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慣れぬ戦闘

 悪魔の声とともに受け取った弓に、次の矢を番える。

 塔への攻撃を阻止したのはいいものの、相手は依然、ピンピンしている。


 さすがに一撃で仕留められはしないか。

 再び狙いを定めて、射る。

 だが、こちらの様子をうかがっている鳥には、簡単によけられてしまう。


 「真正面から撃ってもだめか・・・!」


 あちらも攻撃態勢を整え、今度は大きな翼を強く羽ばたかせて、つむじ風を巻き起こす。


 「くっ!」


 どこかにつかまらないと・・・飛ばされてしまう!


 「咲也くん!」


 強風に耐えるため、両足を踏ん張っていると、駆け寄ってきてくれた玄花さんに腕をつかまれる。


 「近くにいてね!水守すいしゅ 亀陣武装きじんぶそう!」


 爪を地に突き刺すと、あたりから水が噴き出し、二人を包むように薄い膜となり広がっていく。

 水の盾はそのまま、風自体も、暴風で飛んでくる木材も受け止める。


 すごい、これが陰陽頭の力・・・!

 やがて吹きすさぶ風が止んだことを確認すると、爪を抜き、術を解除する。


 「ありがとうございます、助かりました」

 「守りの方が得意だからね。それはこっちのセリフだよ!魔人兵装が覚醒したんだね」


 咲也の携えた弓を見て、嬉しそうにする玄花。


 やはり、これが魔人兵装なのか。

 戦う力を受け取れたことへのうれしさはある。ただ、気がかりなこともある。

 あの声は何だったのか。代償とはなんなのか。

 考え始めればキリがない。

 だが、事態は急を要している。こいつと対峙している今も、ほかの場所では騒動が起きているんだ。

 早く討伐しなければ・・・!


 再度、矢を番える。


 「玄花さん!」

 「わかってる。同時に攻めるよ!」


 相手の巻き起こしてくる風を、華麗に避けて、急接近していく玄花。

 こちらもボーっとはしていられない。

 攻撃を回避しつつ、狙いを定める。


 「水撃 玄亀壱爪!」

 「いけ!」


 玄花の攻撃準備に合わせて、咲也も力強く弦を引く。

 そして、同時に攻撃を加える。

 だが、直前まで当たる軌道で飛んでいた矢は直前で避けられ、水をまとった爪もわずかに掠ったのみだ。

 当たらない・・・。空中での機動力が高すぎる!。


 「同時に攻撃するだけじゃ当たらないか!」

 「お互いに意識して、どちらかの攻撃が当たるように、相手の退路を断つこと優先で攻撃しよう!」

 「わかりました!」


 今度は、引き絞った矢を玄花さんの攻撃と逆サイドに撃ち込んでいく。

 しかし、空を飛んでいる以上、自由に動けるため、退路が無数にあり、何度試しても逃げ道を潰しきれない。

 どうすればいい・・・?

 攻撃をするために、空中へと飛びあがる必要がある玄花の戦い方は、運動量がすさまじく、すでに疲労が顔に浮かんでいた。

 咲也もそれに気付いてはいたが、いい案が思いつかない。

 運動量が少しでも減るよう、手あたり次第矢を撃ちこむことしかできなかった。

 このままだと、こちらが先に息切れする・・・!


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