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第47話 ライブは晴れ時々大荒れ(2)

 

 ライブ会場のオーガスターもアモレも騒然とし、犯人に操られたダンサー達が、一斉にアルに攻撃しようとする中、2人が後ろで必死に戦っていた。

 鋭く的確に攻撃するダンサー達に、オーガスターは防御しつつ、耐えているがその裏では喜んでいた。


「いい攻撃でいいパンチだ‼︎もっと来い‼︎」

「こんな時に何喜んでるのよ‼︎Syoの奴が言ってたけど、攻撃してくる相手の武器にはウィルスがあるのよ‼︎気をつけて戦いなさいよ‼︎」

「分かってるよ‼︎」


 そう2人で背中を引っ付けあいながら敵をなぎ倒していく。

 その裏でマネージャーとマクラウドは2人で手を合わせながらブルブルと息の合ったように震えていた。


「だ、大丈夫ですよね……」

「う、うぬ……大丈夫だ、大丈夫……」


 2人の不安をよそに後ろの戦いに気付かずにどんどん歌って踊っているアル。

 何故そこまで気付かないのだろうか?


 ーーーーーーーーーーーーーー


「この広場の他にも大量のビルがある……こっから探すのはかなりの困難だけどな……」


 あちらこちらを見渡し、犯人の場所を探す。ビルは大量に立ち並び、空には飛行船や宇宙戦闘機が飛び交っている。


「こう多くちゃ、参ったな……」


 Syoはビルの屋上へと行き、ライブを眺めて胡座を掻きながらノートパソコンを開く。そして犯人の探知機である"R2-T2"を見て、犯人の居場所を見つけつつ、パソコンからとある画面を出した。


「この場所ならハッキリとライプも見れるし、犯人確保の為、やりやすいぜ‼︎」


 パソコンにはこの地区一帯にある、建物の構造図と全プレイヤーの位置を確認するちょっと違法なサイトを見ていた。


「シーカーの危機とアルちゃんの危機だ‼︎2人共絶対に助けてやる‼︎まずは、この付近一帯に特殊な電波を発信する‼︎ホレッ‼︎」


 ボタンを勢いよく人差し指で押すと、アルが踊っているビル以外の、この付近一帯が電気が消え、停電を起こした。また、それ以外にある付近の機械も全て停止した。ファンのメサは機能しなくなり、空に浮かぶ飛行船などは空に止まった。

 アルのいるビル以外が消えた事により、より一層アルのビルが輝いて、光の塔となる。

 だが、観客はまた歓声は止み、不思議そうにしている中、アルだけは気づいてなかった。

 そしてマネージャーがムンクの叫びのように悲鳴を上げていた。


「うぇ⁉︎て、停電⁉︎しかもこのビル以外が⁉︎」


 マネージャーの元にメサより連絡が届いている。もちろんSyoからだった。


「マネージャーさんよ‼︎」

「こ、これは君の仕業か⁉︎」

「テロップで何とかしろ‼︎ファン達がまたどよめき始めている‼︎」

「わ、分かった‼︎」


 すぐさまマネージャーはテレビ局に指示して、テロップを追加させた。


 "現在、起きている停電はライブの演出なので安心して下さい"


 そのテロップでまたどよめきが収まり、再び歓声が上がった。


「ふぅ〜助かった……」


 Syoも安心するファンを見て、更に作戦を進める。ボタンを押したSyoは、一度"R2-T2"を確認する。すると、まだ犯人の反応は残ったままだった。

 そのままノートパソコンを置き去りにして、さっさと逃げて行く。


「この違法サイトを使えば、この惑星の保安局がこの位置を特定して出動する‼︎あいつの反応はまだある‼︎犯人と俺のパソコンは同種だった。なら、同じ反応が出るはずだ‼︎」


 Syoが言った通り、その停電を起こした原因のパソコンを、攻撃を喰らわないように特殊な防衛システムを稼働している保安局はすぐに特定した。

 更に、ビルでの攻防でシーカーを襲撃した時に、Syoは犯人のパソコンを見て、同じ種類の高性能パソコンだと分かったのだ。


「特定したパソコンは1個ですが、現在付近で動いているパソコン、ステイトビル内以外もう一個存在します‼︎」

「両方とも捕らえよ‼︎」


 無数の隊員達がダッシュビーグルに乗り、そのパソコン2台へと一斉に向かう。

 Syoの予測通り、犯人はパソコンに防御システムを働かせており、


「さぁ‼︎保安局よ、俺と犯人、どっちを先に捕まえられるかな‼︎」


 何処か暗闇の中にいる犯人もこの状況には気づいていた。犯人のパソコンには赤文字で"警告‼︎保安局が接近注意‼︎"と出てきた。


「なるほど、保安局を使ったか。だけど、まだ甘いね。ヒヒヒヒ……なら第2ショーだ‼︎」


 不気味に笑いながら、ボタンを押した。すると、保安局やSyoのR2-T2に異常な量の反応が出て来た。

 これにより、保安局員もビルから脱出しているSyoも混乱して動き止めた。


「ちっ……反応が増えたか、相手もやるな。だが、俺もやってやるぜ‼︎」


 SyoはR2-T2のボタンを巧みに操り、異常なほどの反応を掻き消した。こんな時だが、Syoの顔からは焦りの顔というよりも喜んでいた。


「さぁさぁ‼︎犯人さん‼︎俺の機器はまだまだあるんだぜぇ‼︎」

「ヒヒヒヒ……まだまだよ、僕の機械術の前では‼︎」


 ーーーーーーーーーーーーーー


 そしてシーカーはダッシュボードに乗っていた。ビル付近は飛行可能領域が指定されている為、限られた場所で飛行していた。

 Syoが起こした停電はまだ、直ってなく辺りは暗いままで飛行するのが多少困難を極めている。

 更にSyoから貸してもらっているR2-T2-2の反応が消えたり増えたりと犯人とSyoの攻防が繰り広げされていた。

 これにはシーカーも困惑していた。


「クッソ‼︎消えたり増えたり訳がワカンねぇ‼︎」


 とにかくそこら辺を飛び回り怪しい人物の探索を続けている。


「……ん?あそこ……」


 シーカーが発見したのは、停電が起きてる中、1つだけビルの中から光が薄っすらと見えた。R2-T2-2の反応も曖昧ながらその付近を表していた。


「ま、まさか……」


その頃、犯人はパソコンをカタカタと夢中になって打っていた。


「ひ、ヒヒヒヒ……やるねやるね‼︎でも、でも‼︎」


と言ったそば、ガラスに何かが突っ込んで来て、激しく割れた。犯人はパソコンから手を離し、腰を抜かした。


「ヒっ⁉︎な、なんだ⁉︎」

「よぉ、ご無沙汰」


そこに居たのは指をパキパキと鳴らしながら不敵な笑顔を浮かべるシーカーだった。




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