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第66話 次の標的はお前だ! 狙われたメリクリ(2)

 

 ゲールは海から上がり、メリクリへと再び近づいていく。

 メリクリも今の攻撃を避けて反撃出来たものの、あれが全力なのかは未だ分からず、まだ様子見の範囲で距離を置く。そして軽く挑発気味に言う。


「次の芸は何かな?もっと面白いのならいいんだけどね」

「キキキ……見てろよ、オラのワザを……」


 体から緑色のおどろおどろしいオーラを噴出して、細く長い舌を巻きながら、その場から消えた。

 メリクリは再び敵の位置を特定しようと、いつでも動けるように身体の意識を集中した。左手を再び凍らせて、カウンターの体勢に構えた。

 突如、ゲールが背後から滑り込むように、メリクリの足の付け根を掴み、バランスを崩した。


「へぁ!!」

「くっ!」


 バランスを崩したメリクリは地面の砂に向けて手を突き出し、氷の刻印から水の刻印に変化させて、水を噴水のように噴出して足を掴まれた状態で空中へと舞った。

 空中へ飛び、二人は密着状態で無防備な状況になった。ゆっくりと落ちていく中、ゲールは掴む手を離す事なく、もう片方の爪でメリクリ顔へ突く。だが、メリクリは再び氷の刻印へと変化させて凍らせた左手を突き出し、氷の盾を作り出して爪が突き刺さった。そのまま二人は地面に着地した。ゲールは爪を盾から抜き取ると焦った顔をして砂浜の後ろにある森へと逃げていった。


「ケッ!まだまだこれからだぜ!!」

「誘ってる気かい?乗ってあげるよ……」


 メリクリは微笑みながらゲールの誘いに乗った。森の中へとゆっくりと入っていく。

 草が生い茂っており、虫の鳴き声で敵の位置を特定するのは難解となった。更に木で覆われており、影も消してしまったいた。これが奴の狙いだと、すぐに察知した。


「なるほど、これが狙いか……」

「けぁ!!」


 奇襲のごとく、背後から突き刺してきたゲール。メリクリはすぐに身体を捻り、攻撃を避けた。ゲールの草むらの奥へと隠れていった。

 もうこの手の攻撃は完全に読み切っており、はっきり言って飽き飽きしていた。メリクリは見下すように森を見渡した。


「もうその攻撃は分かっている──!?」


 突如左右から二体のゲールが現れて、いきなりメリクリを襲撃してきた。息が合っている爪の攻撃が襲いかかってきた。


「何!?」


 いきなりの二体の攻撃に動揺するが、氷の盾を左右の手に作り、一気に受け止めた。両側からの攻撃を押され気味になるも、受け止めている中、わざとらしくゲールに聞いた。


「くっ……二体もいるなんてね……能力か何かか?」

「ケッ!?オラの二人に分身する能力を見破るなんて!!」


 うっかり言ってしまい、再び混乱するゲール。引っかかりやすい奴だとメリクリはニヤリと笑った。


「ふん、本当にバカで助かったよ」

「バカはどっちかなぁ〜!」

「ん?」


 二人のゲールはニヤリと笑い、寒気がするほど嫌な予感がした。目の前、背後、そして真上から合計3体のゲールが爪を立てて一斉に攻撃を仕掛けてきた。


「オラの必殺技を喰らえ!!」


 2体は嘘だった。5体に分身出来ていた。少し油断したメリクリは水の刻印へと変化させて、溶けるように水となって地面に落ちていった。

 ゲールは追いかけるように地面を踏みしめたが、水となったメリクリは何処かへと消えて悔しがっていた。


「きぃ!!逃げやがって!!」

「君だって逃げてたじゃないか?」


 森の中に響くように聞こえてくる声。ゲールは周りを見渡した。


「ぬぅ!?」


 周り全ての木の上に氷と化したメリクリが無数に立っていた。


「あいつがいっぱい!?へぁ!?」

「さぁさぁ本物はどれかな?」


 *


 その頃、体調が未だに戻らないシーカーはSyo達に別れを告げてログアウトした。だが、その疲れは残ったままで身体中汗だらけとなっていた。ベッドの上でプレイしていたが、ベッドのシートも汗で濡れていた。

 悠斗はまるで真夏にマラソンを終えた時のように汗が滝のように流れていた。至る所が痛んでおり、手を動かすのもやっとのレベルである。息も苦しく、体勢を崩してベッドから落ちてしまった。


「ぐっ……何故だ。身体が……うっ……」


 悠斗は推測しながら思い出した。大男との戦いの時、突如背中に二つの火種が出てきた。あの火種が出ている間、驚異的な力が発揮できて、火種が全部消えた瞬間、力が一気に失われて力尽きた。


「あれが……爆発的な力の正体なのか……」


 獄炎やフルパワーのパンチを食らわせても倒せなかった大男を、あの謎の力で倒した。理解出来ないが、今分かる事は体力が尋常じゃないほど奪い取られる事だった。


「でも、この力……今後の戦いに──」


 悠斗は力尽きて倒れこんだ。



 *


 Syoはアルと共にホームでチップのことを調べていた。Syoはアルと二人っきりになるのは初めてであり、とても緊張していた。いざ二人っきりになると、何も言えなくなり無言でチップを調べていた。


「……」

「そのチップって違法なんでしょ」


 話しかけられてビクッとするも心を引き締めて答えた。


「う、うん。そうだよ」

「どうやって手に入るの?」

「……俗に言う闇サイトだよ」

「闇サイト?」


 Syoは闇サイトのページを開いて、アルに見せた。

 一見普通の通販サイトのように様々な武器や服などこ商品が画面に表示されて、特別値段が高い訳でもない。だからアルにはよく分からなかった。


「普通の通販サイトみたいね」

「でも、よく見てこの剣を」


 普通の剣をクリックした。そこには剣の能力値が書かれており、P+10やEP-10などと書かれていた。


「このPとかEPとかって何?」

「 Pはパワー、+10は本来の+10じゃなくて+1000の事だよ」

「+1000!?このゲームって+99が最高じゃ──」

「あぁだからこれは隠している訳なんだ。EPはenemyprayerの略でつまり相手プレイヤーや敵モンスターの事だ。パワーをダウンさせて弱らせるの能力を持っているわけさ。他にもスピードアップやディフェンスアップなどがあるんだ」

「結構知っているのね……」


 少し疑いの目で見てくるアルにSyoはすぐに慌てて弁解を図った。


「お、俺は使っていよ!もちろんシーカーも!」

「ふっ、大丈夫よ。あなた達が使うとは思わないからね」

「よかった……」


 更にSyoは先程のチップを見ながら、色んな闇サイトを調べ始めた。

 その間にアルは寝床で寝ているウェルズの頭を優しく撫でていた。すると、猫のようにゴロゴロと身体から音を鳴らしながら身体を唸りだした。


「見つけた!!」

「えっ?」


 Syoが大声を出して、アルはびっくりして声を上げてしまった。ウェルズは慣れているのか大声に反応する事なく寝続けていた。

 Syoはパソコンを持ってアルの元へと駆けた。


「見つけたの?」

「うん、これだよ。このチップを」


 そのチップは特殊なチップであり、戦闘時操作が不能になる代わりに驚異的な攻撃や防御、スピードを得る能力であり、シーカーらが戦った大男と同じであった。


「やはり、違法アイテムで強化した相手か。でも、フィールドから出られなくなるアイテムとは一切ない……」

「え?」

「違法アイテムはいっぱいある。さっきの動画の凰姫って奴の仕業のようだな。やはり奴はそんじょそこらの奴とは一線違うみたいだな……」


 ニヤリと笑うSyo。何故か自信がついたのか軽く笑い始めた。


「ふふふ……」

「やけに元気ね……」

「こうゆう奴と一戦交えたいところだよ」

「……でも、今はメリクリさんが心配だわ」

「だね……」



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