仔犬と仲間たち②
短いです。
「怪我して、『責任取れ!』なーんて大騒ぎされても困るからな。…感動してるとこ悪いが嬢ちゃん、ただ単に面倒なんだよ」
首をゴキゴキと鳴らしながらこちらにやってくるのは、ダバランさんだった。その後ろには、トゥーバンさんがいる。
ダバランさんは、かなり体格のいい男の人で、何となく冬眠前の熊が騎士服を着ている感じだ。
白いものが所々混じる錆色の髪を短く刈り上げていて、瞳の色も同色。あと、顎にてんてんとある無精髭も同色だった。
トゥーバンさんもまた、上背もあって体格もいい。ただ、ダバランさんよりも拳2つ分程背が高く、身体は鋼の様な筋肉で覆われている。騎士服でも隠し切れない位で、如何にも硬そうだ。
黒に近い青い髪は短いものの、自分で切り揃えたみたいで長さもまちまちで、ざんばらになってる。鋭い目の色は黒。
年はダバランさんより若そうだけど、無表情で落ち着いた雰囲気を醸し出している。大体、30代半ば位かなぁ?
「責任取れだなんて、私はいいませんよ。自分で無謀なことやったんですから」
「どうだかな。以前にもそんな女共が、大した怪我でもないのに、ウルの奴に詰めよってよ。…なぁ、トゥーバン?」
「……」
ダバランさんの問い掛けに、トゥーバンさんは無言で頷いていた。
つまり、その女の人たちは隊長の監督不行きを問いたかったのかなぁ?話を聞いて想像した私は、そう結論付けた。
「…いや、そうじゃねぇよ。待てっ!いい、もうしゃべるな!」
突然慌て出したダバランさん。
『アホなのか?それとも、天然のフリなのか?』と、よくわからないことをぶつぶつ呟いている。心なしか、げっそりしてるような…気のせいかなぁ?
どうしようかと思って、トゥーバンさんを見たら、暫し見つめ合った後に彼は首を横に振った。
ほっといていいみたいだから、そっとしておこう。
げっそりしているダバランさんと、無表情なトゥーバンさん登場。