ガナイーシャ強襲
まずは、集会所の敷地内に残った合成獣の数を走りながら確認する。
三体、五体……八体――
打ち合わせどおり三人一組で村人達が戦っている。
多少の手傷を負わせることは出来ているようだが、押し止めるだけでやっとのようだ。
ガナはとりあえず一番手近の《熊》男の前に割り込むと――逆袈裟切りで一刀両断する。
「……す、すげぇ――」
「本当に人間か?あの女……」
あまりに人間離れした膂力と技能に、三人がかりで散々苦戦していた男達が畏怖をまじえて呟く。
その間も、ガナは一切足を止めず、次から次へと合成獣兵を葬り去っていった。
「……ぜ、全滅―? 八体もの合成獣が全滅……?、三分もたたずにか……」
「ば……化け物か―っ……」
戦闘中だということも忘れて、呆然と突っ立つ男達――
一方、瞬く間に敷地内の合成獣兵を仕留めたガナは、弓籠手を持ち上げ眼を向ける。
解析端末の画面表示を切り替えて、塀の外の魔道値を測定すると――
魔道値五十前後の合成獣兵が十数匹確認された。
射線から外れて、生き残った兵の割合がかなり高いようだ。
「結構、広範囲に散らばっているなぁ――
でも、洞窟内の警備や偵察要員が動員されて、さらに増える可能性もあるし……」
ガナは独りごちると………背後の様子を気にしながらも、垂直にそそり立つ壁を駆け上がり閉ざされた門を一気に飛び超えた。
門外で戦う村の男達の救援に向かうために―――




