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特別編 クリスマスフロンティア

 

 AlterFrontier内、24・25日は特別に一部のフィールドを除く殆どのフィールドに雪が降り注いでいる。いつもは夏のように晴天が続いて虹に輝くアルディルビーチも雪が降り積もり、一面雪景色に包まれて真っ白になっている。

 シーカーとSyoはホームの外で手袋やマフラーなどで寒さ対策をし、フード付きジャケットを着て、白い息を吐きながら家の前に巨大な雪だるまを細々と作っていた。


「クリスマス……俺達にゃあ関係ない事だ。楽しみたい奴だけ楽しんでいろって話だよ。だいたいさぁ何で男2人で雪だるまを作らなきゃ行けないのやら」


 1つブツブツうるさいSyoを横目にシーカーはせっせとバレーボールサイズの雪玉を転がしていた。


「シティに行ってもクリスマスムード一色でカップルが多いから嫌って言ってたのはお前じゃねぇか」

「うっ……」

「むしろ感謝するべきだ」

「何をだよ」

「こんな時に一緒に雪玉転がしてくれる友が1人でも居ることをね〜」


テレビでもシティTOKYOやギャンブル惑星でもクリスマス特集一色になっており、テレビも観る気にならず外で雪だるまを作って気を紛らわそうとしていた。

 シーカーはドヤ顔でSyoの顔を見ながら言い、Syoは頭を抱えた。


「はぁ……お前がアルちゃんなら最高なんだけどなぁ……」

「他のみんなは連絡つかんし、メルクリの奴は何してるんだが相変わらず分かんねぇし。まぁ2人でも良いじゃんか」

「はぁ……そうだな……1人よりかはな」

「こんな時位明るく行こうぜ」

「せめてプレゼンを持ったサンタが来れば、少しは気分が明るくなるかもね……」


 そして数分後、2人で細々と転がした2つの雪玉を合体させ、枝を腕として2本、口に1本。目に石を2個。そしてバケツをひっくり返して頭に乗せて完成。

 満足そうに乗せたシーカーに対して反対のSyo。やはり何か不満そうだ。


「どうしたよ、雪だるまも完成したし、次はソリなりスキーなり何でも遊ぼうぜ。雪は今日と明日だけだし」

「あぁ……そうだな」


 シーカーがソリを引っ張りSyoに背中を向けた瞬間、雪を両手で掬い上げてこね始め、おにぎりを作る要領で丸めた。野球ボールサイズの硬い雪玉を作り上げ、思いっきりシーカーの頭向けて雪玉を投げた。


「こんにゃろ‼︎」

「ぐはっ‼︎」


 真っ直ぐ飛んだ雪玉は後頭部に直撃して、シーカーはそのまま倒れて、雪に顔ごと埋まってしまった。


「次は……雪合戦だ‼︎」

「……へへへ合戦承諾だ‼︎」


 そう言いながらニヤリと微笑みながら起き上がり、適当に掬って丸めた大きめの雪玉をSyoへと投げた。雪玉が顔に直撃し、その反動で背中から雪の地面に倒れた。


「ぐふっ‼︎」

「身体動かした方が寒さも忘れられるからいいぜ‼︎」

「こんにゃろ‼︎」

「何の‼︎」


 男2人は笑いながらそのまま雪合戦を繰り広げた。

 そのフィールドに響くほど……


 こんな友情もあっていいんじゃないか‼︎


 楽しければいいんだよ‼︎


 あははははは‼︎クリスマス万歳‼︎


 2人は夜遅くまで、雪合戦をしていたのだ……




















「2人共楽しそうね」

「えっ⁉︎」


 そこに女性の声が聞こえてきた。


「あ、あ、アルちゃん⁉︎」

「何でこんな所に⁉︎」


 そこには少し露出度が高いサンタのコスプレをしたアルが体を震わせながら立っていた。流石に寒そうにしているので、シーカーは心配そうに聞く。


「寒そうだな……」

「う、うん……ほ、他にも来てくれた人がいるわよ」

「?」


 更にその後ろにも何人かいるのが見えた。2人は目を凝らした。そこには


「やっほー‼︎男2人で楽しいのぉ?」

「クリスマスくらい大勢集まろうぜ‼︎」

「僕も混ぜてもらうよ」


 サンタコスプレのアモレ、赤い鼻を付けたトナカイコスプレのオーガスター、そして何故か浴衣を着ているメルクリの3人も一緒に現れたのだ。Syoがメルクリにツッこんだ。


「寒く……ないの?」

「水と氷の刻印の持ち主だよ。こんなの全然大丈夫さ」

「へぇそうかい。


 この4人の登場にシーカーは一気に満面の笑みを浮かべて手を振った。


「おいおいマジで来てくれたのか⁉︎」

「貴方達は絶対暇だと思って来てあげたのよ‼︎感謝しなさい‼︎」

「感謝するさ‼︎さぁ‼︎みんなも一緒に遊ぶぞ‼︎」


 そう言いながら4人に向けて雪玉を投げつけるシーカー。


「きゃあ冷たい‼︎」

「へっ‼︎今回雪合戦か‼︎受けて立つぞ‼︎」


 オーガスターは腕を鳴らし、雪玉片手に子供のように無邪気な顔をして雪合戦へと率先して突っ込んで行った。


「僕も参加させてもらうよ」


 メルクリは雪を軽く掬い上げると、勝手に雪が固まり、雪玉が完成した。そして雪玉をSyo目掛けて狙いを定めて真っ直ぐと投げた。


「それ‼︎」

「ぶぇ⁉︎」


 まるで弾丸のように硬い雪玉がSyoの顔にめり込んで、動きが停止し、そのまま静かに雪の中へと沈んでいった。


「あれ?固め過ぎちゃった?」

「殺し合いしてんじゃねぇぞ‼︎大丈夫かSyo⁉︎」

「他人の心配してる場合か‼︎シーカー‼︎」


 軽い感じに言うメルクリに対して、シーカーのツッコミを入れる。だが、気絶してるSyoをほったらかしにオーガスターもメルクリも笑いながら楽しく激しい雪合戦を繰り広げていた。

 そしてアルやアモレも寒さに耐えれず、家の中からその様子見ていた。その様子にアルは多少呆れていた。


「よくこんなにも寒い中やるわね」

「男ってまだまだ子供よね。でも、元気があるのが一番いいけどね」

「ふっ、私も同感ね。ゲームの中でクリスマスってのも結構いいわね。仲間と一緒にいれるから」


 アモレは立ち上がり、アルの手を掴み上げて言い放った。


「私達はこのリビングに飾り付けでもしよっか‼︎」

「……えぇ‼︎やりましょう‼︎」


 アモレはメサから小さめのクリスマスツリーや飾り物を出して、2人は家の中で飾り付けを始めた。

 すると、ウェルズが起き始めて外を尻尾を振りながら興味津々に見始めた。


「外出たいのかしら?」

「雪と言うのものを知らないみたいね」


 アルがドアを開けると、ウェルズは一気に翼を羽ばたかせて一直線に飛び出た。そのままシーカー達の元へと行き、雪に飛び込んだ。だがその冷たい結晶に驚き、ずっと触っては驚いて飛び跳ねてを繰り返していた。


 3人の雪合戦は止まる事なく続いた。当てて避けられのループだが、それが楽しくてしょうがないのだ。

 アル達も2人楽しそうにお喋りをしながら、飾り付けをしている。


 クリスマスは大勢が一番‼︎


 そして楽しむ事がなりよりも大事‼︎


 そうみんなは実感した。メリークリスマス‼︎







 雪に埋まったSyo。彼は気絶しながらこう言ったらしい。


「クリスマスなんてクソって喰らえだ……ぐふっ……」



せめて小説内のキャラクターや他の皆さんが幸せになれば幸いですね、はい。

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