表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜から卒業したんだから異世界で自由を謳歌します  作者: 灰谷 An
第2章・モフモフで可愛いケモノっ子
49/202

047:新たな問題

 ルクマリネ王国と《ツァリーヌ王国》の国境に、クロスロード連盟軍の123番支部が置かれている。



「マレーボ大佐、失礼致します!! マレーボ大佐の耳に、入れておいた方が良い事がありまして………」


「なんだ? 上層部が、俺に何かを指示して来たのか?」


「いえっ!! 海賊《ジャック=ラムズ》が所持していた、聖剣を乗せた船が銀翼の夜明け団に襲われました!!」


「なんだと!? 聖剣は聖人様のところまで運ぶブツだろが……しかもジョズエ中佐が指揮官だったよな?」



 この123番支部の最高責任者は、この《ライラック=マレーボ》大佐である。

 マレーボ大佐の耳に、ジョズエ中佐が護衛している船が襲われた事が入る。



「それで船は、どうなったんだ!! アレが銀翼の夜明け団に、奪われなってなると聖人様たちが黙っちゃいないぞ!!」


「それが襲撃を受けた船は、完全に沈没し生存者は居ないとの事です………聖剣も奪われた模様」


「さ 最悪の結果じゃないか……中佐クラスの人間が死に、聖人様から求められていた聖剣が、銀翼の夜明け団に奪われるなんて」



 起こりうる中で最悪の事態だとマレーボは、腰が抜けてイスにドサッと座り込む。

 そして頭を抱えて、これからの事を死に物狂いで考える。



「急いで捜索隊を結成し、あの銀翼の夜明け団を追うんだ!! そして聖剣を何としても奪い返せ!!」


「はっ!!」



 このまま奪われたままではいけないと判断して、マレーボは全身全霊をかけて銀翼の夜明け団の捜索を行う様に命令した。

 しかし奪い返したとしてもクロスロード連盟軍の船を、銀翼の夜明け団が襲った事は世界的な大ニュースである。




* * *




 俺の高威力魔法によって苦戦を強いられながらも、Sランクのゴブリンロードを仕留める事に成功した。

 俺は疲れたからと溜息を吐いて、ひと段落をつけてから木の上で見ていたバラドンカンパニーのシャドーを見る。



「よし、次はテメェだぞ?」


「な なにっ!? アレだけ優勢だった、ゴブリンロードを魔法1発で倒しやがった………ちっ。面倒な事になりながったぜ」


「逃げるのか? 俺とタイマンでやろうや」


「命を捨てるよりもプライドを捨てた方がマシだ!!」



 俺の眼光に負けたのか。

 シャドーは影魔法で影の中に入ると、俺との戦闘を避けて逃亡していったのである。

 まぁ今の仕事はカロニ村からゴブリンたちを排除する事で、あの男を倒す事ではない。



「俺も他のゴブリンを倒しますかね………って思ったけど、そんな必要は無かったか」



 俺もゴブリンの残党狩りをしようと振り返ると、カエデちゃんたちが残党狩りを終了させていた。

 このカロニ村からゴブリンたちは一掃された。



「ご ゴブリンたちに勝ったぞぉ!!」


『うぉおおおおお!!!!!』



 ゴブリンが居なくなった瞬間に、獣人の兵士たちは涙を流しながら喜んでいた。

 シュナちゃんは冷静な感じで喜んでいたが、カエデちゃんは顔をクシャクシャにしながら喜んでいる。

 それを俺、エッタさん、イローナちゃんは良かったという眼差しで見つめているのである。



「ボーッとはしてられないな!! 直ぐに怪我人を治療しないと手遅れになるぞ!!」



 俺は少し待ってから全員に怪我人の手当てをしなければと、促して直ぐに行動させるのである。

 そしてゴブリンを討伐した日に、村を復権する為、村人は村に帰ってきた。

 ゴブリンロードを倒した立役者として、俺たちは村長の家に呼ばれる。



「この度は、村の危機を救っていただきありがとうございますわん」


「いえいえ。カエデちゃんとシュナちゃんの故郷を助けたいと、俺が思って勝手になった事なので」



 犬人族のだいぶ高齢な村長さんは、涙を流しながら俺の手を掴んで感謝を伝えてくれた。



「本当に、ミナトさんは強いんだわん!!」


「カエデちゃん、そんなに褒めないでよぉ」


「この感謝は、どれだけ伝えても伝えきれないわん!!」



 カエデちゃんはピョンピョンッと飛び跳ねながら喜んでいる。

 この光景を見ただけでも俺は、この村を助けて良かったと思えている。



「この村には、もう村人たちは帰って来ているのか?」


「もちろんだわん。村人は近くの村に避難していたが、もう帰って復興を行なっているだわん」


「それならシュナちゃんと、カエデちゃんは ご両親に顔を見せて来なよ。とても心配していると思うからさ」


「良いんですかわん?」


「良いに決まってるだろう。ご両親は絶対に心配しているから、顔を見せて安心させてあげな」


「お言葉に甘えるにゃ……」



 俺はカエデちゃんとシュナちゃんの2人に、家に帰って両親に顔を見せて来なよと提案する。

 パァッと2人の顔は明るくなって、俺に頭を下げてから2人は村長の家を後にするのである。



「エッタさんとイローナちゃんも、ご両親に会いたくなったんじゃないのかい?」


「そうですね。少し見たくなりましたが、冒険心っていうのも芽生えて来ましたよ」


「私は別に、昔から親離れしているので………」


「意外にも2人ともドライなんだね」



 俺はエッタさんの腕を肘で小突いて、両親に会いたいんじゃ無いかというと照れながら話した。

 イローナちゃんは親離れしているからとドライな対応を見せ、俺はクールなんだと思った。

 俺たちが、そんな会話をしている時に、カエデちゃんたちは走って実家に戻るのである。



「お母さん、お父さんっ!! あれ? 2人とも、まだ帰って来て無いのかなわん………」



 カエデちゃんが家の扉を勢いよく開けて中に入ると、そこにはシーンッとした風景が広がって誰もいない。

 まだ出かけているのかとカエデちゃんは思って、両親が働いている店に行こうと家の外に出ると、そこには隣に住んでいるオバチャンが立っていた。



「か カエデちゃん………カエデちゃんが帰って来たって聞いたから、話さなきゃと思って来たんだぴょん」


「話さなきゃいけない事かわん? なんだろうわん………」


「カエデちゃんの御両親は、バラドンカンパニーの人間に奴隷として連れて行かれたの………」


「えっ……そ それは本当ですかわん!?」



 オバチャンは言いづらそうにモジモジしながらも、カエデちゃんの両親がバラドンカンパニーに奴隷として連れて行かれな事を話した。

 それを聞いて頭の思考回路が止まってしまって、少し黙ってから本当なのかと驚くと、オバチャンは首を縦に ゆっくりと振って事実である事を確認する。



「ぶ 無事ではあるのかわん!?」


「それは分からないぴょん……御両親が、バラドンカンパニーの人たちに抵抗したら連れて行かれてしまったんだぴょん」



 バラドンカンパニーはゴブリンロードを村に話すだけではなくて、獣人を奴隷として連れていくのも作戦のうちだった。



「これはミナトさんに話さないといけないわん!!」



 カエデちゃんは俺に話さなければいけないと、家を出てから村長の家までダッシュで向かうのである。

 その時、俺は村長の家で食事をとっていたので、突然扉が開いてゼェゼェと息を切らせたカエデちゃんが来て驚く。



「ど どうかしたのかい? そんなに慌てて………」


「お母さんと、お父さんがバラドンカンパニーの人たちに奴隷として連れてかれたって!!」


「なんだと!? カエデちゃんの両親を………」



 俺は食べていたものを吹き出して、両親が連れて行かれた事に驚いたのである。

ご愛読ありがとうございます!!

宜しければ、感想や御意見をいただければ幸いです!!



こちらのTwitterの、フォローもよろしくお願いします。

https://mobile.twitter.com/yusaki_noa

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] カエデちゃんとシュナちゃんの故郷をようやく救えたと思ったのに……カエデちゃんのご両親が心配だーっ(; ゜Д゜)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ