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仔犬と宙の神話②
≪災厄の子≫たちは、その力を上手く制御することが出来ず、箱庭を少しずつ壊してしまう。
彼らの母親である片方の管理人が止めようとするが、≪災厄の子≫らは止まらない。
自分の不甲斐なさを恥じる様に、彼女は姿を隠した。
姿を隠した後、新たに≪災厄の子≫が管理人から生まれることはなかったが、代わりに≪災厄の子≫同士で子を作る様になってしまった。
困った神さまたちは、残った管理者に己らが作った伴侶を与え、箱庭の管理と≪災厄の子≫に対抗する存在を作る様に命じた。
残った管理者と伴侶の間に生まれた子らは、父親に似て強大な力を持ち、しかし母親に似て従順だった。
そして、両親や神さまたちの望んだ通りに、≪災厄の子≫を箱庭の果てに追いやった。
こうして平和になった箱庭で子どもたちは、集落を作りやがてそれがひとつの国になった。
それがアステローポス国であり、管理者の片割れとその伴侶から生まれた第1子が初代国王になったそうだ。
『宙の神話』は、そんなお話。
でも、何故いま神話の話をしてるのかなぁ?