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社畜から卒業したんだから異世界で自由を謳歌します  作者: 灰谷 An
第4章・ロリっ子な吸血鬼の女の子
132/202

127:新たな門出

 俺たちは1人も欠ける事なく、フロマージュ王国を出発して、さらに危険なノースカリクッパ王国を目指す。

 どうやら世界連盟の非加盟国で、何があっても自己責任らしいから少しの緊張感がある。まぁ俺からしたら、緊張感なんて人生を楽しむスパイスにはかわりない。



「あれ? そういえばイローナちゃん、フロマージュ王国城の地下にあった古代文字は、何て書かれてたの?」


「ボロボロで読めないところも多かったけど、それでも凄い情報が書いてあった」


「イローナちゃんがいう凄い情報って、どれだけ凄い情報なんだろう………」



 俺は馬車の中で時間を持て余している。気分が優れなくなる前に、イローナちゃんから古代文字は何を書かれていたのかと聞いたのである。

 するとイローナちゃんは悪そうなフッフッフッという笑いをしている。イローナちゃんが、そんな笑い方と凄い情報というのだから相当なモノなのだろうかと、俺は固唾を飲んでイローナちゃんの話を聞く。



「この世界には《古代兵器エインシェント・ウェポン》が3つあるらしい」


「古代兵器だって? その古代兵器ってのは、そんなに凄いモノなの? 昔の廃れた技術って奴じゃないの?」


「その逆だよ。昔の素晴らしい技術が、この現代に廃れてなくなった………つまりは、この世界を崩壊させるだけの力があるわけ」


「そんな凄い兵器が3つもあるのか!?」



 驚きだ。この世界を崩壊させるだけの兵器が、3つもあるなんて信じられない情報だ。それだから世界には、伏せられて古代文字のみになっているのだろう。



「その場所について書かれてる文章に関しては、壊れてて分からなかったけどね………」


「それだけの情報が書かれてるだけ凄いよ!! それを読めるイローナちゃんも凄いしね」



 俺はイローナちゃんの古代文字が読めるというのは、この世界にとって財産だなと感じた。

 そんな話を俺たちがしていると、シュナちゃんとカエデちゃんは互いにブラッシングしている。そしてエッタさんとルイちゃんで、このミナトファミリーでの資産運用に関して話し合っているのである。



「かなり稼いではいるから、お金が底をつく事は無いだろうけど………人数が増えてきているから、それなりに使い方を考えないと減っていくばっかりだね」


「そうでござるな。将来、何があるかは分からないから考えないとダメでござるな」


「王国の貴族くらいのお金は持ってるし、何処かに土地を買うってのも良いかもしれないよねぇ」


「ミナト様っ!! 確かにいずれは、土地を買うのも悪くありませんね」



 俺は横でエッタさんたちの話を聞いていたので、何処かの国で土地を買うのは良いんじゃないかと提案した。するとエッタさんは少し驚いてから、いずれは買っても良いかもしれないと言ってくれたのである。

 そんなこんなで出発してから、1日が経過して俺たちはフロマージュ王国とノースカリクッパ王国の国境に到着していた。いつも通りに俺は、馬車酔いをしてグッタリしてしまっている。



「ミナト様。ここからノースカリクッパ王国ですが、覚悟は大丈夫でしょうか?」


「あ? あぁ問題ない……」



 俺は気分が悪いままノースカリクッパ王国に入国する事になった。確かに内戦が続いているだけあって、フロマージュ王国から出た瞬間に分かるくらい土壌からして終わっているのである。



「そういえば、どうしてノースカリクッパ王国は非加盟国なんだ? 世界連盟に加盟すれば幸せって事は無いだろうけど、少しはマシになる気がするんだけど」


「ノースカリクッパ王国は、元々大大陸にある《フォルニア王国》の植民地でした。しかし隣国の同じく非加盟国である《トゥンシム王国》とフォルニア王国が戦争をしているうちに、独立したって感じですかね」


「元々植民地だったのか。世界連盟に加盟していたフォルニア王国がいるから非加盟国になったって解釈で合ってるのかな?」



 どうやらノースカリクッパ王国ができたのには、元々が植民地にされていた国らしく、支配していたフォルニア王国と隣国のトゥンシム王国が戦争しているうちに独立したらしい。

 俺の解釈としては世界連盟に加盟しているフォルニア王国から独立したから、ノースカリクッパ王国的には世界連盟に加盟した際にギスギスするからではないかと勝手に想像している。



「それもありますが、最も大きな理由としては国王が独裁者だからというのが大きいと思います」


「独裁者かぁ……」



 やっぱり異世界でも独裁者っているんだなぁ。まぁ国がたくさんあるのなら1つくらいは独裁者がいるのは分かるけど、独裁者がいるから国内で内乱が続くんだな。



「世界連盟に加盟したら、通貨も統一して国民から取っていい税金も決められているんですよ。だからノースカリクッパ王国の国王は、税金を多く取りたいからと世界連盟に加盟していないんです」


「そんな理由だけで世界連盟に加盟しないなんて、さすがは独裁者って感じがするけど………国民からしたらたまったもんじゃないよなぁ」


「70年前にノースカリクッパ王国ができてから、約30年間も内乱が続いているんです」



 国が成立してから半分も内乱状態で、よくも国が続いているんだなと不思議になるくらいだ。前世では独裁者ってのは、いずれも破滅してるイメージがあるけど、この国は意外にも長らく続いているなぁ。

 そんな国に入っても良いのかと疑問に思い始めていると、ノースカリクッパ王国に入国してから初めての街が見えてきたが何やら町の建物が燃えているのが見えた。



「あれって火事になってないか!? しかも相当燃え広がってるぞ!!」


「そうですね!! 少し急いで行って助けた方が良いかもしれません!!」



 俺たちは街の火を消す為に、馬車のスピードを上げて街に向かうのである。街に近づくにつれて、街の人たちの叫び声が聞こえてきて悲惨さが伝わる。



「俺とエッタさんとシュナちゃんで火を消すから、カエデちゃんとイローナちゃんとルイちゃんは街の人たちの避難誘導を!!」


『了解!!』



 俺たちは急いで馬車から降りると、火事を消す班と人を避難させる班に分かれて行動を起こす。遠くから見ていたイメージとは、かなり違うくらい火事で悲惨な事になっていたのである。



「どうなってるんだ……ただの火事ってもんじゃないよな。人為的に火を放たれたって感じか」


「ミナト殿っ!! 避難民の話によると、国印が掘られた鎧を着た人間たちが立ち去っていくのを見たと言っていたでござる!!」


「なんだって!! という事は、国王軍が市民に対して火を放ったって事かよ………国民に対して、国王は何をしてんだ!!」



 ルイちゃんからの話では国王軍の騎士が、立ち去っていくのを確認したという情報を貰った。という事は国王が指示を出して、国民たちの住む街に火を放ったという結論が出るが、あまりにも酷い行為である。

 気になる事は多くあるが火を消すのを最優先だと考えて、俺たちは自分の持てる魔法などで火を消したり市民を避難させたりと必死になって行動をしていた。

ご愛読ありがとうございます!!

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