4月25~28日/火曜~金曜日ー決心ー
どうも、りゅうらんぜっかです。
初めての方は初めまして
前回の続きを読んで下さっている方は、ありがとうございます。
そろそろ辻村君の思考にはうんざりするかもしれませんが、それも最後です。
それでは、どうぞ!
「ちょ、ちょっと! 辻村君っ!!」
教室に入るなり慌てふためいていた栗崎が猪の如く突進してきた。
「ど、どうしたんだ栗崎」
目の前までダッシュしてきた栗崎は躊躇いなく俺の腕を掴む。
「昨日からどうしたのっ!? なんか元気ないオーラが教室に入る前から感じたよっ?!」
「あ、ああ、いやなんでもないさ」
「本当っ? 裁縫のことについてなにか悩んでいるんじゃないの?」
できればその悩みでありたかった。現実は裁縫することすら危うい状況になりつつあるのだが。
栗崎の勘の良さと気遣いは俺の胸を締め付けるだけの結果になる。
「そっちの方は大丈夫だ。それより土曜日はちゃんときてくれよな」
「勿論だよっ。辻村君は早くあれを完成させなきゃねっ!」
ニカッと笑うその眩しい笑顔は、今の俺の目には痛すぎた。
「はい、今から本文を読みますね」
淡々と進む授業。
英語の教師は教科書を片手に文章を音読している。
今の俺には雑音にしかならず、となりで死ぬほど暇そうにしている達也より頭に入っていないかもしれない。
教師の英語の音読を遥かに凌いで頭に回るは一昨日の夜から渦巻く後悔と自虐。
俺は他人を、ましてや女の子を泣かせてしまうまで言葉で傷つけたことはなかった。
よりにもよって好きな女の子を泣かせてしまったのだから、その精神的ダメージは計り知れない。
しかし、ここで腐っていては前の自分を繰り返すことになる。それだけはいけない。
それだけはいけないと分かっているが、どうすればいいのかわからない。
このまま過去の記憶を全て忘れて、新しい人生を踏み出してもらう方がいいのではないか。
彼女は自殺をしようとするまできついいじめを受け、追い詰められた経験がある。そんな二度と思い出したくない思い出があるくらいなら、むしろ都合が良いのではないか。
だがそれではおばあさんとの記憶と……俺との記憶を失うことになる。
この際私情を抜きにしても、俺はそれだけはいけないと思う。赤の他人から聞いた話だけで完結していい間柄ではない。
そんな2つの意見が板挟みし、最終的な結論を出すことができない。
もういっそのこと俺が関わるのをやめた方がいいのではないかとも考えたがそれは最悪で、ただの卑怯者である。
逃げてはいけない。やってしまった以上、全て俺が清算しなければならない。
こうして思考の堂々巡りで俺の半日は過ぎていったのだった。
再び扉の前に立つ。
ここは勿論黒羽がいる病室の前。
結局俺は2日かけたのにもかかわらず、なんにもまとまらずにここにきてしまった。
だが1つだけ分かっていることは、彼女に謝らなくてはいけないこと。
そう思い扉に手をかける。
――本当にそれでいいのだろうか。
取っ手にかかる手汗びっしょりの指先がじわりとノブを滲ませ、飲み込む唾は喉仏を鳴らす。
冷静に自分を見つめるもう1人の俺が、これからの行動に疑問を抱いた。
自分でこれから進むべき道が分かってもいないのに、上辺だけとりあえずぺこぺこ謝って彼女のご機嫌取りすることに意味があるのだろうか。
それは只の誤魔化しで、彼女にも、自分にも嘘をつく結果しか残らない。
…俺には先にやるべきことがあるはずだ。今はここに来るべきではない。
取っ手から手を離し、俺はこの場から離れる。
その真っ白な扉が、いつも以上に光って見えた。
再び扉の前に立つ。
とはいっても、ここは黒羽の病室の前ではない。
「入るぞ」
彼女の病室の扉より遥かに軽く感じるそれは、あっさりと中の全貌を明かす。
「あーっ、お兄!」
そこにいるのは、俺の妹である明日香の姿。
最近色々ありすぎて顔出し出来なかったので、久しぶりに会うことになる。
明日香へ申し訳ない意味でも、気持ちの整理をする意味でも彼女に会うことが必要であると判断したからだ。
入っていくなり彼女の顔は太陽をしっかり浴びた向日葵のように気持ちよく明るくなる。
「よう、久しぶりだな」
「もう! どうして最近来てくれなかったの?!」
だが、あっという間に雲行きは怪しくなり、頬を膨らませて不満を零す。
「ごめんごめん、ちょっとテストとかあって忙しくてさ」
上半身をへこへこさせながら定位置である簡易椅子に腰を下ろす。
「ふーん、テストねぇ」
久方振りの再開であるが、妹の眼は健在のようで、疑うような視線に思わず口を閉じて余計なことを話さないようにしてしまう。
無意識に止めていた呼吸を再び再開する程度の間があった後、明日香が留めていた息を吐き出すと、どこか素っ気ない雰囲気で肩をすくめる。
「…まあいいや、せっかく会いにきてくれたんだもんね」
なんとか容疑は晴れたのか、いつも通りの明日香に戻る。
内心胸を撫で下ろしながら、会話を続ける。
暫くは雑談を交わしていたが、頃合いを見て話を変えてみる。
「どうだ最近は」
「んー、いつも通りだよー。特に変わったことはないかな」
「…そうか」
可もなく不可もなくと言った回答だが、それはある意味残酷な不変。
明日香はこのまま良くなることも悪くなることもなく、このベットの上で一生を過ごすのだろうか。
妹の状況は黒羽の状況とも酷似しており、嫌に不安感が煽られる。
ただでさえ重くなってる心に更なる重石がのしかかり、明日香から目を離したときだった。
「あれは…?」
視線の先には空間の大半を白が支配する部屋に大きく逸脱した、様々な色で彩色された美しい絵がスケッチブックをへの字に折って飾られていた。
それは花の絵であり、どこか既視感を覚える。
「明日香、あの絵描いたんだよな? すごいうまいじゃないか」
「わかる? えへへー、そーだろそーだろー」
その言葉を待っていましたと言わんばかりに明日香は歯をしっかり見せて満面の笑みを浮かべる。
素人目で見れば誰しもが唸る素晴らしい作品だ。それ故、デジャヴを感じるだけに余計元ネタが知りたくなる。
憚られる質問でもないと判断し、気軽に聞いてみる。
「明日香、俺どこかでこれを見たことがあるような気がするんだが」
「んふ」
考え込むように聞く俺に、妹は特有の口元に手をあてて小さく笑うと、それもまた待ってましたと言わんばかりに
「でしょー? なにか当てて見せてよ」
久し振りの客人をもてなすのでなく弄ばないと気が済まないようで、試すような視線が俺に差し向けられる。
それに答えないわけにもいかず、真剣に過去を洗ってみる。
「うーん…そうだな…」
だが出てくるのは黒羽や中原、銀堂との絡みばかりが思い浮かぶばかりで、最近花を見た記憶などないのだが。
それに、さっきから特に鮮明に表れるのは、昨日黒羽と対談した場面ばかり。
残念ながら、答えを見つけ出すことが難しいと判断する。
「…わからん。降参だ」
両手を上げて降参を意すると、明日香の口は小さく膨れる。
「むー、もう忘れちゃったの? この間神納寺のお姉ちゃんが持ってきてくれた花の絵だよ」
「…ああ」
答え合わせを聞くと不明瞭だった場面がくっきりと姿を見せ、確かにこの間神納寺と見舞いに来た時に妹にあげた花たちだと思い出す。
俺と妹が共通で同じ事柄を知ることができる状況は限られていると少し考えればわかることなのに、それすら俺は考えに至ることができなかった。
少なくとも普段ならそんなことはないはずだ。俺は妹との関係を大事にしていると自負しているからだ。
ようやく気付く。俺はこんな身近なことですら見落としてしまう程余裕がないことに。
「思い出したよ、ごめんごめん」
「んもーお兄ったら…」
すると、ふと妹は横にある解放された窓の景色を見る。
少し話しすぎて疲れたのかなと楽観したときだった。
「まあしょうがないよね、大変なんだよね」
「…え?」
呟くように放ったその言葉は、どこか核心めいていた。
「…どういう…」
「お兄、ここに来たときからおかしいって、わかっていたよ」
心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
どういう意図があってそんなことを言うのか。
「いやいや明日香、別に俺は変じゃないよ」
「ウソつき。そもそもどんなに忙しくても毎週来てくれていたお兄が一週間きてくれなかったのおかしいもん」
ただ事実だけを述べられただけだというのに、俺には恐ろしい程の罪悪感と焦りが走り抜ける。
「それにこの絵の花のことだって、考えればすぐ分かるのにそれがわからないなんて、いつものお兄じゃないよ」
「っ……」
妹の推測が的確に外堀を埋めていき、俺に言い逃れの余地をなくす。
確かに自分でも自覚している通り、俺は焦っている。だが、それを妹だけには察知されたくなかった。
明日香にはこれ以上余計な心配はさせたくないというのに、不肖の兄は体たらくでそれすらも叶わないというのか。
「そんなことはない。先週はテストの訂正ノートに追われててどうしてもいけなくて、この花のことだって、たまたま―…」
「お兄」
捻りだされた苦し紛れの言い訳は、明日香の一言で制止する。
外の景色を見ていた明日香はゆっくりと首を俺に向け直し、先程の笑顔とは程遠い無表情ともとれる顔に俺は緊張を高める。
「お兄…僕前に言ったよね、『僕ができなかったことを、お兄にたくさんしてほしい』って」
「…ああ」
「お兄は実際僕がしたことないことをやっているんだと思う。それで僕の見舞いに来れないことがあっても我慢する。でもね」
黙って頷く。
明日香は憂いのようで愁いのような小さい微笑みを見せる。
「それで辛いことがあったんだったら相談して欲しいな……。僕ができなかったことをお兄がしてくれるのなら、力になりたいんだ」
「…明日香…」
「お兄の今の顔、とっても可愛そう。なにかあるんだったら、聞かせてほしいな」
始業式の時に言った言葉といい、今回といい、彼女はどうしてここまで達観しているのだろうか。
普段こそ年相応の笑顔や話をしている明日香だが、時折見せるとても11歳とは思えない儚げな顔に重い言葉を語るときの彼女の精神年齢は高校生と張り合える。
それは、もう自分は一生ここで過ごすのだろうという『諦め』が逆に明日香の精神を昇華させているのかもしれない。
歳不相応の柔らかい笑みはもうこの世にいない母さんを思い出させる。
情けない話だが、今の俺は現状を打破する考えを思いつく力もなくなっていることが先程で証明された。
明日香の小さな願いを叶えてあげたいという意味も込めて、明日香に話をしてあげたほうがいいのかもしれない。
「こんな兄でごめんな」
高ぶる感情を押し殺して、一言謝る。
「ううん、なんでも言ってよ」
「…実はな」
俺は黒羽という存在と事故の話、そして記憶喪失に至って今喧嘩をしてしまっていることを話した。
彼女はそれをうんうんと頷きながら真剣に聞いてくれた。
「…ということなんだ」
「そうだったんだ…でもお兄が悪いわけじゃないよ。一番悪いのは黒羽お姉ちゃんにぶつけた車だよ」
「でも車に轢かせる状況を作ってしまった原因に俺も入っているんだ。だから俺の手でどうにかしたいんだけど、喧嘩をしてしまって…」
今の彼女を受け入れるべきなのか、それとも。
どうしていけばいいのか分からない俺に対して、話を聞いた妹はそこまで深刻そうな顔はしていない。
寧ろどうしてそんなに悩んでいるのかと不思議に思っているかのようなきょとん顔だ。一体それはどういう意味なのか。
同じ話題の対策に温度差を感じていると明日香がいつものような口調で話す。
「ケンカをしちゃったのはしょうがないけど、お兄がすることは変わってないよね」
「いや、だから彼女にこのままの生活をさせるか、そうでないかをだな―…」
「え? くろはお姉ちゃんはきおくをもどしたいんじゃないの?」
「…え? あ、いや、そうなんだけど…」
「だったらちゃんとあやまって、一緒に思い出せるようガンバレばいいんじゃないの?」
…明日香の言うとおりである。
黒羽はそもそも思い出したくないとは一言も言っていないではないか。
誰も過去はもう忘れて今を生きていこうとは言っていないではないか。
それを俺は彼女がもう思い出せなくなるかもしれないという焦りが彼女の発言を捻じ曲げ曲解し、黒羽のもし記憶が戻らなかったら現実を受け止めて生きていこうという前向きな言葉を、おばあさんとの記憶や俺との記憶を捨てて生きていこうと言っていると勘違いしてしまっていたのか。
おばあさんとの記憶や俺との記憶のことが先行しすぎて、彼女が記憶を取り戻したいという根底にある気持ちを無視し、『今の私のことはどうでもいいのですか』という黒羽の言葉に引きずられて勝手な解釈をしていたのだ。
…いや、俺との記憶を忘れてほしくないという疚しい考えがあったから純粋に彼女と接することができず、結果的に黒羽を焦らせてこのような事態を招いたのだ。
今の彼女を受け入れる受け入れないという考えは最初から筋違いであり、最初から人形を戻して見せればいいのではないか。
どこに悩む要素があるのだろうか。
なんて俺は馬鹿なことを考えていたのだろうか。
「…そうだな、そうすればいいもんな。なんで悩んでいたんだろう、俺」
「そうだよお兄、そうすればいいんだよ」
微笑む明日香の顔を見て、今までどこか靄がかかって使えてなった脳が完全に動き出すのを感じた。
焦るな紅、俺にはやるべきことがある。
「ありがとう明日香、おかげてスッキリしたよ」
「んもう、もっと僕を悩ませるような相談だと思ったのに」
「すまんすまん、今度人生相談しにくるときはもっと重い話を持ってくるよ」
簡易椅子から立ち上がると、物欲しげな顔が視界の下から見える。
「もう帰っちゃうの」
「ごめんな明日香、やらないといけないことができたんだ」
もう悩んでいる暇はない、刻一刻と悪くなる事態を、少しでも早く食い止めなくてはならない。
その為には可及的迅速に人形を復活させなければならない。明日香にまだ付き合っていたいが、それすら優る命令が下された以上従わなければならない。
それを察してくれたらしい彼女は、少し残念そうに唇を結んだが
「…うん、またきてね」
「ああ、良い結果を期待しててくれ」
自分の本音を我慢してまでそう言ってくれた言葉に、答えないわけにはいかなかった。
そこから本当にあっという間だった。
家に帰った俺はただひたすらに人形を直すことだけに注力した。
だが修復の速度は亀が歩くより遅く、試行錯誤が幾重にも繰り返されるがおばあさんレベルの完成度はとても一朝一夕でできるものではなかった。
既に絆創膏だらけの指に、その隙間を埋めるように次々と新しいものが貼られていく。
タイムリミットは土曜日。みんなで見舞いに行く日までに完成させなけばならない。
辛うじて学校には行くが、授業中俺が持っているのは針と人形で、ひたすらに理想を求めて四苦八苦する。
兎が走るが如く恐ろしく体感時間が短く、気付けばあっという間に数時間が経っているのにも関わらず目の前にある人形は何一つ姿を変えないときが何度もあった。
作業速度が亀の歩行ならば、兎が寝ている間にやるだけだ。俺は極限まで睡眠時間を削り、徹夜が続いた。
そんな生活が2日続いたときだった。
「ちょ、ちょちょ! 辻村君!?」
「……どうした、栗崎」
「返事が2テンポくらいずれてるって! 目も死んでるし、隈がくっきりしすぎて怖いよっ!」
おてんば娘がいつものように慌てふためく姿がぼやける視線の先にいる。
既に回るための熱量を使い果たした俺の脳が、なんとか言葉を紡ぐ。
「……あー、大丈夫だ」
「どこが大丈夫なのさっ! 一体昨日は何時間寝たの!?」
「…ここ2日は寝てないな」
そういうなり栗崎は手のひらを顔に当て、あちゃーと言わんばかりにうろたえる。
「あちゃー。いくらなんでも根詰めすぎだって! ちょっとは休まないと死んじゃうって!」
「いいんだ…栗崎、俺は大丈夫だか―」
「駄目っ!」
今まで見たことのない剣幕に、俺の脳は驚きで幾許か機能を取り戻し、少し意識が復活する。
「はやくどうにかしたい気持ちは分かるけど、その前に辻村君が倒れちゃうよ」
「…そうだな栗崎、栗崎の言う通りだ」
「分かったら寝る! いいね」
彼女はあくまでも俺を心配してくれているようだ。そんな彼女の気持ちを無碍にするわけにはいかないし、なにより作業はほぼ停止していた。
ここは一度休息を取るのが最善か。
俺は顔を伏せたその数秒後には、意識は飛んでいった。
…夢を見た。
闇の上にポツンと黒羽がこちらを見つめている。
もの悲しい顔で。
どうしてそんな顔をしているんだ。
俺は今から黒羽を助けようと言うのに。
「…」
口を開いて何かを伝えようとしている。
しかし声は聞こえない。
俺と黒羽の間には見えない壁がある。
「…」
口だけが動く。
一体何を伝えようとしているのだろうか。
……
「…むら君!」
「ハッ」
顔を勢いよく上げると、今朝とほぼ同じ位置に栗崎の姿があった。
「…おはよう栗崎。今何時だ」
「んーええと…お昼休み」
「な…」
苦笑いと共に告げられたそれは、俺が5時間以上寝ていたことを突きつけていた。
「…寝た分取り戻さないとな。起こしてくれてありがとう」
「気にしなくて良いよっ。今倉本君が焼きそばパンとコーヒー牛乳買ってきてくれているから」
一瞬誰のことか分からなかったが、パシられていることを聞いた途端悲しいかな人物が合致する。
「よし、頑張ろう」
睡眠を取った俺はかなりの集中力と体力を回復させた。
刻々と過ぎてゆく時間。
そんな中俺はひたすら元気になった姿の黒羽を思い浮かべながら縫い続けた。
栗崎のアドバイスはとても役に立ったし食料を運んでくれた達也にも感謝したい。
中原達も授業中かなり目立って意識を自分たちに向けさせノックダウンした俺の存在を隠してくれていたらしい。
そんな友達にいくら感謝の言葉を言っても足りない。
そして
静けさだけが埋め尽くされている自室から裁縫鋏で最後の糸を切る音が通り過ぎる。
「…できた…」
息を吐くと同時に俺の体は無条件に机にへばり込む。
なんとか、なんとか間に合った。
時刻は正確に言えば土曜日の午前2時。
色んな人の応援を貰ってついに完成した。
手にもつそれは傷ついた兵士のような姿ではない。
五体満足のほぼ元通りになった熊の人形の姿だ。
どうしても劣化している縫い後だが、オリジナルには元から勝てるはずはない。
コピーはコピーなりに頑張ったつもりだ。
少なくとも、パッと見では別の人間が縫ったかだなんてわからない。
これで明日はバッチリだ。
今日はもう疲れたから早く寝よう。
―…それが、今までの自分だったら。
というわけで終了です。
次の日がラストです。
ついにこの話もハッピーエンドになるのでしょうか。それとも。
それでは最後まで読んでくださり、ありがとうございました。