじゃないですか! 言わせないでくださいよ恥ずかしい』


 ため息を吐く

 なんでこいつはここまでアホなんだ……。頭の中でお花畑でもつくっているのか?

 

「お前さあ……。自分が何かわかってるか?」

『初代勇者のアリスですよ! 馬鹿にしないでください!』

「いや……馬鹿だよお前は……。だって……ねえ?」


 目を逸らしたくなったので、アクアを抱き上げて撫でる。

 ああ、いつになってもアクアは俺の癒しでいてくれよ……。


『人を憐みの目で見ないでください! なんだっていうんですか!』

「だってお前……剣じゃん……」

『? ……はっ! そうでした! でも~、大丈夫じゃないですかね?』


 こいつの宿っている剣は愛用していた聖剣である。名前はまだない。

 なんで五百年も一緒なのに名前もつけないのだろうか……。


「ま、お前がいいならいいけどな。俺も風呂入れてないからなあ」


 毎日、瓢箪の中の水で布を濡らして体を拭いてはいたが、風呂には入りたい。今回は水浴びなんだが。

 アクアは何故かどんどん綺麗になっていた。瓢箪水のおかげだろうか? 可愛いからよしとしよう。


『女の子の前で裸になるつもりですか! いやらしい!』

「だれがそんなことするか。それに、お前も裸みたいなもんじゃねえかよ」

『そんなこと考えてたんですか? 不潔です!』


 もうやだ……。こいつと話してると疲れる。早く水浴びしよう。


「じゃあ、俺は水浴びしてくるわ……」

『後で私も~!』

「はいはい」


 滝壺付近で、顔を洗おうとしたその時だった。


 白髪で左目だけが金色の怖いお兄さんが俺の顔を覗き込んでいたのだ。

 

「ぎゃああああ————ッ!」


 一目散に逃げてアリスのもとへと向かい、助けを請う。


「あ、アリス! 助けてくれ!」

『どうしたんです! 魔物ですか!?』

「違う、魔人だ! 倒すぞ!」

『はい! じゃないです! 大丈夫ですよ。魔人は基本温厚ですから』

「何言ってるんだよ! 白髪で左目が金色だった! アイツはヤバい!」

『へ? それなら目の前にいますが……』

「どこだ! 出てこい!」


 叫ぶとともに周囲を見渡すが、誰もいない。透明化でも持っているのか?

 とにかく早く倒さないと! アクアが危ない!


『あの……私が言ってるのは八雲さんのことですけど……』

「はあ? 俺は黒髪だし、両目とも黒だぞ?」

『え? どこからどう見ても白髪で片目が金色ですが……右目ですけど』

「アホもここまでくると病気だぞ?」

『本当のことです! もう知りません!』 


 アリスは拗ねて口を利いてくれなくなってしまった。

 俺は日本人なんだから白髪のオッドアイのはず無いのに……。

 でもやけにアリスは怒っていたなあ。ふむ。確認だけしてみるか。


 もう一度水場へ戻り、覗き込む。やはり同じ男がいる。両頬を引っ張ってみると、相手も同じ行動をした。

 あれ? もしかしてアリスの言っていたことって本当? 


 ナイフを取り出し、その金属部分で顔をみる。

 白髪のオッドアイがそこにいた。

 ……………。

 ……え?

  

「なんじゃこりゃああああああーー!!」


 ええと、あれ? 黒髪黒目が俺で、俺が白髪オッドアイ?

 

 俺はその後も一時間ほど頭を抱えていた。


「あの、初代勇者さま?」 

『……なんですか』


 まだ若干拗ねているらしい。ぶっきらぼうな答え方だ。


「本ッ当に、すいませんでした!」

 

 謝罪と同時に土下座する。これぞ最終奥義“無の構え”!

 説明しよう! “無の構え”とは何もできないときにのみ出せる奥義なのだ!

 つまり俺は今、謝罪方法がこれしかない……ということだ……。


『……』

「本当にごめん! もうアホとか言わないから!」

『…………』

「許してくれ!」

『……ぷっ。あはははは!』


 アリスは突然吹き出して笑い始めてしまった。


「……へ?」

『いやあ、そんなに怒ってませんよ。ただ面白かったので、つい……ね?』

 

 うぜえ……。顔は見えないが、絶対ドヤ顔してやがる。下手に出たから何も言えない……。


「あり、がとう……」

『いいえ、大丈夫ですよ』

 

 悔しさで歯を食いしばりながら地面とにらみ合いっこをしていると、アクアが跳ねてやってきた。

 どうしたんだろうか? どこか急いでいるように見える。

 アクアはそのまま俺にぶつかってきて、小刻みに震えだした。ぷるぷると。


「どうしたアクア? 何かあったのか?」


 魔力感知を発動させてみるが、周囲に魔物らしき反応はない。

 しかし、アクアはずっとぷるぷるしたままだった。

 魔力感知を続けていると、かなり大きな魔力反応がいきなり出現した。


 反応のある滝壺の方を見るが、何もいない。

 

『八雲さん! 水中です!』

「水中!? でも、かなり大きい魔力反応だぞ!」

『ええ、強敵です。油断は禁物ですよ!』

「ああ、今回もよろしく頼むぞ!」

『任せてください!』

 

 アクアを離れた場所に移動させ、聖剣を握る。

 

「グァァァァアアアア————!!」


 水中から姿を現したのは体長十五メートルはあろう大蛇だった。

 


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