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第34話 VS2人の鬼神‼︎‼︎(3)


4人の戦いを見ているSyoとメルクリ。


「すごい‼︎アルちゃんの白麗(はくれい)が出た‼︎これなら、あのオーガスターでも‼︎」


喜ぶSyoに対して、多少真剣に見ているメルクリ。


「でもオーガスターのあの顔……寧ろ楽しんでるかもね。アルちゃんの本気が見れる事をね」

「……つ、つまりまだ……」

「本気は出してない……って事だろうね〜」

「くぅ〜それにしてもシーカーの奴やってんだよ‼︎」


ーーーーーーーーーーーーーー


再び睨み合うオーガスターとアル。鋭くなった目のアルが繰り出した強烈な一撃を食らったのにもかかわらず、依然としてまだ物足りないような顔をする。


「さぁ‼︎来い‼︎」

「……行くわよ‼︎」


アルは一瞬消え、再びオーガスターの真横に現れ、拳を突き立てて攻撃を仕掛けた。だが、オーガスターも動きが分かっていたのか、アルの攻撃を左腕で防御した。


「おっと‼︎2度は通じないぜ‼︎」

「くっ……‼︎」


アルは一旦後ろにバク宙して綺麗に着地した。そして今度は正面から拳をぶつけあった。蹴りも交えながら先ほどよりも早く重い攻撃を加えながら、オーガスターを攻める。

少し押し気味になり優勢かと思われた、その時オーガスターがアルの繰り出したパンチを強く包み込むように受け止めた。


「ふん‼︎」


包み込まれた手を抜く事が出来ないと分かった瞬間、アルは膝を素早く上げてオーガスターの顎に一撃食らわせ仰け反った。


「くっ‼︎なんの‼︎」


仰け反った状態から、頭を思いっきり前に振りアルの頭にぶつけた。アルはそのまま吹き飛び、膝をつきながら着地した。


「いったぁ〜い‼︎」


アルは痛みで頭を抑えていたら、目の前からオーガスターが現れ、手を振りかざして来た。それをギリギリで避け、反撃するように足で相手の足を払った。


「ちぃ‼︎」


オーガスターは頭から地面に落ちそうになり片手の手の平を地面にひっつけ、手を回転するように捻らせ、それと共に身体も横に回転させた。そのまま身体をアルの方へ向け、足を曲げた。そしてそのまま足を思いっきり広げてアルを蹴り飛ばした。


「ぐふっ‼︎」


蹴られたアルは何とかその場に耐えて、まだ逆立ち状態のオーガスターの腹に向けて、両手を重ねて一気に力を放出した。すると手の先から紫色のバレーボール位の大きさの光るエネルギー球体が出てきた。


「はぁぁぁ‼︎喰らいなさい‼︎凛窮弾(りんきゅうだん)‼︎」

「お、おい……これって⁉︎」


そのまま弾はオーガスターの腹に発射され、身体を痺れさせるほどの激しい痛みと衝撃と共に木と木の間をすり抜け、遠くに弾き飛ばされた。


「うわぁぁぁぁぁぁ‼︎」


流石のオーガスターでも、かなりのダメージを喰らい、身体も少し傷ついていた。そしてどんどん遠くへと飛んでいく中、その方向からある音が聞こえていた。


「くっ……とんだ誤算だったぜ……⁉︎」


アルもこの技に体力を相当使い、両膝をつき息も荒くなる。


「はぁ……はぁ……これで、おわり……よ」


その音とは、海からのせせらぎの音が聞こえてきたのだ。このままでは海に落ちてしまうが、予想以上ダメージや凛窮弾の効力である痺れにより、手が全く動かせなかった。


「(くっ……このままでは……だが‼)︎」


飛んでいく中、痺れて動けない手を無理矢理動かし、徐々に手を地面へと伸ばしていった。そして手を地面に刺し、掘り返しながら徐々に速度を落とし、そのうちゆっくりと止まった。


「ふぅ……ギリギリセーフ……」


頭一つ分が崖から海に飛び出ていたのだ。あと少し遅れていれば、落ちていたという事だった。

痺れが治ったオーガスターはすぐに立ち上がり、森の中へと戻っていく。すると目の前にゆっくりと歩いているアルを見つけた。右肩を抑えてかなりの体力の消費がうかがえた。


「まだ俺はやれるぜ、勝負だ‼︎」

「……き、来なさい‼︎」


オーガスターも構えて攻撃を仕掛けようと片足を上げようとした瞬間、足元に何か違和感を感じた。


「……⁉︎」


下を見た瞬間、その違和感の正体を知ったと同時にそれはオーガスターの身体を縛り付けた。それはアルの武器である"鞭"であった。

アルは力を振り絞り、その鞭でオーガスターの手足諸共強く縛り付ける事に成功した。


「……まだまだ……私の番よ‼︎」

「予想以上にキツく縛ってるな‼︎」

「猛獣だろうと……鬼だろうと従わせるにはキツく縛らなくちゃ……」


オーガスターは暴れるが、強く縛った鞭を引き寄せていく。そして目の前まだ寄せた瞬間、アルの回し蹴りがオーガスターの身体をサウンドバックのように蹴り飛ばした。


「ぐわっ‼︎」


サウンドバックになったオーガスターを再び崖の前までぶっ飛ばした。そしてアルが近づき、倒れているオーガスターを見下したように見る。


「これで1人目……脱落よ‼︎」


蹴ろうとした時、オーガスターの眼球が急に細くなった。そして歯を食いしばり、身体全体に力が入った瞬間、何処からともなく苦無がアルとオーガスターを繋いだ鞭を切り裂き、目の前からオーガスターが消えた。


「⁉︎」

「ちょっとピンチじゃなくて?オーガスター?」


声は背後の木の上から聞こえてすぐに振り向くと、そこにはアモレと鞭を切り裂いたオーガスターの姿があった。


「ちっ……俺の邪魔しやがって……」

「2人も……」

「さぁ‼︎勝負よアルちゃんさん‼︎」


すぐにアルは危機を察知し、森の奥深くへと素早く引き返して行った。


「……私達も追うよ‼︎」

「へいへい……分かりやしたよ‼︎」


オーガスターは目を通常に戻して、アモレと共にアルの追跡を開始した。


Syoはムンクの叫びのように両手を頰に強く当てていた。


「うわぁぁぁぁぁぁ‼︎アルちゃんが大ピンチだぁぁぁ‼︎」


だが、メルクリはある事に気になっていた。


「(さっきのあの目……何かあるね……)」

「早く来てくれ‼︎シーカー‼︎」


果たしてシーカーはアルの元にいつ到着するのか?


技紹介


凛窮弾(りんきゅうだん)

使用者 アル

紫色のバレーボールサイズの球体。当てると痺れる。痺れはタメ時間により変化する

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