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物語る。  作者: 桃巴


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13/23

物語る。13

「第四師団は、第二師団の要望を叶えるため、第一師団新入りの第四師団入りを求めます!」

「何!?」


ルキオが反応する。


「これが全てにおいて一番良い解決策だと思います。ルキオ師団長は一人活動に戻れ、第四師団で新入りが新領域での素材採集をすることで、第二師団の要望に応えられますから」


第四師団の副師団長がニヤリと笑った。


その時、ルキオと第三師団長がピクッと反応する。異変を感じたのだ。

と同時に、


「失礼します! 第一師団塔から異常な魔石爆発を感知しました!」


第三師団員が報告に入った。

第三師団長が立ち上がる。


「ご安心を。第四師団長自ら新入りを迎えに行っているだけですから。そちらが好き勝手動いたように、こちらも好きに行動したまでです」


第四師団の副師団長が澄ました顔で言った。

それが、第四師団長がこの会議にいなかった理由だと、皆が察する。


「第二師団に補充する魔石はないのに、第一師団塔を爆発する魔石はあるのだな、第四師団は。恐れ入った」


ルキオがとんでもない魔力を放出させながら言った。

一瞬にして、第四師団の副師団長の顔が青ざめる。ルキオの魔力は第四師団の副師団長にだけ覆っていたからだ。完全に動きを止めていた。


第三師団長がルキオのその拘束に頷く。正当と判断したのだ。それこそ、城内を担う第三師団に、魔石爆発を事前に申告しなかったのだから。

第二師団と違い、第四師団の行いは規定違反である。

第三師団員がそのまま第四師団の副師団長を取り囲んだ。


「出動する!」


第三師団長が宣言し、続けて、各師団長に目配せする。


「全員、第一師団塔へ転移ください」と。






各師団長と第三師団員が、第一師団塔に転移した。


第一師団塔の出入口は魔石爆発されて粉々になっている。


そこから、第四師団長と団員が出てきた。


「皆さん、お早い集まりですね」


第四師団長がこうなることをわかっていたと言わんばかりに、余裕さを見せつけている。


「彼女は、第四師団入りを希望していてね。迎えに来た次第」


第四師団長の横には手枷をされたリリアナがいた。


「いくら、ルキオ師団長といえど、この様に匿ってはいけませんよ」


そう言って、リリアナの手枷を外した。ルキオがリリアナに手枷して、第一師団塔に監禁していたと思わせる演出といったところか。


「君は第四師団を希望するよね?」


第四師団長がリリアナの頭を優しく撫でる。


「はい〜」


やけに高音の返事だった。


「第三師団長、こういう事情で魔石爆発されたのです。彼女が監禁されていたのでね」


第三師団長はそれには応じず、ルキオと視線を交わした。


「そんなモノが欲しいなら、くれてやる」


ルキオは鼻で笑った。


「強がりですかなあぁ?」


第四師団長が語尾を伸ばした嫌な口調で言った。


「この事案も魔術師会議にかけます。どのような背景があれ、城内での魔石爆発は規定違反ですから」


第三師団長が厳しい声で言った。


「さて、全師団長が揃いましたので、リリアナさんの実力を見ていただきましょう」


第三師団長がルキオに目配せする。

阿吽の呼吸で二人は口にした。


「『真贋開眼』」

「『無効化発動』」


一瞬にして、リリアナは『箒&オルゴール』に姿を変えた。いや、姿が戻った。


「あー、やっぱり箒だったか」


一番に反応したのは、カイトである。


「なっ!?」


第四師団長が驚きの声を上げた。

いや、他の者も目を丸くしている。


「だから、そんなモノくれてやる、と言ったんだ。確かにその箒とオルゴールは、地下室に押し込めて監禁していた代物だ、第四師団長の言い分に間違いはない」


ルキオはフンッと笑った。

第四師団長がプルプルと怒りで体を震わせる。


「変わり身の魔法ですな、今や失った魔法にも数えられる。これはこれは……確かにルキオ師団長にも匹敵する魔法使いのようですぞ」


第十師団長が楽しげに口にした。


「はい。リリアナさんは、第一師団レベルということです。皆さん、おわかりいただけたことでしょう」


第三師団長が言った。

各師団長が大いに納得する。


「して、本物は何処に?」


第十師団長が首を傾げた。


「……だね。第二に追いかけ回され、第九に監禁され、第四に狙われたわけだし、リリアナ君はクランツに良い印象を持っていないだろうね。どこに隠れたのかな」


カイトが悩ましげに言った。


「大丈夫だ。居場所はわかっている。本人に会いたいなら、一緒に来るがいい」


ルキオは第四師団長の肩を掴んだ。


「ただし、自分の身は自分で守れ。私に助けを求むなよ」

「上等だ!」


ルキオに煽られた第四師団長が大声で返した。


「行き先は『魔力溜まり』。新領域だ」


ルキオは告げた。


「ちょうどいい。第四師団が採集場を押さえてやる」

「兄上、危険ですよ!」


カイトが慌てて止める。

第二師団でさえ、膝を崩した場なのだ。


「うるさい! 黙ってろ!!」


完全に頭に血が上っている。


「第四師団出動だ!」


第四師団の処遇は、その出動後にすると決まった。


ルキオは大きな魔法陣を展開させる。


「拠点に転移する。入ればいい」


さて、どうなることやら。






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