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社畜から卒業したんだから異世界で自由を謳歌します  作者: 灰谷 An
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
146/202

141:格上

 俺が街を破壊した張本人たちの気を引きつけている隙に、イローナちゃんたちが街の人たちの生存確認を行ないに向かったのである。しかし街に近づけば、そこら中に瓦礫の下敷きになって亡くなった遺体があった。



「これは酷いでござるな………」


「これじゃあ全滅しててもおかしくない………」


「じゃあ、あのエルフたちもタダじゃ済んでないん可能性もあるんじゃろか?」


「無傷は難しいと思うでござるな」



 あまりにも悲惨な光景が広がっている為、この街の人たちが全滅していてもおかしくはない。そしてエッタさんたちだろうと、こんなにも多くの被害が出ているという事はタダでは済んでいないだろうと思う。

 それでも生きている人がいるかもしれないと、瓦礫を退かしながら捜索をしていると、ローズちゃんがある存在に気がついて2人に声をかける。



「2人とも!! 異様なオーラを感じる………これは中々に面倒なオーラじゃろ」


「確かに……」


「ちょっとマズいでござるな!!」



 それを聞かされた2人も周りに気を回してみると、確かに体がゾッとするようなオーラを感じた。



「何か楽しそうな感じがしたから来てみたら、ただの女が3匹いるだけじゃねぇか」



 そこに現れたのは自分の身長くらいある大太刀を持った、ガタイの良い高身長の男だった。見た目もゴリラみたいだし、髪の毛もドレッドにしている為か、イカつく見えてしまっているのである。

 本人が現れた事でヤバい奴だと悟って、3人はグッと体に力を入れて直ぐに動けるようにしている。本当ならば戦闘を避けたいが、ここで食い止めなければ、被害を受けた人たちの救出にも邪魔をされてしまうだろう。



「お主は何者でござる!!」


「何者と言われてもなぁ。お前たちみたいな奴らに言われる筋合いはねぇが………まぁ名乗ってやっても良いかもしれねぇか」



 ルイちゃんが男に刀を向けながら、お前は誰なのかと聞くと男は頭をポリポリと掻きながら面倒だという。しかし自分を誇示したい性格をしている為か、面倒だが名乗っても良いかもしれないと大太刀を下ろす。



「俺様はギルド・ボガードの《オフグッギ》様だ!!」



 大男の名前は《オフグッギ》というみたいだ。

 オフグッギは名乗りを上げてから、大太刀を構えてルイちゃんに斬りかかる。それを刀で受け止めるが、ズズズッと地面を擦るようにして押されている。



「おぉまさか刀程度の武器で、俺様の大太刀を受け止められるとはな!!」


「ギリギリでござる!!」


「3対1で大太刀とは、大馬鹿者じゃな!!」



 オフグッギは、まさか大太刀の攻撃を刀で受け止められるとは思っていなかったみたいだ。素直にルイちゃんを褒めるが、当の本人は保つのが限界である。

 そこにローズちゃんは血で剣を作って、オフグッギに向かって斬りかかる。大人数戦で、小回りの効かない大太刀は弱いと踏んでいるみたいだ。



「血を剣にするとは面白いが、それじゃあ俺様の大太刀には叶わない!!」


「わぁ!?」



 普通の剣を扱うようにオフグッギは、大太刀をローズちゃんに振るうのである。血の剣と衝突した瞬間、剣が破壊されたのとローズちゃんが吹き飛んでいく。

 あまりにも2人を圧倒している為に、イローナちゃんは近づけずにジリジリッと様子を見るしかない。



「これは想定していたよりかは、手強そうで面白いじゃないか!!」


「イローナ殿は、無理に距離を詰めない方が良いでござるよ!!」



 イローナちゃんは素手による近接戦闘なので、距離を潰さない方が良いとルイちゃんはいう。しかし自分だけが逃げるわけにはいかないと、イローナちゃんはオフグッギとの雰囲気を見ている。

 そしてルイちゃんは、オフグッギに向かって走り出すと隙を作らないように最小限の動作で刀を振るう。オフグッギとの大太刀が鍔迫り合いになると、バチッと火花が散るのである。



「中々に反骨心がある女だっ!!」


「お前さんも中々でござる!!」


「妾を忘れるでない!!」


――血染めの拳(ステインド・ナックル)――



 ルイちゃんとオフグッギが鍔迫り合いをしているところに、ローズちゃんが血をメリケンサックのようにして殴りかかりに行った。オフグッギはルイちゃんの腹を蹴っていなすと、ローズちゃんの拳を大太刀の腹で簡単に受け止めた。



「女にしては異様なまでのパンチ力だっ!! もしや人間では無いのかな!!」


「そうじゃ!! 妾はヴァンパイアだからのぉ!!」


「そりゃあ、珍しい相手と戦えるモノだ!! もっともっと全力で殺しに来い!!」



 ミナトファミリーの中でも武闘派のメンバーと、戦っているはずなのにオフグッギは余裕が見える。



「私を忘れないで………」


――豪雷の鉄鎚クラックダウン・サンダー――


「おっと!! 何かあると思ったが、珍しい雷魔法を使う人間とやり合えるとはな」


「こっちはやり合いたくは無い………」



 イローナちゃんは様子を見てから、オフグッギに対して雷を落とす魔法を使った。だが、直ぐに異変を察知されて避けられてしまう。

 やはり戦闘狂なのだろうか。イローナちゃんが雷魔法の使い手だと分かった瞬間に、オフグッギは剣を振り回して子供のように楽しんでいる。イローナちゃん的には面倒なオフグッギとはやり合いたく無いらしい。



「さてと役者は揃ったってところか? 龍人族の侍に、ヴァンパイアの幼女、雷使いの人間………こりゃあバラエティ豊かだな!!」


「来るでござる!! 拙者が受けるので、お二方は合わせてもらえれば良いでござる!!」


「了解した……」


「指図は受けたく無いんじゃが………まぁ今回は仕方あるまいな!!」



 全員が戦闘の場に降りたところで、オフグッギは剣を構え直して本当の戦闘がスタートする。ローズちゃんが近接を担当し、ルイちゃんが中距離を担当し、イローナちゃんが遠距離を担当する事になる。

 ローズちゃんが懐に飛び込むと、メリケンサックでブンブンッと振って攻撃する。だが、オフグッギは重たい大太刀を持っているにも関わらず、身軽な感じでメリケンサックを避けるのである。



「おっとっと。中々良い攻撃………危なっ!?」


「ちっ。今のは完全に討ち取ったと思ったのに………今のを見切るでござるか」



 オフグッギは避け切ると後ろにジャンプして完全に距離を取る。少し気が緩んだ瞬間に、ルイちゃんが距離を潰して斬りかかった。しかし大太刀を斜めにして、ルイちゃんの剣を受け流した。

 突然に斬りかかられたにも関わらず、オフグッギは落ち着いて対処したので、相当な戦闘経験が培わられているのでは無いかと察せられる。



「距離を取っても無駄………」


――豪雷の鉄鎚クラックダウン・サンダー――


「その攻撃も厄介だな!! 3人のパーティで、それなりに良い感じじゃないか………そういった側から、攻撃してくるなんて血の気が多いなぁ」



 ほんの少し休もうかと、オフグッギは大太刀を肩に乗せるのであるが、それを見た瞬間にローズちゃんが距離を潰して腕を振りまくる。しかし見切られている為、腕を掴まれて腹を蹴り飛ばされるのである。

 イローナちゃんと、ルイちゃんが自然と視線をローズちゃんの方に向ける。その隙にオフグッギは、イローナちゃんとルイちゃんも殴り飛ばした。

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