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第1話~俺と眠り姫

※キャラのちょっとした紹介や小話はあとがきの方に書いていきます


※小説というレベルの作品ではないのでご注意ください

 

 

ピピピピ…

ピピピピ…

 

「ん…… 朝…か…」


目ざまし時計と、カーテン越しながらもまぶしい朝日に

重くなったまぶたをむりやり開ける


ここで二度寝をしてしまっては確実に遅刻してしまう時間帯になるのは

わかりきっていることだからな


一応は普通の高校生として通っている立場だ

遅刻なんて目立つ行為はごめんだ


「…とりあえず顔洗って飯食うか……」


寝ぼけたままの頭でいつまでもぼーっとしていても

しょうがない


とりあえずここは顔を洗って頭をすっきりさせて

簡単な朝食をとって午前中の体力を確保しなくては

 

 

 

《おはようございます! さて、今日のお天気は……》


本日の朝食はご飯と味噌汁と目玉焼き

これぞ日本人の朝食

シンプルイズベスト


「今日の時間割は…たしか数学が5限目だっけ

 宿題は昼休みにでも写させてもらうとして……」


味噌汁を飲みながら忘れ物がないか考える

教科書はちゃんと昨日のうちにカバンに入れてある

朝からあわてるのはいやだからな


宿題は自分でやるものじゃなくて

他人のを写すものだから特に問題ない

持つべきものは頼れる友人である


「あとは…『いつものあれ』だけだな…」


テレビの時計も大体いい時間を示している

洗い物をして制服に着替えたらちょうどいいくらいだろう


まったく…

なんで俺がこんな面倒なことしなくちゃいけないんだろう…

 

 

 

 

 

かちゃっ


「…よし、戸締りOKっと」


しっかりカギをかけたことを確認する

高校生の一人暮らし

きちんと防犯することは大事に


…まぁ、盗まれるものなんてほとんどないんだけど

こんな町はずれの方にある小さいアパートなんて

泥棒さんも狙わないだろうし


「…さて」


あとはこのまま学校に向かうだけ…

 

 

 

 

 

…というわけにもいかない


そのまま俺は隣の部屋のドアへと手をかける

当然不法侵入なんてするわけじゃない

合鍵はちゃんと持っている

 

 

かちゃっ


「…お~い、起きてるか~?」

「……………」


返事がない

まだ眠っているようだ


「…あがるぞ~?」

「……くぅ…」


かすかに寝息が聞こえた

よし、ちゃんと許可は得たってことでいいな?


こいつの部屋はいたってシンプルだ

俺の部屋と違って本棚やテレビなどそういったものが一切ない


…俺はそういったものを置いてしまったため

ただでさえ狭い部屋がより一層狭くなったわけだが…


はじめてこいつの部屋に入ったものはみんなこういうだろう

『…どうやって生活してるの?』


まず目を引くのが部屋の中央に置かれたでかいベッド

どうやってこの部屋に入れたのか謎になるくらいの大きなものだ


あとはちょっとした小さなテーブルと

あたり一面にあるクッションやぬいぐるみ…


それ以外にはなにもない


1人暮らしをしている以上

絶対必要となる調理器具すらこいつの部屋にはないのだ


まさに【ただ寝るためだけの部屋】なのである

 

 

「すぅ…すぅ…」


そんな睡眠部屋の中央にあるベッドで

のんきに寝息を立てているバカが1人


ふかふかのベッドでふかふかの毛布にくるまって

ふかふかのぬいぐるみを抱きながら

ふかふかのマクラによだれを垂らして寝てるバカ…

 

 

こいつの名前は【蓮野 翠】(はすの すい)

俺の隣の部屋に住んでいる

寝ることが趣味の女の子


それ以外のことはまったく興味がないということは

こいつの部屋を見てもらえればすぐにわかる


同年代にして同じクラス

挙句の果てに席も隣同士という

まさに運命の女神が俺にすべてを丸投げしたかのような

そんな関係である…

 

 

俺がこの部屋に来たのはこいつを起こすためだ


「…おい、そろそろ学校に行く時間だぞ? いい加減起きろ」

「…くぅ……」


当然このくらいで起きるわけがない

それは今までの経験からわかっている


かといって大きな音や大声を出すわけにはいかない

言うまでもなく近所迷惑

怒られるのは当然俺


ならばどうやって起こすか…

1.やさしく揺り動かす

2.布団をはぎとる

3.ほっぺを引っ張る

4.放置


1は無駄

やさしく揺り動かすくらいじゃこいつはまったく起きない


2はやりたくない

夏に一度やってとんでもないことになったことがある

…なにがあったかはご想像にお任せする

まぁ、そもそもそんなことをしても起きないのだが


4でもいいんだが

一度放置したとき、昼過ぎまで学校に来なくて

やっと学校に来たと思ったらあいつに

思いっきり怒られたことがあるから却下で


あいつを怒らせるとなぜか俺が悪いみたいな雰囲気になって

周りの連中から冷たい視線で見られるんだよなぁ…

完全に自業自得なのに……


…となると、答えは当然……

 

 

 

 

むにょーん

「おぉ、あいかわらずやわらかいな」


3の『ほっぺで遊ぶ』だ

選択肢が変わってる気がするが気にしない


「う~ん……」


一応この方法は効果あり

最近の起こし方はこれが大半だ


起きるまでに少し時間がかかることもあるが

時間には余裕を持って行動しているため特に問題ない


そしてなによりこいつのほっぺは結構気持ちいい

もちもちぷにぷにといつまでも触っていたくなる


…起きてるときにそんなこと言ったら

調子に乗るから言わないけど


「ん…… ほっへ…いひゃい……」

「お?やっと起きたか?」


残念ながら今日のほっぺぷにぷにタイムは終了のようだ

ちゃんと目を覚ますように

最後にちょっと引っ張ってから指を離してやる


「…うぅ~、また今日もほっぺ~? ひりひりする~…」

「文句があるなら自分で起きろ 俺はお前の目覚ましじゃないんだぞ?」

「だって普通の目覚ましじゃ起きれないんだもん…」


だからって隣に住んでる俺に毎朝起こさせるのもどうかと思うぞ?

わざわざ合鍵まで渡しやがって…


「ほれ、また睡魔に襲われる前にさっさと布団から出ろ」

「…まだ肌寒いよ~」

「また寝たらもう起こさないぞ?」

「…がんばって羽化するから待って~」


なんのサナギだお前は


「とりあえず、ここにおにぎり置いておくから

 着替え終わって時間に余裕があるようだったら食ってけ

 もし時間がなかったら学校で休み時間にでも食ってろ」

「え? もしかして置いて行くの…?」


当然そのつもりだ

もう役目を果たしたんだからこれ以上お前を待つ理由なんてない


「すぐ着替えて準備するから待っててよ~」

「早く学校に行って宿題写させてもらう約束しなくちゃいけないんでな」

「え~… ボクより宿題の方が大事なの?」

「当たり前だろ」

「即答っ!?」


だって宿題忘れるとあの先生に説教されるんだもん

そんな面倒なことはごめんだ


「むぅ~… こんなかわいい女の子より宿題を優先するなんて…!」

「はいはい、寝言は寝て言え」

「え? 寝ていいの?」

「寝たらおいてく」

「ぶ~…」


たしかにこいつはかわいい

実際クラスでも人気あるからそれは認める

だがしかし、こうして寝てばかりいる女につきあわされる方は

たまったもんじゃない

こいつにとって一番大事なことは睡眠

それ以外は割とどうでもいいのだ

おそらくこいつが今まで恋愛したことないというのも

この性格のせいだろう


「ほらほら、ボクの着替えシーンをじっくり見ることのできる

 チャンスなんだよ~?」

「よし、おいてくか」

「わ~!? ごめんごめん! おいてかないで~!」


くだらない冗談言ってないで

さっさと支度しろよ…

 

 

 

 

 

【数分後…】


「お待たせ~♪」

「…やっと準備できたか」


アパートの前で待っていた俺のところに

制服に着替えたあいつが走ってくる


結局あいつが来るまで待ってしまうなんて…

なんだかんだで断りきれない性格なのかもな、俺


「いや~、今日もいい天気♪ いいお昼寝日和だね♪」


寝ることしか頭にないのかお前は


「というわけで、おんぶして♪」

「…はっ?」


どういうわけ?

会話のキャッチボールにいきなり変化球投げないでくれる?


「ほら、今日はいい天気で眠くなるからさ~

 キミの背中の上でゆっくり眠りたいなぁって♪」


起きたばっかりでいきなり寝る話かよ…

変化球どころかいきなりバット持ち出して

ホームラン打ちだすくらいの飛ばしっぷりだなおい


「寝たかったら教室についてから寝ろ」

「え~ キミにおんぶされて寝る方が寝心地いいのに~」


こいつの話によるとどうやら俺は寝心地がいいらしく

俺がこいつに異様になつかれ合鍵まで渡されているのはそれが理由らしい

…俺は新手の寝具か?


「ねぇ~ おんぶおんぶ~…」

「子供かお前は」

「いつまでも子供の純粋さを持っているっていいことじゃん♪」


俺にとっては迷惑だ!


「まったく…お前も一応高校生なんだから少しは大人らしく…」

「仕方ないなぁ、ならお姫様だっこで妥協するよ」


悪化しとるわっ!

どの辺を妥協したらお姫様だっこになるんだよ!?


「さぁ、レッツトライ!」

「…抱えあげた後、手を離して落下させていいならやってやるよ」

「なんだよ~、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃんか~

 ボクとキミの仲じゃん~」


ただの隣人の関係でお姫様だっこなんて聞いたことねぇよ…


「ったく… 少しは寝ること以外のことも考えろよ…」

「ところでさ、今日の夕飯は何かな~♪」


挙句の果てに人の話まで無視しやがった…!

いや、たしかに寝ること以外の話題だけどさ…

でも朝からいきなり夕飯の話するか?

今に始まったことじゃないが、

ホントあきれるほどマイペースなやつだな…

 

 

さっきこのバカの部屋を見たときに

【調理器具すらない】と言ったと思う

ではこいつは【ご飯はどうしてるの?】という

疑問が出てくるだろう


その答えはいたって単純

【よそで食べている】のだ


ではその対象となる場所はどこか

もうおわかりだろう

すぐ隣りである俺の部屋だ


最初のころはコンビニ弁当で我慢していたようだが

一度俺の部屋で食べさせてやったところ

大変気に入ってしまい

それ以降ほぼ毎日俺の部屋で食うようになったというわけだ


ちゃんと食事代は出してくれるのだが

俺としては面倒なことこの上ない…


…まぁ、『おいしい』とほめてもらえて

悪い気がしないのも確かなんだが…


「…そうだな、今日はタマゴが安いしオムライスでも作るか?」

「お~♪ ボクの大好物♪ さすがキミだね、よくわかってる♪

 ボク、キミのそういうところ大好きだよ♪」

「…はいはい」


ここは

『べ、別にお前のために作ってやるんじゃないんだからなっ!』

とかいってやるべきか?


まぁ男の俺がそんなこといっても

ちっとも萌えないからいいか

 

 

 

 

 

 

とりあえず、簡単に言うと、


朝はわざわざ起こしに行き

学校では席も隣同士

夜になったら夕飯も食べさせてやる


それが俺とこの隣人との変わった関係だ

 

 

そんな隣人に振り回される俺の日常


今までもそうだが、

これからどんな生活になるのやら


今日こそは平和で何事もない日常を送れるといいなと考えながら

また今日も騒がしくなるであろう一日が始まる……

キャラ紹介

【如月 十夜】(きさらぎ とおや)

主人公にしてツッコミ役

周りの連中に振り回されるある意味不幸な人物


【蓮野 翠】(はすの すい)

いつも寝てばかりの隣人 メインヒロイン(?)

なぜか十夜になついておりいつも一緒にいたがる

今のところ恋愛感情はないらしい

 

 

【雑談】

どうもはじめまして、作者です


次回以降、書いていて思いついた小話や没ネタ等があったらここに書いていこうかと思っています


話の構成ですが、基本的に4000~6000文字くらいで好き勝手書いてくというスタンスでやっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします

 

 

(…話の数え方、『第○話』より『羊が○匹』とか変わった数え方の方がいいかなぁ…?)

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