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16 公園

冬の風が、容赦なく吹き付けてくる。

僕は一人家へと向かう道を

歩いていた。

――やっぱり、謝らなければ。

自分から動かなきゃ

何も変わらない。

そう心に決めた僕は

俯いていた顔をあげ、前を向いた。

冷たい追い風が吹く中

歩く速度を速め、家へと急いだ。



家に帰り、ただいま、も言わず

僕は二階の自分の部屋へと直行した。

すぐに鞄を置いて、机の上にあった

携帯を手に、ベッドに座る。

息を落ち着かせてから

電話をかける。

電話の相手は、もちろん彼女だ。

呼び出し音が鳴る。

一定に繰り返すその音を聞きながら

僕は心中不安だった。

何しろ、喧嘩したばかりだ。

彼女は怒っていないのは分かるが・・・

もしかしたら電話に

出てくれないかもしれない。

僕は不安に思いながら

呼び出し音を聞いていた。

お願いだ、出てくれ――

そう思った瞬間、声が聞こえた。

「もしもし・・・」

彼女の声だった。

「あ、もしもし・・・」

一気に緊張してしまう。

「あのさ・・・」

心を落ち着かせ、計画していたことを

彼女に話す。

「・・・うん・・・ありがとう。

じゃあ、待ってるね」

電話を切り、携帯を置く。

ふーっ、と大きく安堵の息を吐いた。

でも、これからが重要だ。

そう自分に言い聞かせ、携帯を手に取り

立ち上がる。

上着を着て、家を出て

自転車に乗った。

外の風は、先ほどよりも冷たくなっていた。

僕は上着の前をよせ、寒さに耐えながら

自転車をこいだ。


僕は電話で、彼女を近くの公園へ

呼び出した。

電話で誤ればよかったのだろうけど

やっぱり直接会って話したかったからだ。

きっと、彼女もこれから僕が

何を話すのかを、分かっている。

僕の為にも、彼女の為にも。

思っていることを、全て伝えなければ。

僕は、公園に向かう中

心の中で自分の気持ちを整理していた。

数分立つと、木々に囲まれた

公園が見えた。

決して大きいわけではないが

昼には、散歩をしている人や

親子連れなどで賑わっていて

近所の住民には、親しまれている。

僕は公園につくと、自転車から降りる。

指定したベンチの方を見遣ると

まだ彼女は来ていなかった。

約束の時間まで、まだ十分ある。

僕は自転車を引きながら

ベンチへと近づいた。

近くに自転車を止め、ベンチに座る。

公園を見渡すと、親子連れが二組いて

ここから離れた隅のベンチには

犬を連れたおじいさんが

座っていた。

やはり夕暮れ時とあって

公園に来てる人は少ない。

僕は冷たい風に負けないように

身を縮こませ、彼女を待っていた。

数分して、ふと公園の

出入り口を見る。

すると、彼女がちょうど公園に

入ってくるところだった。

緊張が一気に高まる。

深呼吸して、自分を落ち着かせる。

立ち上がり、彼女に小さく手を振る。

すると、彼女もこちらに気付いたらしく

小さく手を振ってくれた。

僕に気付いた彼女は

駆け足で、こちらへ寄ってきた。

「ごめんね。待った?」

彼女は申し訳なさそうに

僕の顔を見上げる。

「ううん、全然」

僕は笑顔で答え、彼女と一緒に

ベンチに座った。

皆さん明けましておめでとうございます。

ご挨拶、更新遅れてしまい

申し訳ありません;

さて、この小説も連載が始まってから

早くも一年が過ぎてしまいました。

嬉しい限りでございます(´∀`*)

今の時点で累計9,863アクセス突破いたしましたw

他の方に比べたらとても少ないかも

しれませんが、私にとっては

とてもすごいことなんです(藁

もうすぐで10000アクセス・・・。

まだまだ未熟かも知れませんが

よかったらこれからも「無能な〜」を

読んでやってくださいw

それでは、今後もよろしくお願いいたします。


水瀬葎那


08/03/06 誤字直しました。知らせてくれた方ありがとうございました。

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