表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/44

番外編:フレアさん美女になる。その1

 魔王城に来てから二週間が経った。実に平穏、もとい、退屈な日々である。いや、別に俺は戦いを欲しているどこぞのサイヤ人などではない。実際、鍛錬は毎日しているのだ。というか先ほど終わったばかりである。なかなかに楽しかったのだが、なんというか刺激が足りない。血を沸騰させるような熱い戦闘を俺は求めているのだっ!

 

 命がけの戦闘求めてんじゃねえかそれ……。俺はもう死にそうな目には遭いたくないのである。平和、大事。戦争、ダメ。ラブ&ピース、大切。そう、愛と平和こそが地球を救う。つまり俺のアクアへの愛は全世界に救済を与える。俺=救世主(メシア)救世主(メシア)=神。

 

「そうか、俺が神だったのか……!」

「なに言ってんだお前……」

「おお、まだ居たのか。てっきりシャワーでも浴びに行ったと思ってたぞ」

「いやいや、さっき手合わせしたばっかだろうが。そんなに早く移動できるほど体力残ってねえよ」


 俺が話している相手は、前髪を汗で濡らしたイケメン、つまりは北條拓哉である。なんだこいつ、イケメンだな本当に。普通、武道をそこそこ極めた男といったら、坊主で常に道着で汗臭いやつじゃないのか? いや、これは偏見だな。


「お前ってイケメンだよなぁ」

「は? なに、お前衆道歩んじゃうの? ホモなの? ゲイ?」

「誰がホモだ! 俺はアクア一筋だ!」

「それもそれでヤバいと思うけどな……」

 

 全く、俺がホモのはずがない。もしも俺がホモだったら、「お前はもう、掘られている……」とか言っちゃうよ。世紀末に現れた救世主だよ。胸に七つの星ができるよ。憧れるけど、あそこまで筋肉つけられないな。


「そういや、ダンチョーさんとアカミネさんはまだ戻らないんだな。修行で山籠りだっけ? どこの漫画だよオイ」

「そのうち帰ってくると思うぜ。団長さんの修行相手はホモだし」

「なにそれ怖い」

「本当に怖いんだぜ? ホモのうえに俺の師匠でもあるからな。あの人には勝てる気がしないぜ」


 それは俺も勝てなそうだ。白旗振って地の果てまで逃げるレベル。怖すぎてヤバい。完全に世紀末の覇王じゃん。


「あら、二人とも楽しそうね。私たちとも手合わせしてもらえるかしら?」

「八雲さんには負けたくないです! それと拓哉さんにも!」


 振り返ると、そこには、いつも通りの服装(厨二仕様)の南條と、やはり露出多めの衣服を着たアリスが立っていた。アリスの服は、魔王がプレゼントしてくれたものである。

 俺は南條にもらった服を着ている。厨二仕様だが、他に着る物がないから仕方なく、仕方なくなのだ。別にかっこいいだなんて思ってない。黒いロングコートかっこいい、ヤバい俺似合ってるんじゃね? とか思ってない。


「悪いけど、俺も北條も疲れきってくたくたなんだよ」

「うんうん。俺も八雲も動けません!」


 ナイスアシストだ北條。俺がゴールを決めてやろう。


「汗かいて気持ち悪いからシャワー浴びてくるわ。手合わせはまた今度なー」


 そう言って立ち上がる。完全にゴールを決めた。相手はもうついてこれないぜ。


「馬鹿! お前なんてこと言ってんだ!」

「は? いやいや、完璧だったろ」

「後ろ見てみろよ。般若が二人いるぜ」


 振り返る。なるほど、確かに般若が二人いるな。美人の笑顔ほど怖いものはない、といったところだろう。

 何故怒っていらっしゃるのでしょうか……意味わからん。


「拓哉は汗をかいているけれど、あなたは汗なんて一滴もかいていないわよね、服部くん?」

「あれれ、おかしいなー。さっきまですっごく汗かいてたんだけどなー。どうしてだろうなー、本当におかしいなー」


 俺の失敗とはそういうことだったか。汗をかいていないのに汗で気持ち悪いなどと言えば、疑われるのは当然だ。どうして気づかなかったんだ……。


「八雲さんは嘘を吐くのが好きですねー。さ、やりましょうか」

「ちゃうねん。さっきまで汗ダラダラやったんやで?」


 どうして似非関西弁が出たんだよ俺。関西の方に怒られるだろうが。ここにはいないけど。


「八雲は冗談を言える余裕があるんだなー。すごいなー、俺なんてもう動けないよー」

「おいこら、俺を売るな! お前もまだ余裕あるはずだろ! 逃げるなぁぁぁぁぁああ!」

「お前みたいに化け物じみた体の作りはしてねえよ! じゃ、頑張ってなー」


 爽やかなイケメンスマイルを浮かべながら、北條は城の中へと入っていった。あの野郎、絶対に許さない。


「それじゃ、服部くんは一人で、私とアリスさんは二人で勝負しましょうか」

「理不尽すぎない!?」

「一人で赤焔竜を倒す方が理不尽ですから」

「嫌だ! 引っ張るな!」


 ズルズルと二人に引っ張られていく男、俺。城の二階の窓から見える北條の笑顔と南條の愛想笑いが少し苛々する。

 ほんと、手合わせなんかしたくないのになぁ。憂鬱。


 それにしても、ここ最近のアリスはなぜか鍛錬に励むことが多くなった。鍛錬の最中の彼女はどこか鬼気迫るような、言い換えれば、どこか焦っているような雰囲気さえ感じられている。

 南條も同じだ。みんな、強くなろうと必死になっている。それは、ともすれば近々起こるという戦争で勝つためなのかもしれない。南條たちは戦争でクラスメイトと殺し合いをしなくてもいいほどの実力をつけるために。アリスは祖国の過ちを正そうとするがゆえに。

 

 ならば俺も、その努力に応えるべきだろう。俺だって強くはなりたい。これ以上大切な人たちを傷つけないために。そしていつか、あの世界に戻る方法を見つける旅に出るために。



    ♢   ♦   ♢   ♦



「はぁ、疲れた疲れた。今度は本当に疲れた。さっさと寝よう」


 結果、俺は勝った。それはもう圧倒的だった……かもしれない。アクアとイーナが応援してくれたんだ、頑張らない理由がない。ほんと、あの二人は女神だな。感謝感謝。

 と、瞑想していると、膝の上に何かが乗ってきた。ぷにぷにと柔らかい生き物、スライムである。


「おっ、フレアか。ここ最近遊んでやれなくてごめんな。その代わり、今日は俺が寝るまで一緒に遊ぶか?」


 俺の問いかけに、フレアはぴょんぴょん跳ねて応えた。よほど遊んで欲しかったのか、フレアは嬉しそうである。

 しかし何をすればよいだろうか? とりあえず撫でておこう。


「服部せんぱーい!」


 フレアを愛でていると、突然ドアが勢いよく開かれ、ぐるぐるメガネを掛けた白衣の女性が入ってきた。新緑色の髪をうしろでまとめているその姿は美しく、とても研究者とは思えない。メガネと白衣しか研究者要素が見当たらないが、彼女は研究者であり、科学者だ。


 息を荒げながら、彼女は右手に乗せた宝玉のようなものを差し出してきた。彼女の名前はレナ。魔王城のマッドサイエンティスト、もといマゾサイエンティストである。そして百合であり、生粋のドM。つまりは変態である。

 ちなみに彼女はエルフだ。初めて会ったときは幻滅したものである。エルフはもっとおしとやかで美人なお姉さん気質だと思っていたからな。


「なんだよ騒がしいな。またあれか、南條を襲おうとしてるのか? 次は殺されるぞ、本当に」

「やだなぁ、麗華さんは私のことを殺したりしませんよぉ。まぁ、そこがいいんですけどね。あの死ぬかと思うほどの責め、豊富な語彙から飛び出す毒舌……想像しただけで……」


 また変なスイッチ入りやがったなこいつ。変態にもほどがあるぞ。それと、「責め」じゃなくて「攻め」だ。絶対こいつ変な妄想してたんだろうな。


「ハイハイ、分かったから戻ってこい」

「……ん、麗華さん、頭を叩くだなんて……」

「俺だよ俺。メガネ外せ、曇ってんぞ」

「なんだ、服部せんぱいですか……」


 失礼なやつめ。全く、毎度毎度なんなんだ。前回は風呂を覗くための作戦を一緒に考えてくれ、だったか。その前は寝込みを襲う方法、そのまた前は後ろから抱きつく方法だったな。


「で、用件は?」


 訊くと、レナは右手を差し出してきた。どこかで見たことのあるような色合いの玉である。というか、メガネを外すと別人だな。一般的に見てもかなりの美人だぞ。

 俺が少々見惚れていると、レナは俺の肩を掴んで熱弁をふるいはじめた。


「竜王さんから聞いて、私が完成させた『進化の宝玉』です! これで私は変わるんです、麗華さんのお好きな容姿に!」

「たぶん、容姿よりも性別と性癖の問題だと思うけどなぁ。つか、完成させたって本当か?」

「本当です! アクアちゃんみたいに元の姿に戻ったりはできませんが、体のすべての機能が作り変えられるようになっています!」


 容姿云々の話は聞こえなかったらしい。いや、聞きたくなかったから無視しただけかもしれない。まぁどっちでもいいけど。

 それにしても、アクアがいつの間にか食べてしまった『進化の宝玉』か。懐かしいな。あれがなかったら俺がアクアと話すことはなかったわけだし。


「ふっふっふ。感謝してくださいよ? せんぱいはこの素晴らしい瞬間の立会人になれるんですからね!」

「は? 寝ないと効果が出ないんじゃないのか?」

「だから、完成させたといったでしょう? これは飲み込んだ瞬間に進化できるんですよ!」


 へぇ、と言うと、レナは満足気に胸を張った。貧しい胸は強調してもやはり貧しいということがよく分かった。その点では確かに世紀の瞬間である。

 しかし、瞬時に体が変わるとは……魔法ってすごいな。うん、魔法は万能だ。


「ではでは、さよなら私の体。初めまして、新しい私!」


 そう言うと、レナは宝玉を真上に弾いて、口を大きく開いた。さよならレナ、さよなら実ることのないあなたの恋。できれば今後二度と俺のところには来ないでほしい。

 心の中で呟きながら俺は目を瞑った。体が作り変えられる瞬間なんて見たくもない。



「…………あれ?」

「ん?」


 目を開けると、そこには先ほどから少しも変わっていないレナの姿があった。失敗だろうか、彼女は慌てているようだ。


「どうした? 宝玉は完成してなかったのか?」

「完成させましたよ! でも、私の口に入ってこなかったんです……見ませんでした?」

「目を瞑ってたから見てないな」


 慌ただしく部屋の中を探しまわるレナ。俺も一応辺りを探すが、宝玉らしきものは見つからない。


「無くしたんじゃないのか……って、あれ?」


 なんだかベッドが動いている気がする。いや、確実に動いている。前にもこんなことがあったような……デジャブ?


「おいレナ。あれ、動いてるよな?」

「どれですか、全く……って、動いてますね。しかもかなり大きいですよ」

「お前また変な生き物連れてきたの?」

「今日は連れてきてませんよ! ていうか、変な生き物じゃないですし!」


 普段卵の中に閉じこもってる鳥はだいぶ変だと思うけどな。西條の飼っている小さな竜も大概変だ。俺のこと怖がりすぎてるし。


「変でも変でなくても、どっちでもいいよ。とりあえずシーツをめくってこい、馬鹿」

「馬鹿じゃないですし! じゃ、めくりますよ」


 ゆっくりとレナは手を伸ばして、一気にシーツを剥ぎ取ろうとした。が、シーツはめくられない。


「あれ? おかしいですね……」


 もう一度レナがシーツを引っ張る。渾身の力で引っ張っているらしく、レナの身体はぷるぷると小刻みに震えている。

 するとようやく、シーツが少し動いた。まず目に入ったのは、綺麗な黒髪だ。人が入っているらしい。もしや、刺客か!?


「ん?どなたさまですか……ぐはっ!」


 シーツの中を覗き込んだレナが後ろへ吹き飛んだ。


「大丈夫か!?」


 咄嗟に駆け寄ってレナの身体を支える。華奢な体は異常なまでに軽く、力を入れれば折れてしまいそうなほどだ。


「うへへ、良いもの見れたぁ……後は任せました、せんぱぁい……」

「なんでお前鼻血出してるんだ! しっかりしろ!」

「せんぱい、敵は強い……でも、あなたならきっと……ぐふっ」


 鼻血を流しているレナは、恍惚とした表情を浮かべ、どこか満足気に呟いたかと思うと、安らかに目を閉じた。


「お前のことは忘れないっ……だからどうか、どうか枕元には立たないでくれ……それと金輪際関わらないでくれっ……」

「だいぶ酷いこと言ってくれますね、せんぱい」

「ちっ、蘇ったか。そのまま死んでよかったのに」


 残念なことこの上ない。せっかくさよならできると思ったのになぁ。ま、死んだら死んだで悲しいけど。


「せんぱい、あのベッドの中に美女が居ましたよ。しかも裸です、全裸です、産まれたときと同じ姿です!」


 またしても熱弁をふるうレナ。また鼻血が出てきている。こいつはそのうち出血多量で死ぬな。


「つか、マジで?んじゃ、俺は出て行くわ」

「分かりました。後は任せてください、楽しみますので!」

「おいこら」

「やだなぁ、嘘ですよ!とにかく、本当にせんぱいは出てってください」

「マジでやめろよ?」


 分かってます、と言ってレナは俺をドアへと押しやった。強引なやつめ、俺もその場に居たかったのに。

 ドアを開けて部屋を出ようとと、する「待ってご主人様」と声が聞こえた。それはレナのものでもなかれば、聞いたことのない声だった。


 振り返って、視界に入ったのは純白のシーツの中からひょこりと顔を出した黒髪黒眼の美女だった。凛とした顔立ちに長い睫毛、きめ細やかな白い肌、漆黒の瞳。言葉で例えるのなら、大和撫子ではないだろうか。そう思ってしまうほどに彼女は綺麗だった。

 止まっていた俺の思考はやっと状況を整理し始め、やがてある不可解な言動を発見した。

 

 ——ご主人様って、どういうことだ? 


「えっと、ご主人様っていうのは?」

 

 美女が指さしたのは、俺。左右に体を動かすと、指と目線が俺の挙動に合わせて動く。俺がしゃがめば目線と指は俺を追従して下へ向かう。なんだか猫みたいだ。よく見ると、彼女の髪は少し癖がついていて、耳の上の髪がぴょこんと跳ねている。猫耳に見えなくもない。

  

「俺……か?」


 こくりと頷く美女。うん、俺この人知らない。俺はご主人様だなんて呼ばせたりはしない。


「お名前は?」


 訊いたのはレナだ。彼女の目は血走っていて、息は荒い。やはり変態である。

 しかしそんな彼女の態度を受けても、美女は無機質な声で対応した。


「フレア。ご主人様はそう呼んでる」

「フレア? スライムの?」


 こくりと美女は頷く。ふむふむ。つまり美女がフレアで、フレアが美女で。フレアがスライムでスライムがフレア。なるほど、よくわからん。


「フレアさんはどうやってこの部屋に入ったんですか? よろしければ私もベッドに入っていいですか?」

「お前いきなり何言ってんだ」


 思わずツッコんでしまった。こいつさりげなく変態発言を入れるのが上手いよな。変態発言に定評のあるレナさん、かなり不名誉だと思う。


「最初からここにいた。ご主人様に体中をなで回されて、すごく気持ちよかった。ベッドに入っていいのはご主人様だけ」

「そんな羨ましいことしてたんですかせんぱい!」

「うるさい。思考をまとめてるからちょっと待ってろ」


 最初からここにいて、先ほどまでは俺に体中をなで回されたという美女。ふむ、確かにフレアは最初からここにいたし、俺は先ほどフレアをなで回していた。美女の言動とフレアの行動は完全に一致する。

 

「本当にフレアなのか?」 

「うん。さっき宝玉を食べた。アクアばかりご主人様と話せるのはずるい」


 フレアはアクアと度々喧嘩をしていた。ということは、やはり彼女はフレアなのだろう。しかし、アクアは幼女だったのにフレアは美女なのか。これも『進化の宝玉』が完成だったか未完成だったかの違いなのかもしれない。

 だが、美女となってしまったフレアと寝るなんて危険すぎる。俺がビーストモードに入ってしまったら大変である。アクアは娘みたいなものだから一緒に寝ていられるが、美女と一緒に寝るとなれば話は別だ。俺の理性が持たん。


「よし、じゃあフレアはアリスの部屋で寝てくれ」

「なんで私の部屋じゃダメなんですか!」

「自分の胸に手を当ててよく考えてみろ」


 レナは自身の胸に手を当てると、涙ぐみ始めた。そんなにフレアと一緒に寝たかったのだろうか。


「やっぱり、私の胸が小さいから……だから麗華さんも私を受け入れてくれないんだ……」

「いやいや、それは違うぞ。だから泣き止め。いつかお前のことを受け入れてくれるから。な?」

「うぅっ……私の胸が大きければっ……」 


 まずい。完全にぐずり始めてしまった。これではまるで子供を泣かした大人である。なんとか慰めないと。


「大丈夫だって。自分の容姿を見てみろ。お前は充分美人なんだからさ、自身持てよ」


 もう一度ぺたぺたと体を触りだして、レナはよりいっそう涙ぐんで、勢いよく部屋の外へと飛び出していった。心配になって俺も部屋の外へ出て彼女を見送る。


「わっ!」 


 大理石というのは滑りやすい。走ればなおさらである。彼女が転ぶのは必然とも言えただろう。

 転ぶのは避けたいようで、レナは走るのをやめて歩き出した。ぐすっ、と時折聞こえる彼女の声は悲壮感に満ちていた。


「もう一回『進化の宝玉』を完成させて今度こそ大人の女性になってやるぅぅぅぅぅ!」


 レナの悲痛な叫びが廊下に木霊している。なんだか罪悪感が湧いてきたけれど、俺のせいではないはずだ。あっちが勘違いしただけだ。

 

「そんなことより……」


 振り返ってフレアを見ると、彼女は小首を傾げた。

 とりあえずアリスを呼んで連れていってもらおう。さいわいアクアは今、魔王のところにいるはずだ。また喧嘩が始まるかもしれないから、二人を出会わせてはいけない。


 部屋で待っているようにと告げて、俺はとなりの部屋へと向かった。

 手を振って俺を見送るフレアは、無表情だけれどとても可愛らしかった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ