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社畜から卒業したんだから異世界で自由を謳歌します  作者: 灰谷 An
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
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183:王都の惨劇

 俺たちは街を出発して王都に向けて出発する。砦攻略の失敗を受けて、俺は少し凹んでいるがローズちゃんの心臓を取り戻す為に無理にでも切り替える。そして何よりも馬車に酔って横になる。



「今日中には王都に到着するかな? それとも夜になる前に、着かないなら野営した方が良いかな?」


「そうでござるなぁ。聞いた話と地図によれば、夜には到着する見込みでござるな」


「それなら別に野営しなくても良いか」



 俺は夜になっての移動は危険だと思って、夜に到着しないのならば今のうちから野営した方が良いと思って、ルイちゃんに聞いたところ夜には着くと言った。それなら野営しなくても良いかと止まらずに進む事した。

 俺は寝ながら王都に向かうと、確かに日が落ち始めている時に王都へと到着した。しかし到着したのは良いがある異変を感じるのである。



「まぁ100歩譲って夜だからって言っても、王都にしては静か過ぎないか………」


「確かに人がいる気配が無いでござるな」


「でも血の香りがするぞ?」


「調べてみた方が良いと思う………」



 俺たちが感じた異変とは、王都だというのに人の気配もしないで静か過ぎる。どうなっているのかと思っていると、ローズちゃんは鼻をクンクンッと空気中の嗅いでみると血の匂いがするという。どうして血の匂いがするのかとイローナちゃんは、調べた方が良いのでは無いかと言ったので調べてみる事にした。



「こ これはどういう事だよ………王都で一体何があったんだよ」


「こんなに血が撒かれてたら、そりゃあ妾の鼻に引っかかるわけじゃ」



 俺たちが王都の中に入ると市民と思われる死体が、そこら中に転がっていた。ローズちゃんではなくても血の匂いが鼻の奥に刺さる感じがした。

 もっと詳しく調べてみると、俺たちがくる前に市民たちが何者かによって虐殺されたのだと見当がつく。王都が、これなら王城はどうなっているのかと、俺たちは小走りで王城の中に入る。



「やっぱり王城の中の人たちも、1人残らず殺されてるみたいだね」


「ん? この匂いは………こっちからする!!」


「ローズちゃん!? 一体どこにいくの!!」



 王城の中の人間たちも例外なく殺されていた。殺されたにしたって、こんな事ができるのは現在の俺たちには1つの組織しか思い浮かばない。

 そんな事を思っているとローズちゃんは、何らかの匂いを嗅ぎつけて走り出すのである。いきなりのダッシュだったので、どうしたのかと思って俺たちも追いかけると王の間に行き着いた。

 やっとローズちゃんに追いついたと思ったら、ローズちゃんは何かに威嚇するように唸っている。向こうに誰かいるのかと見てみると王座に座っている仮面を被った男がいたのである。



「ローズちゃん、アイツは一体誰なんだ………」


「アレがブギーマンじゃ!! 妾の嫌いな匂いをプンプンッとさせておるわ!!」


「アレがブギーマン!? ギルド・ボガードのボス。こんなところで会えるなんてな!!」



 俺は目の前にいる男がブギーマンだと聞いて、片足を後ろに下げてグッと構える。そりゃあローズちゃんは、ブギーマンの匂いがしたら走り出すわけだ。

 俺たちが構えているところに、ブギーマンはスッと立ち上がって俺たちに向けて拍手をしてきた。どうして俺たちに拍手しているのかと困惑していると、ブギーマンは口を開いて喋り出す。



「まさか四本刀を倒すなんて思わなかったぞ。それだけでも賞賛に値する………しかし我々は、冒険者風情に舐められる程、人ができているわけじゃ無いんでね」


「俺も深傷を負いながら、お前の情報を集めていたところだったんだ。そっちから顔を出してくれたのなら、探す手間が省けて良かったぞ」



 ブギーマンは四本刀を倒した事は賞賛に値するが、冒険者なんかに舐められるわけがいかないのなという。それに言い返すように、俺は自分たちも無傷で勝ったわけじゃ無いし、この傷を負ったのもブギーマンを探しているところだったからだ。ならば、目の前にいるブギーマンを倒せばローズちゃんの心臓を取り戻せる。



「お前から絶対に心臓を取り返してやるからな」


「心臓? そうか。どこかで、そっちのチビを見た事があると思ったけど………あぁヴァンパイア族の女か」


「覚えておるなら話は早いのぉ!!」



 ブギーマンは少し考える動作をしてから、ローズちゃんの顔をジーッと見る。それによって自分たちが、ヴァンパイア族のガキかと思い出した。

 ブギーマンが思い出した瞬間に、ローズちゃんは覚えているなら話が早いと飛び出した。ブギーマンに向かって襲い出したのである。飛び出した時に、自分の血から剣を作って斬りかかった。



「馬鹿みたいに真っ正面から、襲いかかる奴が怖いわけが無いだろう!!」


「なっ!? ローズちゃんの攻撃を簡単に避けた」



 ローズちゃんが真っ正面から、斬りかかったとはいえどもそう簡単に避けられるはずは無い。しかしブギーマンはローズちゃんの攻撃を避けると、マーシャルアーツの鉄拳を使ってローズちゃんを殴り飛ばした。

 俺は吹き飛んできたローズちゃんのところに、駆け寄って無事かと確認しにいくと、腹にはブギーマンの拳の跡が残るくらいの威力を喰らったのだと分かる。しかし目の前に仇がいる為に、負けるわけにはいかないと根性でローズちゃんは立ち上がる。



「俺たちにもローズちゃんの手伝いをさせて!! 俺たちもローズちゃんの心臓を取り戻す為に、全力でブギーマンと戦うから!!」


「お主ら……」


「悪を倒してこそ侍でござる!!」



 ルイちゃんもブギーマンを倒してこそ侍だと言って、居合の抜刀術で斬りかかっていくのである。ブギーマンは攻撃を見切ってローズちゃんの時のように、避けてからカウンターの攻撃を入れてやると構えている。

 しかしルイちゃんは、ブギーマンとの間合いに入った瞬間に、さらに加速してブギーマンの胸を切り裂いた。俺は最も簡単にブギーマンに傷をつけたので、ルイちゃんは凄いとボソッと溢れるくらいに思った。



「確かに刀の扱い方や身体能力は高い方だろうな………それだけじゃあ戦いってのは有利に運ばないんだよ」


「な なに!? ルイちゃんの攻撃を受けて、普通に立っていられるのか………」


「オリジナルスキルや魔法は使い方を間違えれば、それはただの不細工な攻撃になる!! オリジナルスキルの使い方を教えてやるよ!!」


・オリジナルスキル『体熱向上(オーバーヒート)



 ローズちゃんの攻撃を受けてもブギーマンは倒れるどころか、ピンピンして攻撃にケチをつけてきた。俺は威力を知っているので、攻撃を受けながらも仁王立ちしている事に驚きを覚えるのである。

 そして自分が手本を見せてやると言わんばかりに、ブギーマンは瞬間移動したかのように、ルイちゃんに近寄るとブギーマンのオリジナルスキル『オーバーヒート』を使った。オーバーヒートは体の熱を自在に操り、温度を上げる事で発火させる事も可能だ。

 そのオリジナルスキルを使って、距離を詰めたところで鉄拳とオーバーヒートを合わせた技でルイちゃんを、俺たちのところに殴り飛ばした。

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