15 悩み
季節がずれてしまうので
2話連続で投稿。
なるべく季節はあわせたいので(藁
読んでくださる方は
14話からお読みください(∀)
気付けば季節は冬になっていた。
今年の秋は、足早に
過ぎ去っていってしまった。
授業中、僕はそんなことを思いながら
外を眺めていた。
葉が全て散り、枝だけに
なった木々達は
とても寂しそうだった。
しかし、それは僕の心かもしれない。
彼女を見る。
あれから何日たっただろう。
彼女とは、全く話していない。
お互い怒っているわけではないのだが
なかなかきっかけが掴めなくて
話せないでいる。
僕と彼女は、そんな感じだった。
彼女は、今もいじめられている。
クラス中の女子達から
無視されていた。
もしかしたら、陰でもっと
酷いことをやっているかもしれない。
――どうしたらいいのだろう。
それだけが、僕の頭の中を
駆け巡っていた。
「小池ー」
先生が、自分の名前を呼ぶ。
「はい」
短く返事をして、立ち上がり
教卓に近づいた。
そういえば、今はテスト返しを
していたんだった。
テストを受け取り、席に戻る途中に
彼女のほうを見る。
すると、彼女も僕のほうを
見ていたらしく
目があってしまった。
気まずくなり、急いで目を逸らす。
自分の席に戻り、また彼女を見る。
彼女は俯き、じっとしていた。
か細い背中は、気のせいか
もっと小さく見えた。
悲しくなり、僕は目を外にやる。
すぐ近くの木。
その枝の先端に、かろうじて
一枚残った葉がついていた。
しかし、それはすぐに
風にとばされて
どこかへと行ってしまった。
・・・本当に、悩むことばかりだ。
どうしたらいいのだろう。
僕は目を伏せ、ため息をついた。