第44話 狙われしアイドル(3)
あれから30分……ライブ開始まで30分。中々戻って来ないSyoに全員は暇を持て余し、マクラウドを入れて5人でトランプをしていた。
ババ抜きでシーカーはクローバーの1とジョーカーとマクラウドのハートの1枚が残っていた。シーカーのどっちかがババで、マクラウドがトランプを取る番である。
「さぁ‼︎マクラウドさん‼︎取ってくれよ‼︎」
「ふん‼︎良いだろうシーカー君‼︎私の運を見せてやる‼︎ふん‼︎」
マクラウドが胸を張り、勢いよく取ったカードはそれはクローバーの1を取った。
「見たか‼︎わしの勝ちだ‼︎」
「チキショウ‼︎またビリかよぉぉぉ‼︎」
社長とは思えないほど、大喜びではしゃぎ、シーカーも悔しそうに全てのカードを宙に投げて、カードを舞いさせた。
そんな中、オーガスターはこんな状況にあきれ果てていた。
「こんな呑気にトランプしてて良いのかね」
アルのマネージャーも慌てて部屋の中を走り回っていた。ライブ開始時間が迫るにつれて走り回る速度も早まっていく一方である。
「クソっ‼︎何でこんなにも大変な事にぃぃぃ⁉︎」
「Syo君遅いわね〜」
マネージャーは頭を掻き毟り、奇声を発した。
「これを失敗したら私はクビだぁぁぁぁぁぁ‼︎妻と子供もいないのに、無職になったらホームレス真っしぐらだぁぁぁ‼︎Noooo‼︎だからあんなガキンチョに任せるなんて嫌なんだよ俺はヨォ‼︎」
すると目の前に苦笑いしているSyoが現れた。その瞬間、マネージャーからは冷や汗がダラダラと流れた。
「ガキンチョで悪かったなぁ……」
「冗談ですよ……冗談……」
気を取り直してSyoはまず、とあるボタンを押した。
「何をしたんだい?」
「これは、さっき作った敵機械用妨害システム持ちのバリアです。僕の技術ではこの部屋内が限界ですけどね。この部屋のみんなにはハッキングされてないし、された様子も無いようだな」
更にSyoはとある物をみんなに見せたのだ。それは普通のメガネで、それが10個以上もあった。
「これが俺が今作った物だ‼︎名付けて"Jet3"‼︎」
「へぇ〜」
全員そこまで関心はなく、トランプを続けようとするので、慌ててJet3の紹介を始めた。
「これは、このビル内に設置されているカメラなどを一気に探知する装置だ‼︎」
「すげ〜大まかな機械だことで……」
そしてSyoは実演販売の如く、メガネを掛けてこの効力を見せた。
するとサーモグラフィーの容量で、その特定の機械のみを赤色で示すようになっている。その社長室を見渡すと、10個以上の赤い点を発見した。
「……これは異常な量だな……」
Syoはその部屋内の機械を1個1個回収し、全部破壊した。そしてアルとマクラウド以外の全員にメガネを渡した。もちろんマクラウドのボディーガードにも。
「一応マネージャーと後誰か1人はアルちゃんの側に居てくれ」
「わ、私じゃ役不足とでも⁈」
マネージャーは自分が弱いとでもと思い、Syoに食いかかる。でも、Syoは冷静に答えた。
「だって本当に頼りなさそうなんだもん」
「くぅぅぅ‼︎」
「……とにかくシーカー任せたぞ‼︎」
「お、俺⁉︎」
自分に当てられて、びっくりするシーカー。そして、何か言おうとすると。
「まぁお前がいれば大丈夫だ。アルちゃんに何かあったら……その時は」
「……はいはい、分かりましたよ。いってらっしゃい」
更にSyoはこの部屋にいる全員のとある小型チップを付けた。
「このチップを付けとけば、この部屋以外でもとりあえずはハッキングされる心配はない‼︎みんなで探しに行こう‼︎」
「おう‼︎」
アモレは真っ先にメガネを掛けてハッピのまま、部屋を出て行き、盗聴・監視機器を探しに行った。オーガスターはあまりやる気がないのか、のんびりと出て行った。
「俺も行ってくるわ〜」
Syoもボディーガード達もさっさと出て行き、探しに行った。
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全員、ちゃくちゃくと探しては破壊し、100階もあるビルから10000個以上の盗聴・監視機器が見つかった。机の裏、棚の奥、冷蔵庫の中など様々な所へと仕掛けられていた。
オーガスターもアモレと探しながら段々呆れてきた。
「どんだけあんだよ……この機械。この苦労をもっと別の事につかえっつぅの」
「ちゃんとしなさいよ‼︎まだ50階よ‼︎」
「ライブあと少しなんだぜ‼︎何やってんだよ俺らは……」
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別の所にいるボディーガードの1人が廊下を散策していると、男性社員の1人とぶつかった。社員はすぐに謝った。
「あぁすいません」
「大丈夫だ、気にするな」
ボディーガードが更に進もうとした瞬間、その社員が突如、手のひらから細いケーブルを出し、そのケーブルはボディーガードの首に入り接続した。
「な、何を‼︎」
「ふっ……遠隔的にハッキングがダメなら直接内部に攻撃するまでさ……」
いきなりの謎の攻撃に、ボディーガードは反撃しようとしたが、突如動きが止まり、石像のように灰色になった。
男性はそのままボディーガードを空いてる部屋をへと引きずりながら連れて行った。
そして暗い部屋の中で、ノートパソコンを開き、ボディーガードの内部にあるSyoが付けたチップのデータの解析を始めた。
「ヒヒヒ、30分で作った割には相当な腕だな。だけど、僕はその上を更に超えてるさ……」
巧みにパソコンを操り、データの解析を進めた。
「なるほど、なるほど、なら僕は更なる構築を練ろうではないか……」
そしてボディーガードにケーブルを繋げたまま、男の意識はなくなり、その場に倒れた。そしてボディーガードは立ち上がり、ニヤリと笑った。
「さぁ……ショータイムだ」




